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Japan – After the trip

奄美大島のつもりが、沖縄へ。- Okinawa, Japan











今年の年末年始は、奄美大島で過ごそうということになった。なにしろ東京よりは暖かいし、国内なので何かあったときにも安心だ。珍しく、いくつかの宿を予約したり、おおよそのルートを決めたりして、家を出た。

LCCのバニラエアで飛行機をとったため、羽田ではなく、成田空港へ向かう。LCCのターミナルは、空港の端のほうに追いやられて、一度外に出て、冷たい空気を吸い込みながら、ようやくバニラエアのターミナルに辿り着くという流れになっている。小さな売店がひっそりとあるのみだ。

でも、時間通りに呼び出され、バスで空港内をぐるりと回って、ようやく機体に到着して、乗り込む。

すべてが通常通りのはずで、うとうととしていたところだった。
機体は少し動き出したところだった。

機長がアナウンスをする。

「左のエンジンから液体が漏れているので、調査をします。しばらくお待ちください。」

そこから、時間だけはとくとくと過ぎて、またアナウンスが入る。

「より詳しく調査をしますので、一度機体を降りてください。機体の左側には、消防車や救急車が集まってきており、物々しい雰囲気になっていますが、念のためのものですので、ご安心ください。」











機体を降りてみれば、確かに数多くの消防車や救急車が集まり、ホースを機体に向けている隊員もいる。

バスに乗って、先ほど来た道をまたぐるりと戻る。

出発予定だった10時を2時間以上過ぎたところでアナウンスが入った。

「奄美大島行き、JW823は欠航いたします。」

そこから先のアナウンスが、ない。

だから、おずおずと、スタッフに聞きにいく。

そこからまたしばらく待ってカウンターに戻ると、振替か、返金の決断を迫られた。

奄美大島の振替は、次は1月2日のみ空いております、と言う。

周りには、秋田からわざわざ来て、ここまで3万円ほどかかったという人もいたようだが、バニラエアは、「申し訳ございません、振替か返金のみ対応が可能です。空港までの交通費は補償いたしかねます」と繰り返すのみだ。

奄美大島に里帰りしようとしていた女性は、特に里帰りできないことを気にかけるふうもなく、私たちに、「これに懲りずにぜひいらしてくださいね」と言った。奄美はお金がないんですよ、と付け加えた。「南はお金がないの。」

こうなったら、どこでも良いから、行けるところを探そうと思ったものの、バニラエアはぎりぎりの機体数で運行をしていて、それぞれの行き先の本数も少ないので、当分先まで空きがなさそうだった。

困ったものだと私たちは、空港のそじ坊に入り、かつとじ丼とおそばをやけ食いする。既に、13時半をまわっていた。
他に空いている飛行機はどこだろうか。どこか北の方の温泉に行くか…。

携帯で調べていると、夕方のJALの沖縄那覇行きがまだ空いていることに気づく。とにかくどこかへ行こう、暖かいのなら、なおさら良い、ということで、沖縄に行くことにした。羽田から出発ということで、成田から羽田へ移動する。

JALは私たちに、端のほうではない、通常のターミナルを使わせてくれ、無事に時間通りに羽田を発ち、私たちを沖縄那覇へと運んでくれた。

「めんそ〜れ おきなわ」と、沖縄空港は私たちを迎えてくれた。
外に出てみると、とても暖かい。これだけで、本当に十分だ。来たかいがあった。

空港で宿を探して、キャンセルが入ったからと受け入れてくれた宿へモノレールで向かう。
牧志駅から近い、国際通り上にある宿で、荷物をようやく降ろした。

時刻は既に23時を過ぎていたものの、夜遅くまで開いている食堂、まきし食堂に入り、ゴーヤーチャンプルーにラフテー、それに豆腐ようをオーダーする。

こうして、なぜか沖縄で、旅が始まった。

冬のロシア料理

家の近くのお店巡りをしようと、リストアップ。寒さも深まるこの時期、今回はその中から、ロシア料理店を選びました。古びた入り口も気になっていたサラファンへ。ボルシチやらピロシキやら壷焼きやらロールキャベツやら。

冬は、こんなふうに、籠ったお店で、ぬくぬくと寒い国のお料理をいただくのが良い。

クリスマスの夜












寒い冬は苦手だけど、冬には空気が澄んでいて、イルミネーションもきらきらしていて、クリスマスもお正月もある。季節があるから、季節の行事を越しながら、一年を感じていける。

外でクリスマスイブの食事ができるのも、もうそんなにないだろうと、sensi by Heinz Beck。
東京駅は東京ミチテラスで色とりどりのカラーに輝いている。

11月に東京にオープンしたばかりなのに、スタッフそれぞれが見事なプロ意識で、店内もきっちりと心が配られている、気持ちの良い空間。

お食事のメニューはこんなふうでした。

シーフードとエキゾチックフルーツのサラダ
カボチャのクレーマ キノアのパフとマッシュルーム
グラナパダーノ・タリオリーニ 海老とハーブのスプーマ
季節の鮮魚 唐辛子のチップスとパプリカのクーリ
山形牛のアントレコート アーモンドクロスタとエシャロット
チョコレートムース スパイスの香り シトラスソース

それぞれのお皿が繊細で、アーティスティックで、心躍りました。

いつもと違った雰囲気の場所で、きちんとした格好をして、
背筋をのばしていただく食事は、いつだって、気持ちをしゃんとさせてくれる。

ジューシーなとんかつとドキドキする店












とんかつ いもや 二丁目店へ。接客がコワイと聞いてはいたものの、入店してみると、想像以上だった。二人で行っても、「空いている席にどうぞ」と強い眼力で告げられる。二人並びの席が空くまで待たせていただきます、と言うのもはばかられ、そのうちに「どうぞ」と再び強い眼力で催促される。

入る客に入店直後に「とんかつですか」と早口で畳み掛け、たいていの客はそれが聞き取れずに聞き返すので、また「とんかつですか」と表情を微動だに変えず尋ねる。

店内は、しんとしていて、時折ボスが部下を叱る声が聞こえる。その声を聞きながら、こちらもドキドキしてくる。全員カウンターなので、店員それぞれの動きが丸見えなものだから、店員の気持ちが伝わってきて、またドキドキしてくる。それでも満席で、客は黙々といただく。

でも、オーダーしたとんかつ定食は、分厚いお肉がじゅわりとしていて、大満足。お店を出たとたんに、ほっとしたくらいのお店だから、なかなかの雰囲気なのだけど、あのとんかつを食べにまた行きたくなっちゃうのかもしれない。

空也の最中。

空也の最中。