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Mexico

メキシコからベリーズへの道。 - Chetumal, Mexico

朝の4時半過ぎ、バスはメキシコとベリーズの国境沿いであるメキシコ側の小さな街チェトマルに到着する。

到着したターミナルから、国境に向かうバスの発着するターミナルまで25分程度歩いていく。道を尋ねた警察署の警察官は優しく方向を示してくれる。

NITTOやブリヂストンの店舗がぽつりぽつりとたたずむ幹線道路を曲がり、中華料理店やピアノバーなどといったレストランがいくつか見えてくる道を歩くと、ベリーズ国境までのバスが出ているMercado Nuevoに到着する。

今朝最初の国境行きバスは9時に出発するというので、それまで24時間オープンのハンバーガー屋、Los Portales Hamburguesasで待つことにする。

わたしたちは「コーヒーのためのお湯」と題された、お湯の入ったコップにインスタントコーヒーの瓶と砂糖の瓶がついてくるものを注文して、カンクンで買っておいたMexicanas Redondasという名のついた、いたって普通のビスケットと合わせる。

まだ外も暗い朝6時過ぎだというのに、店内ではウイスキーを飲み、ハンバーガーを食べる男の子たちが元気にがはがは笑って話しをしている。

水を自転車で運ぶ人がいて、バナナをトラックに詰め込む人がいる。軍隊がトラックの上に乗って通り過ぎ、おじちゃんやおばちゃんが「DE PESO CHETUMAL」という名の地方新聞を抱えて売り歩き、ハンバーガー屋に人が増えていく。

定刻3分前、8時57分にスクールバスを改造したというクリーム色のバスはくるくると動き始め、定刻通りにベリーズ国境に向けてゆっくりと走り出す。途中CANCUN行きとBELICE行きと、違う方向を指す矢印の標識が現れ、バスは「BELICE」を選び、進んでいく。

30分ほど走ったところで国境のゲートにたどり着き、一度バスから降り、ゲートのそばの小さなブースでUS20ドルを支払い、メキシコから出国することになる。

モノを選べるばしょ – Cancun, Mexico

宿でいつもの通りに、トーストにマーガリンと苺ジャムをつけて、オレンジジュースとともに朝食をいただいていると、隣に座ったメキシコ・シティ在住の男性から声をかけられた。

昨夜、メキシコ南部を震源地とする大きな地震が起きたが、彼の家族や友だちはみな無事だったという。わたしたちはカンクンで地震に気がつかなかった。

メキシコシティでは彼はフリーでプロデューサーをしており、傍らで車の修理販売も行っているという。フリーであるから、仕事を見つけるのが大変だと言った。以前はカナダで仕事をしていたそうで、その頃と比べて今は休みも少なく、給料も少ないといい、カナダを懐かしんでいた。お金を稼ぎたい、稼がなければ、何にもない。メキシコでは一日平均5ペソしか稼げない。リーマン・ショックでの落ち込みから少しずつ回復しているが、まだまだだ。日本人はよく働くから好きだ、と頭を縦にふりながら、言った。

お昼は再びパラパス公園に行き、Quesadillas de las palapas D’LuisでPicadilloとChicharron PrensadoのQuesaillasをとるが、夜と比べて人は少ない。その後、削ったチーズとnutellaというチョコレートペーストをぱりっと焼いた皮で包んだMarquesitasをつまみながら歩く。

今晩のバスでメキシコを離れ、ベリーズに向かうので、買い出しに行く。Chedrauiという2階まである巨大スーパーで歯ブラシやリンス、ライターといった小物を買い、プルーンヨーグルトやクッキーも買う。キューバであれほど幾度も欲された石鹸が、ここでは棚一列にずらりと並び、選び放題なのである。

そして、Plaza Las Americasという、これもまた巨大ショッピングモールでサンダルを買う。靴屋も何店舗もあり、靴は店の中いっぱいにディスプレイされている。モールにはZARAもアエロメヒコ航空も入っていてSearsやLiverpoolもあり、おしゃれにディスプレイされている。

