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Chile

アルゼンチン―チリ国境情報(ウシュアイア~リオ・ガジェゴス)

ウシュアイアからリオ・ガジェゴスへのルートです。

※ウシュアイア、リオ・ガジェゴス共にアルゼンチンの都市ですが、陸路では一度チリに入国し、再度アルゼンチンに入国する必要があります。
※ウシュアイアからブエノスアイレスへの直行のバスはありません。一度リオ・ガジェゴスで乗り換える必要があります。

1.ウシュアイアからリオ・ガジェゴスに行く国際バスは、早朝5:00発。
※2社あり、2社とも早朝5:00発です。A$445.00 海沿いのバスターミナルから出発。
2.チリ国境が近くなると、バスの車掌がパスポートを回収に来る。
  国境近くのアルゼンチンのイミグレで、出国と再入国のスタンプが押される。
  ※バスを降りる必要はありません。バス会社の人が手続をしてくれます。
3.アルゼンチン側の国境で、荷物検査(X線を通す)。
  ※初めてアルゼンチン側で荷物検査がありました。麻薬を調べるためと思われます。
  荷物を全て機械に通します。
4.チリ側の国境で入国審査。パスポート及びバス会社で配られたツーリストカードを提出。
  ※チリに入国する際は、必ず荷物検査があります。
   果物・野菜・牛乳等は、事前に処分した方がいいです。
5.マゼラン海峡をフェリーで渡る。
  ※マゼラン海峡を渡る道路がないため、一度バスごとフェリーに乗ります。
   バスを降りる必要はありませんが、バスを降りて、フェリーの中を自由に
   歩きまわることができます。
6.チリ側国境で出国手続き。
  ※バスを降りる必要はありません。バスの車掌さんがパスポートを回収し、手続してくれます。
7.アルゼンチン入国手続は不要。リオ・ガジェゴスへ。
  ※2で、手続は終了しているようです。

◎両替
 国境付近には、両替する場所はありません。

あっという間のチリ – Chile on the way from Ushuaia to Rio Gallegos

牛や馬がのんびりしている大地をバスは30分ほど走り、チリ側のイミグレーション・オフィスへと向かう。

その間に、記入をしておいたチリ税関用の書類もまた提出が求められる。このチリのイミグレーション・オフィスもまた、ウシュアイアに入ったときと同じ場所である。

腕にタトゥーをほどこし、黒ぶちの眼鏡をかけ、髭を生やした若い男性が、入国審査をする。何の問題もなく、入国し、向かいの建物にある荷物検査台へと移動する。

ほっそりとした眼鏡をかけた厳格そうな見た目の荷物検査担当の男性が、荷物検査に関する説明を簡単にし、乗客7人はそれを神妙に聞く。

とにもかくにもチリにまた入り、バスは北へと向かっていく。

朝食用に、茹でて鞄につめておいたラビオリを取りだし、箸でつまんでいると、バスの添乗員の男性が、どうやって使うんだと興味しんしんの様子だ。ウシュアイアは、バスの職員まで、なにやら親切だ。

しばらくすると、グレープフルーツジュースとピザやチキンのエンパナーダ、クロワッサンやキャラメルパンの入ったセットが配られる。ぱくぱくと食べていると、そのうちにマゼラン海峡に到着する。海の向こうから赤い色をしたフェリーが近づいてきて、岸に到着するときにパカリと前方の壁を開けて、それを陸にかける。

「フエゴ島へようこそ」とかかれた看板から離れ、バスに腰かけたまま、フェリーに乗り込む。

バスや乗用車がフェリーに載った後、羊が3段ぎゅうぎゅうと押し込められたトラックも2台載る。ある羊は空を見上げ、ある羊は別の羊に乗り上げる。そんな羊たちが運ばれる一方、フェリーのカウンターではホットドッグが売れていく。

海峡を渡り、更に1時間ほど走ると、またパスポートをバスの添乗員に手渡す。チリを出国する手続きをする。もうバスを降りる必要はなく、添乗員の男性が、皆のパスポートを抱えて出国の手続きをしてくれる。

チリの、簡単すぎる出国だった。

チリ―アルゼンチン国境情報(プンタ・アレーナス~ウシュアイア)

