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海と温泉と刺身と釣り人

いつもなら、ここで下田二日目となるところだけれど、
今回は、下田から伊豆七島の一つ、式根島に船で向かう。

朝ごはんは、クリームたっぷりのハリスさんの牛乳あんパンと、牛乳。

大きな船、あぜりあ丸に揺られること3時間半ほど。
神津島に立ち寄りながら、ある者はごろ寝をし、
ある者は甲板に出て、トビウオの飛ぶのを眺める。

船が到着すると、
今晩宿泊する鈴豊さんのバンが止まっていた。
寡黙な男性のようだった。
バンが走り出して、少ししてから、話をする。

宿に荷物を置き、レンタサイクル店で電動自転車を借りる。
島は坂が多く、自転車をこぐのはなかなかにきついと聞いていたものだから、
電動でということにする。

小さな商店、みやとらで、昼ごはんを調達する。

既に弁当は売り切れていたので、
コロッケやパックされた伊達巻、
クロワッサンを買い求める。

島の物価は総じて高い。

自転車に乗り、神引展望台を登り、広い海を眺める。
崖がそびえたち、緑が広がっている。

風の吹く中、買ってきた昼ご飯を広げる。
東京本土から来たという女の子たちもはしゃいで写真をぱちりぱちりと撮っている。

遊歩道をてくてくと歩き、
乾いた唐人津城までたどり着き、
てくてくと戻って、
再び自転車にまたがる。

式根島には自然の露天風呂が数カ所ある。
湯加減の穴に手をつっこんで、むわりとする空気に触れた後、
ずんずんと階段を下がって、最初の温泉、地鉈温泉に到着する。

湯は赤茶けて、熱すぎる湯の箇所もあり、ワイルドな風情である。
水着を着た人たちがちょうど良い温度の箇所に集まっている。
身体を浸して、手を底につけると、ぬめりとする。

足付温泉、松が下雅湯にも立ち寄る。
それぞれに、地元のおじいさんが入っていて、土地の話をしてくれる。
夕方5時になれば、毎日その時間に来るというおじいさんがやってくる。

すっかり温泉を満喫した後、鈴豊さんに戻り、夕飯となる。
この宿はわたしたち以外は全員釣り人だった。
この日に収穫してきた魚をそのまま宿でさばいてくれて、
夕飯の食卓でみながその恩恵を受ける。

鯛の焼き物、分厚い刺身が運ばれてくる。
それをぐびぐびとビールを飲みながらいただく。

どの客も常連のようで、30年以上通っている人もいるという。
そんな長年の釣り人でも、まだ一度も温泉を見に行ったことがない人がいるのだから、
釣りの魅力は奥が深い。

ゴールデンウィークの前半に鈴豊さんに泊りながら釣りをして、
一度東京本土に戻り、
後半に舞い戻ってきた人もいる。