キューバではラテンアメリカ国際フェスティバルが行われて巷の話題となっていて、2MNという低価格も手伝いシネマには大行列ができていたが、ここメキシコカンクンでは巨大コンプレックスがあり、映画も選びたい放題である。

メキシコからベリーズに向かうバスが22時発なので、Plaza Las Americasのフードコートで夕食を食べることにする。マクドナルドもバーガーキングもサブウェイも、イタリアンも、中華も、メキシカンも、ある。

わたしたちはその中でLa Mesa Calienteという店で、Pollo Naranja Chipotleという鶏肉の甘辛揚げにご飯やパスタ、バナナフライ、ハッピーターンに味の似たマッシュポテトをつけて盛り合わせてもらう。そこにパンがのっかるセットメニューである。

フライト1時間強の距離しか離れていない国が、これほどまでに、違う。わたしたちは、メキシコにいる間も、キューバの人たちを想った。

そしてMayabバスは定刻22時にクリスマスイルミネーションがきらきらと輝くカンクンを発ち、南へと進んでいく。

きらきらしているカンクン - Cancun, Mexico

ハバナから1時間半もしない内に、機体はメキシコ、カンクンに到着する。空港も、市内に向かうADOのバスターミナルも、いつの間にかクリスマスの飾りつけが施されて、ツリーが置かれている。

こんなにもきらきらとしている。

キューバにいる間荷物の一部を置かせてもらっていた宿のHostal Hainaに戻って挨拶をした後、パラパス公園に行って夕食をとることにする。公園のステージではユカタンの踊りが盛大なフィナーレを迎えている。

そばにあるCRISTO RAY教会ではミサが行われていた。淡い黄色のドレスで着飾った、15歳を迎えたという女性二人が真ん中に座っており、黄色いシャツに黒いスーツを着た男性が囲んで祝福されている。教会の前では、ローマ教皇が表紙になっているSagrada Familiaという新聞が配られ、わたしたちにも渡された。

公園のそばにあるArracheraと鶏肉のブリトーと、Cueritosという豚の酢漬けをチチャロンにのせたもの、それからしっとりとしたチョコレートケーキに、ピンクと白いクリームののったショートケーキを食べる。さまざまな種類の食べ物が、メキシコにはあった。

深いハグをするおじいちゃんと、握手を嫌うイギリス人。 – Cancun, Mexico

カンクンの宿、Haina Hostalの人々はみな優しい。今日はおじいちゃんが担当のようで、わたしの質問に答えるのと同時にぎゅっとハグをした。

そしてまた、このHaina Hostalにはわたしたちが一緒に滞在をしていたイギリス人、グレイグさんがいる。ヘルニアを患い、メキシコかキューバで手術をしたいのだそうだが、米国に持っている自分の口座からお金を引き出すのに、一度米国に行かないと引き出せないと言われたのだった。

そこでカンクンからマイアミまでの航空券をとったのだが、航空会社から、アメリカに入国するためには、アメリカ出国後の本国(イギリス)行き航空券がなければならない、だから、乗せることはできない、と言われたのである。話好きでつぶやきの多く、時折見せる笑顔が無邪気なグレイグおじさんは、そんなものだから、ずいぶん長い間この宿に滞在しているのである。

そのつぶやきグレイグさんが、今朝朝食をとっているときに「ぼくは握手は嫌いだから、日本人のお辞儀は良い習慣だと思う」と突然言い出し、持ち歩いているという殺菌剤をわたしたちに見せた。そして、握手はバイ菌を移し、病気を感染させる。日本人はそのことを知っていてお辞儀という挨拶の方法を採ったのではないか、持論だけどね、とつぶやいた。

