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Bolivia

ぐるぐるのラ・パス – La Paz, Bolivia

ラ・パスのすり鉢状の町の底のほうは高層ビルや高級住宅街が広がり、上のほうにいくにつれて、貧しい人々の暮らすエリアが広がっている。その鉢の上のほうに位置するエル・アルトで木曜日と日曜日に開かれているという市を訪ねることにする。

コレクティーボの出るサン・フランシスコ教会前に行くと、教会の扉が開いていた。1549年、植民地化が始まってすぐに建てられたという教会には、黄金の祭壇の横に宗教画がかけられている。多くの人が集まる教会前から「Ceja」行きのバンに乗り、20分ほどかけてすり鉢を上がっていき、また大勢の人たちが下車をする16 de julioで降りる。

そこからほんの少し坂を歩いて行くと、ラ・パスの街並みを眺められる丘がある。ちょうど中ほどに高層ビルがあり、右手はぐっと上がり家々の立ち並ぶ丘になっている。遠く左のほうに目をやると、山がつらなり、家々は途中まで建つのみである。頂上がばっさりと平らな山の背後には、雪山がそびえたっている。

そこから、更に階段をあがり、市場にたどり着く。青いビニールを屋根に張った露店が立ち並ぶ。既に高度4000mを越えている。それでも既に高所に慣れてきた身体には若干の空気の薄さは感じるものの、体調は良い。

ニセドラえもんグッズや黒く汚れたバービー人形、リモコン、車のホイールやハンドル、ライトや座席、壊れているのであろう靴、鮮やかな布や大量の古着、海賊版DVDなどがわんさかと置かれている。インディヘナの女性たちがここでも元気に商売をしている。

さして愛想もない男性がポケットに手をつっこんだまま、「昆虫の折り紙」と題して、器用に折られたモデルを掲げて折り紙セットを販売している。それをまた男性たちが眺めている。

そしてまた、どこのパーツか分からない金属や電気製品の部品を、男性たちは真剣に吟味している。

市場のはしで売られていたサルテーニャを買い求め、つまみ歩く。さくっと揚げられた皮に、カレーのような味のチキンやじゃがいもや野菜がつまっている。ほくほくと美味しいサルテーニャをほおばりながら、市場を練り歩く。

昼食は、多くの客でごった返していた屋台で、揚げフライ、ペペレイを食べることにする。
ティティカカ湖で捕れたペペレイに、とうもろこしのモテ、茹でたじゃがいも。それに伝統的な保存食としてこの辺りでよく食べられているという黒く小さくなった乾燥じゃがいもチューニョや、青いまま柔らかくなったような味のバナナがついてくる。それにレモンや赤くぴり辛のソースを絞ってかける。じゃがいもやチューニョはおかわりし放題のようで、男性たちは何倍もお代わりをしていく。

雨がぽつりぽつりと降ってきたので、またバンに乗り、町中のサン・フランシスコ教会へと戻り、そこからムリリョ広場近くのAorianitaというカフェに入る。ガラスの扉にArroz con lecheと書かれた古びた建物はいかにも良い雰囲気で、中のテーブルには黄色と青色のテーブルクロスが敷かれ、黄色の花が花瓶にさしてある。

温かなミルクチョコレートと甘くシナモンのかかったArroz con leche – 米をミルクで甘く煮たもの – をオーダーする。一人の男性がサービスをしているその店内はひっそりとしていて、ミルクチョコレートは、薄い。

そこから植民地時代の建物が残っているハエン通りを歩く。クリーム色や深緑、水色や青、えんじといったカラフルな色の家が立ち並ぶその通りには黄金博物館やムリョリョの家といった博物館も立ち並ぶが、14時半という時間だからかどこも閉まっている。

近くのサント・クリント教会やサント・ドミンゴ教会もまた閉まっているものの、サント・ドミンゴ教会の近くでは多くの警官が集まっている。デモが行われるといい、車いすの人々が集まり、テントが何張りか張られている。教会には「我々には人権がある」といった張り紙や「法律に守られない人々は権力に痛めつけられている」といった紙が貼られている。

ボリビアでは長距離を行進したり、テントを張ったりするデモが時折各地で行われるのだという。

1775年に建てられたバロック様式の国立芸術博物館を通り、そばのカテドラルや大統領官邸、国会議事堂が囲むムリリョ広場へと向かう。広場を囲む道では、ちょうどインドやフランス、パナマといった大使たちが歩くということで、赤い絨毯が敷かれ、赤い制服を着た衛兵が音楽をならし、行進をして出迎える。