チリのプンタ・アレーナスからアルゼンチンのウシュアイアへのルートです。

1.プンタ・アレーナスからウシュアイアに行く国際バスは、2社あります。
①TECNI AUSTRAL社 C$25,000- AM9:15発
②PACHECO社     C$30,000- AM9:00発
※出発する曜日が違うようです。現地にて確認してください。
 バスは、各会社のオフィスの前から出発します。
2.プエルト・ナターレス行きのバスに乗車。
3.アルゼンチン側の国境で、パスポート及び入国の際に受け取ったツーリストカードを提出。
(バスは手続が終わるまで待っていてくれます。)
4.チリ側国境で、パスポート及びバスの中で受け取ったツーリストカードを提出。
5.4と同じ建物内で荷物検査
(バスの中に預けてある荷物も、一度バスから降ろしてX線に通します。
 ※チリへは、牛乳・果物等は持ち込めないので、事前に食べてしまってください。
  バスの中に置いておいても、バスの中も調べられてしまいます。)
6.プエルト・ナターレスへ到着

◎両替
 国境付近には、両替する場所はありません。
 プエルト・ナターレスに到着後、両替する必要があります。

最南端の町に向けて、海を渡る。 -Punta Arenas to the border with Argentina, Chile

今日は大陸の中では最南端にある都市プンタ・アレーナスから、フエゴ島にある世界最南端の町、ウシュアイアへ向かうことにする。

ウシュアイア行きのバスは混雑しているから予約をしていないと座席を取るのが難しいと昨晩宿のオーナーにおどされ、朝は8時過ぎに2社あるウシュアイア行きバス会社の一つ、Tecni Austral社のオフィスへ向かう。

街の坂を下がったところにあるマゼラン海峡は朝日に照らされている。ほとんどの店が朝の9時から開くので、まだシャッターを閉じた店舗がひっそりと朝を迎えているばかりだ。

ウシュアイア行きバスは、聞いていたよりもずっとがらんどうだった。ぽつりぽつりと乗客を乗せただけで、出発をする。

朝食として、砂糖の入った甘いコーヒーと、ウエハースが配られる。昨日も通った海沿いの海軍基地を過ぎ、ぐっと東のほうまで走っていく。風車がぐるぐると回っている。

12時前ふいに合図がなり、バスごと大きなフェリーに乗り上げた。30分ほど海に揺られ、フエゴ島へと渡る。フェリーにはバスが2台と乗用車が数台載っており、カウンターや乗客用の座席も完備している。強い風が吹きつける。フェリーは時折がたがたと大きな音を立てて、高い壁の向こうから海の水しぶきをかぶる。

フェリーから降りたバスは、黄色く短い草の生えた大地の広がる、舗装のされていない道をゆらりゆらりと進んでいく。昼食用にソーダ水とハムとチーズをはさんだ食パンが配られる。鞄に入れてきた青リンゴを合わせてかじる。

15時過ぎにはチリ側のイミグレーション・オフィスにたどり着く。風はあるが、日に照らされてさして寒くはない。

チリ入国時の書類を提出して、氏名をつぶやかれると、無事に出国する手続きが終了する。ここにも荷物検査に関するポスター、大統領のポスターなどが貼りだされ、テレビにはサッカーのスペインリーグが映し出されている。

いくらか小銭が余ったので、オフィスのとなりにぽつんと構えられた売店でクッキーやウエハースを買い求める。

ペンギンとアシカとカモメとイルカ – Punta Arenas / Islas Magdalena & Marta, Chile

今朝は、宿でテーブルに並べられた食パンや丸パンにバターやスモモのジャムをたっぷりとつけて、ミルクコーヒーとともにいただく。

朝の10時に出るプンタ・アレーナス行きのBus Sur社のバスに乗り込む。さすがチリのバス会社、遅れることなく定刻に発車する。グレーの雲に覆われた平坦な大地で牛や馬、羊がのんびりとしている。枯れ木が積まれている大地、高い緑の木々が生えた大地、あるいは幹にまで黄緑色の草を生やした木々を眺めながら、バスは更に南へと進んでいく。