深いハグをするメキシコ人おじいちゃんと、
握手を嫌うイギリス人。
いろいろな人がいるものである。

いよいよキューバに出発する時間となる。

カンクンのADOバスターミナルの片隅にAirport Shuttleと書かれたブースがあり、そこで空港までのシャトルバスチケットを購入する。バスは快適そのもので、30分程度でカンクン空港に到着する。

キューバに入るのにはツーリストカードというものが必要となるが、バスから降りるとどこからともなく現れた男性が、ぼくの奥さんは日本人で子どもが二人いるのだ、と言いながら、ツーリストカードを取得できる旅行会社のブースまで連れて行ってくれた。

その旅行会社の人がわたしたちのパスポートをみながら、すらすらと手慣れた調子でツーリストカードを記入してくれ、わたしたちはぼんやりとしているだけで、あっさりとカードができあがった。

カンクンからハバナまでは現在Cubana(クバーナ)航空とAeromexico(アエロ・メヒコ)航空が飛んでいるが、今回はフライト時間の良いクバーナ航空を選ぶ。イミグレーション代として262ペソをカウンターで支払い、出国となる。

遅延やオーバーブッキングもあると聞いていたクバーナ航空もほぼ定刻どおりに動いた。空を飛んでいる時間は1時間少しであるのだからカンクンとキューバはとても近いのだ。

機内では簡単なスナック菓子に加えて、ドリンクとしてオレンジ、レモン、パイナップルジュースやコーラ、水などの選択肢にラム酒であるHavana Clubが用意されている。隣に座っていたメキシコ人だという男性がラムコークを飲んでいたので、真似をさせてもらい、ラムコークを注文する。

エメラレルドグリーンの力 – Cancun, Mexico

今日は朝に海で泳いでからキューバ行きの準備をすることにした。本日の海は、CHAC MOOL。時刻は11時。高いと聞いていた波は、まだ穏やかで、エメラルドグリーンの向こうに深い藍色が層をなしている。人気はあまりない。朝の海はこんなにも良いものだ。

1時間ほどすると、徐々に高い波が現れ始め、カンクンという素敵カリブ海の強さを見せつけられる。格好の良いお兄さんさえぐんぐん沖に出てライフセーバーに手を差し出されていたから、このエメラレルドグリーンは容赦ない。

ときおりパラセイリングやウェイブランナーを楽しんでいる人々が遠くのほうに見える。そして、ココ・ボンゴなどのカンクンの有名クラブやアウトバックステーキハウスといったレストランの幕を大きく下げた広告がジェットスキーにひかれていく。

近くのコンビニ、OXXOでチーズ&ハムと牛肉のデシェブラダに香辛料チポレを合わせたブリトーにコーラを買って海を眺めながらお昼にする。肌はじりじりと焼けていく。

明日、キューバに発つ。
わたしの幼馴染でキューバに留学をした友人たちがいて、長い間のとっておきの国だった。それでも「食事がおいしくないから、メキシコからまるちゃんのカップラーメンは買っておいたほうが良い。男性は食事が合わなくて痩せてしまう人も多い」という不気味な助言により、そそくさと、カンクンの巨大スーパーに買い出しに行くことにする。すでにクリスマスの音楽が流れ、グッズが並べられている。

そこからキューバへの航空券を最終的に獲得し、中南米でご飯はぴかいちだと絶賛されるメキシコにて栄養補給をすべく、ADOバスターミナル近くのLa Coste-naというレストランで、サラダのついたPollo A La Planchaをオーダーする。

メキシコが終わりに近づいていく。

* キューバではインターネットがつながらないと聞きます。航空券は11月25日発カンクン戻りを12月10日でとっています。友だちにありがたい助言をたっぷりもらい、5日~9日まではハバナ大学でスペイン語を勉強してきます。(ほんとにありがとう。)中南米を旅するためにはスペイン語が不可欠。ネット環境も分からないので、更新ができないかもしれません。また帰ってきたら、ぽつりぽつりとつづっていきたいと思います。あこがれのキューバ。行ってきます。