スーツを着て慌ただしそうにしている男性も、走り回るカメラマンも、音の出るたびに飛び立つ鳩もいる。衛兵はおおよそ若い男性で、立っている間にいかにも眠たそうにしている衛兵もいる。立ったままうとりとしかけ、ぼんやりと宙をながめていれば、手にした銃剣で顎をつきかねない。30分ほどかけて無事に大使たちが歩き、彼らの任務も終了する。

カテドラルは、賑やかな鼓笛隊の並ぶ中にあって、訪ねる人も少なく、ひっそりと静かだ。暗いカテドラルにはステンドグラスを通して光がさしこみ、小さな十字架にキリストがかけられている。

そこから、ラ・パスで最もおしゃれだというというソポカチ地区にバスで向かう。アバロア広場から学生広場まで歩く。洒落たレストランやカフェ、洋服屋やヘアサロン、図書館に映画館、バーガーキングなどが立ち並ぶ。インディヘナの人たちも携帯を持ち歩き、パソコンをさくさくと操ったりする。靴磨きの男性は一様に覆面をしている。

そこからバスに乗り、宿の近くへと戻る。今晩の夜行バスの中で食べる夕食にと、ステーキをパンにはさんだロミートをメインストリートのサガルナガ通りを初め、ぐるぐると探し回るものの、なかなかに見つからない。ようやくPollo Reyという店で見つけて買い求める。

そうして宿に荷物をとりにいき、バスターミナルへと向かう。ターミナルへ向かう途中、先ほど探し回ったロミート屋の屋台が何軒も店を構えているのを見つけるものの、めげずに急な坂道を上がり、無事にターミナルにたどり着く。

El Dorado社のカウンターで手続きをし、19時半、バスはがらがらのまま出発をする。

坂をぐるりと上がり、丘の上まで上りつめると、ラ・パスの橙色の灯りが眼下に広がる。家々のない山の部分は、暗く縁取られている

さきほど買っておいたロミートをほうばる。噛みづらい牛肉のステーキが目玉焼きやトマト、レタスとともにパンにはさまったもの、それにフライドポテトがついている。

エル・アルトのバスターミナルで一度バスが停まると、わさわさとたくさんの乗客が乗り込んでくる。貧困街と言われるその町にも、光り輝く簡易遊園地がある。

インディヘナの女性たちも多くいて、ふっくらとした身体をゆさゆさと揺らし、大きな荷物をいくつも抱え、がばりと席に放り投げる。こうして途端に満席となったバスは、アンデスの山を越えて、標高437mというサンタ・クルスへと向かうことになる。

ボリビアのはじまり – Kasani (Border with Peru) / Copacabana / La Paz, Bolivia

煉瓦の門をくぐると右手に教会があり、左手にはボリビアのイミグレーションオフィスがある。先ほど記入したイミグレーションカードを差し出し、パスポートに挟まっていた虫は「スタンプか?」という冗談に答えれば、ボリビアに入国したことになる。

近くには日本語で「たいようパン」と荷台に書かれたトラックが停まっている。

国境のKasaniという町からコパカバーナという町まで8キロ、バスで約10分ほどで到着する。
コパカバーナもまだティティカカ湖畔の町で、湖にはヨットやあひるのボートが並んでいる。小さな町にはホテルや旅行会社が軒をつらねる。

丘をあがったところには、ムーア・スタイルのカテドラルもあり、1570年代に造られた褐色のキリスト像がまつられている。イースターの日には、ラ・パスからここまで歩いてやってくる巡礼者もいるのだという。ちょうど結婚式を終えた新郎新婦が車に乗り込んでいくところだった。

教会の前では、白や淡いオレンジの花が売られ、カラフルな花やリボン、トトラなどで飾られた車が停められている。

1時間ほどコパカバーナにいた後、Pan Americano社が手配をしていたボリビア側のバスに乗り換えて、ラ・パスへと向かう。氏名と年齢、国籍、パスポート番号、職業と目的地を書いた紙を回していく。ペルーの快適だったバスとは、すこし、違う。

晴れた空に山々がつらなる道を行くこと1時間ほどでSan Pedro de Tiquinaに到着する。湖のこの部分には道が通っておらず、一度バスを降りてボートに乗りかえて湖を渡る必要がある。

乗客が乗り合いボートに乗って順次湖の向こう岸へと向かう間、バスは別の筏に乗って、ゆったりゆったりと運ばれていく。辺りには、何台もの車が筏に乗って進んでいく。

岸にたどり着いたバスに再び乗り込み、高度4000mほどの丘を越えながら、やがてティティカカ湖から離れ、ボリビアの首都、ラ・パスへと向かっていく。

17時前に雪をかぶった標高6402mのイリマニ山を眺めると、30分ほどかけて、ぐるりぐるりと円を描きながら、すり鉢状のラ・パスの中心近くにあるバスターミナルへとたどり着く。