車内では、日本語で聖闘士星矢のナレーションが流れている。そして赤と白の風力発電がくるくると回っている。

空港を通り、13時15分ころにはマゼラン海峡に面したプンタ・アレーナスに到着する。夏の短いこの町は、人々が歩いているのにもかかわらず、ひっそりともの静かで、どこかさみしげに見える。聞いたところによると2週間前に大きな洪水があり、町の中心が破壊されて、いまだ閉まっている店も多いというから、それが理由の一つなのかもしれない。ところどころ工事中の場所がある。

アルマス広場にあったインフォメーション・センターも、若者の放火によってパソコンや書類が燃やされ、別の建物に最近移転をしたという。

こうして、グレーがかったこの町は、かつてマゼラン海峡が発見されて繁栄したものの、パナマ運河の開通に伴ってまた静かな町に戻ったのだそう。プンタ・アレーナスが州都であるマガジャネス州は、チリから独立したいと願う人々も一部にいるとも聞く。

それでも、町の中心のアルマス広場の中心にはマゼラン像が立ち、その足元にいる先住民族のアラカルフ族の足は「無事に航海を終えられる=幸福になる」と言い伝えられ、数多くの人々が集まり、次々と既に色の変わった足の先を触っていく。

この町の近くには、野生のペンギンやアシカなどが数多く住んでいるMagdalena島とMarta島があるというので、今日船を出しているというSolo Expedicionesのオフィスへ行き、島へと向かうことにする。

バンに乗り込み、マゼラン海峡の港へと向かう。30分走ると、海軍基地や物流の港が見えてくる。潮の香りのする海岸には、チリの国旗を掲げた錆びれたボートが置かれている。

小さなボートに乗り込んで、黄色のライフジャケットを羽織る。クラッカーをかじりながら、勢いよく揺れるボートが進むこと40分ほど、ペンギンが住むMagdalena島に到着する。今の時期、既に子どものペンギンは北のほうへと移動していて、ここに残っているのは大人のペンギンだけだというが、それでもおよそ100,000頭のペンギンが島中に生活をしている。島はぴぴぴ、ぐわぐわとペンギンの鳴く声で包まれている。

あちらこちらに穴を掘り、あるペンギンは羽をばたつかせ、あるペンギンは対で寄り添いあい、あるペンギンは喉を大きく震わせて、口を空高く向けて、くわくわくわと鳴く。

てくてくと歩きまわるペンギンもいれば、寝そべっているペンギンも、嘴でつつきあうペンギンもいる。
地面にはトウゾクカモメが食い散らかした鳥の死骸が残されている。

島の頂上にはペンギンに関する小さな博物館があり、十字架と、現大統領の額縁が併せて飾られている。

そこから近くのMarta島へ向かう間に、いるかが海面に次々と飛び跳ねる。時にボートの下をくぐり、深い海の上につるりとした黒い背中をのぞかせる。

Marta島には上陸することはできない。そこにはペンギンと似た姿をしたウミウがぎっしりと立っており、島の反対側の岸には、ぐあぐあと無数のオタリア(アシカ科)が鳴き、その上をまた果てしない数のかもめがぴーぴーと空を舞っている。島中から鳴き声が響き渡り、かもめの影が島に黒い点を作りだしている。

こうして、人間の降りることのできない島は、数えきれない野生の動物の鳴き声で包まれ、独自の世界を作っていた。

ガタンガタンとスピードを上げて進むボートは19時過ぎにプンタ・アレーナスに戻ってくる。日がとっぷりと暮れた町は、数店舗のレストランや商店、バー、ビリヤード場や女性のいるナイトクラブ以外は閉まり、ひっそりとしている。

商店を2軒立ち寄って夕食の食材を買う。1軒目は開業30年目という商店で、さして愛想のない初老の女性が、それでもクリスマスのイルミネーションがほどこされた店内で食材を売っている。もう1軒は男性二人が店頭にたち、飴をくれると差し出された。

宿に戻って、ツナとじゃがいもとたまねぎを炒め、こんがりと焼いたパンと紅茶と合わせていただくことにする。身体が芯から冷える夜だ。