ラ・パスは危ないという噂を聞いていた。首絞め強盗やらケチャップ強盗、つばかけ強盗やらにせ警官と、何やらおどろおどろしい言葉が並んでいる。近年は、警官やイルミネーションを増やすことで治安は改善されているというが、やや前のめりで歩く。とはいえ、標高も高く、坂の多いこの町では、息もきれぎれである。

パフォーマンスが繰り広げられているサン・フランシスコ寺院近くの宿、El Solarioに荷物を置いて、町を歩くことにする。

電気製品や便器、スポーツグッズ専門店の多い坂をあがり、メルカド・ネグロと呼ばれる市場へ向かう。ここは坂にできた大きな市場であり、靴やら洋服やらがぎっしりと並べられ、その周りにも露天が並び、床には魚や野菜などが売られている。金属やライト、布地、パンなどを売る店もある。

ところどころに黒髪にみつあみを施し、頭には山高帽を被り、鮮やかな布にくるんだ荷物を背中にしょったインディヘナの女性たちが歩いている。

町を歩いていてもインディヘナのおばちゃんがよく目につくほど、おばちゃんたちは商売熱心で、例外なくぷっくりとしていて、力強い。エル・アルトでは毎週日曜日にインディヘアの女性たちがレスリングをする試合もあるそうだから、なかなかに恐れ入る。

そこから通称魔女通りと言われるリナレス通りを歩く。ここには家内安全を祈願するのに用いられるリャマの赤ちゃんのミイラや、Polvoと呼ばれる粉、石の置物やキャンドル、エケコと呼ばれる家に住む神の人形などが並べられている。ひょうきんな顔をしたミニエケコ人形が15ボリビアーノであるのに対してリャマのミイラは50~200ボリビアーノするという。

そこからまたぶらりと歩き、Silpanchoという料理名が並ぶ屋台で、そのとおりSilpanchoをいただくことにする。店舗名は、「Silpancheria Dona Pancha N:7」。左の店から順に番号を振られているだけである。

テレビを見ながら、仕事帰りだと思われるスーツを着た男性と、それに連れられてきたらしい男性二人が食事をしている。

ここでもまたふっくらとした女性が、大きなフライパンを前に大量の肉を揚げている。牛肉を平べったく焼いたものに目玉焼きにじゃがいもが乗せられ、紫色の砂糖大根にキャベツ、ライスが一皿に盛られている。

こうしてどことなく薄暗い高所、ラ・パスの夜は更けていく。

ペルー―ボリビア国境情報

ペルーのプーノから、ボリビアのコパガバーナを経由して、ラ・パスへ行くルートです。

プーノのバスターミナルからラ・パス行きの国際バスが4社ほど運行しています。
(7;30発又は14:30発 s/.25~40。)
セントロからターミナルまで、トゥクトゥクでs/.2.00ほど。
※国際バスは、左側の席に座った方が、チチカカ湖が見えてきれいです。

1.ペルー側にて、
①警察の建物(緑色)で、パスポートと、入国時に記入したツーリストカードを提示。
(裏面に、ハンコが押されます。)
②イミグレで、出国手続(パスポート・①のハンコが押されたツーリストカード)
※両替屋がいるので、Bs.に両替してください。下記3,5で、Bs.の細かいお金が
 必要になります。

2.100mほど歩いて、ボリビア側の入国手続
(パスポート・ツーリストカード(国際バスの場合、バスの中で配られることもあります。)を提示。)
※黄熱病の予防接種証明書及びパスポートのコピーは、不要でした。
※国際バスは、エクアドル側で待ってくれています。

3.バスに乗り、コパガバーナへ向かう。コパガバーナにて1時間休憩。
※コパガバーナに入る手前でBs.1.00を車内で払います。
※レストランが多数あります。

4.コパガバーナにてバスを乗り換え、出発。
※国境を越えたバスから、荷物を降ろして、乗り換えます。

5.しばらくすると、バスを降りてボートに乗るよう指示されるので、
  バスを降りボートに乗り換え、チチカカ湖を渡ります。 s/.1.50
※湖を渡る橋がかかってないので、乗客はボートで渡ります。
 バスも船で湖を渡ります。

6.対岸で再びバスに乗り、ラ・パスへ向かう。

◎両替
ペルー側の両替所でs/.をBs.に両替。
s/.1.00=Bs.2.50でした。