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マチュピチュを見に行く。 – Machu Picchu / Ollantaytambo / Cuzco, Peru

マチュピチュ遺跡のふもとにある村、マチュピチュ村(アグアス・カリエンテス)から遺跡行きの始発バスが5時半だというので、それに合わせて宿を出る。夜遅くまで賑やかだったPachacutec通りの坂もひっそりとしている。

それでも坂を下って、バス停に着いてみると既に行列ができていた。バスの中で苺のヨーグルトを飲み、パンをかじる。くねりくねりと山を上がるバスに乗っている最中に雨が降り出し、夜が明けたばかりの辺りの山はすっかり霧に包まれている。

約30分ほどでマチュピチュ遺跡の入口に到着すると、またここでも行列ができていた。パスポートを提示して中に入る。

入口から歩いてほどなくすると、早速に「農地管理人住居跡」に行き着く。そこからさらに奥に入ると段々畑が広がり、やがて総面積5km2だというマチュピチュの大きさを知ることになる。段々畑ではかつてとうもろこしやじゃがいも、コカの葉やキヌア、ユカ芋などが栽培されていたのだという。

そこから市街地への入り口、と言われる門を通り、庶民の住居区をみながら、石切り場へと向かう。大きく尖った石がそのままごろりと置かれている。

階段を下り、「17の水汲み場」に向かう。もともとの水路はインカ以前からあったもので、それをインカ帝国は拡充し、徹底的に水を管理し、発展を遂げたのだという。はるかかなたの山の上からくねりくねりと石の溝を通り、水が流れていく。

すぐそばには壁がゆるやかなカーブを描いている「太陽の神殿」、ミイラの安置所だったとされる「陵墓」、隣には2階建ての「王女の宮殿」がある。太陽の神殿の下のほうにあけられた穴は「毒蛇の通路」と言われているそうで、石の中で穴の向きを変えて反対側へと抜けているのだという。

不揃いの石を積み重ねていた庶民の住居区と比べて、神聖な場所、高貴な場所であるこれらの石積みは、ぴしりと石が揃い、隙間がない。

そこから聖職者の居住区を通り、「コンドルの神殿と牢獄」にたどり着く。インカ帝国では、盗まない、怠けない、だまさない(アマスア、アマケア、アマユア)の掟を破ったものには重い刑がくだされた。儀式に使われたというコンドルの石が置かれ、大きな石のそそり立つコンドルの神殿の半地下にある薄暗い牢獄の中には、体罰に使われたという椅子も残っており、ひんやりとしている。

近くの技術者の居住区には、マチュピチュの発見者であるハイラム・ビンガムを連れていた少年が石臼として使用していたという直径60cmほどのまん丸の石があり、さらに奥には3つの入り口の家のある貴族の居住区がある。石でできた家々の跡には窓もあり、先のとがった壁も、でっぱりもそのままに残されている。

雨も止んできたので、段々畑わきの階段をぐっと上がり、高台にある見張り小屋に向かう。

眼下にマチュピチュと、その向こうにワイナピチュの山を眺める。霧が山の下のほうからもくもくと、わきたっては流れていく。ほどなくして霧が晴れ始め、マチュピチュ遺跡の姿が現れた。

裏手には、生贄をロープでつないだともいわれる葬儀の石や、数多くのミイラが見つかった墓地がある。

クッキーをかじったりしながら、いよいよワイナピチュへと登る。晴れたワイナピチュの山肌には、山頂のほうにもまた段々畑があるのが見える。入り口でノートに氏名、年齢、性別、国籍とサイン、入山時間を記載する。戻ってこない人を確認するためなのだという。

急な傾斜を描く標高2690mのワイナピチュは登るのは、やはり急な道を上がっていくのであった。最初に若干下ってからは、ロープなどを頼りに、高さのある段差をひたすらに上へとあがっていく。

1時間ほどで狭い山頂に到着する。上から眺めると、マチュピチュ遺跡が、マチュピチュ山の中腹に位置しているのが分かる。そして遺跡の下は崖となり、下にはウルバンバ川が山に沿って流れている。山の下のほうにまでところどころに段々畑がつらなっているのが見える。

こうしてみてみると、遺跡の多くが段々畑であることが見て取れる。そして山の奥のインティプンクの遺跡のほうへとインカ道が伸びていく。

洞窟などを通りながら、山を下りて、先ほどのノートに、下山時間を記載し、再度サインをする。

マチュピチュの最も高い地点に日時計が置かれているインティワタナや主神殿、3つの窓の神殿、神官の館や神聖な広場を見て、さきほどワイナピチュから見えていたインカ道を歩くことにする。

プライム・ぺルビアン・ミルク・チョコレートを口に放りいれる。クスコは南米で初めてカカオの生産が行われた場所で、ペルー・アンデスのカカオは世界的にも有名だとパッケージに書かれている。

インカ道を歩いていくと徐々にマチュピチュ遺跡が小さくなっていき、石の門(太陽の門)を通り抜け、40分ほどでインティプンクの遺跡に到着する。切り立った山のふもとを流れる濁流のウルバンバ川のほとりには、アグアス・カリエンテスの村が小さく見える。

帰るころには遺跡の閉まる17時ころとなり、人気のないマチュピチュを静かに眺める。
「空中都市」には風が吹いていた。

名残惜しさを感じながらバスに乗ってアグアス・カリエンテスの村へと戻る。宿に鞄を取りに行き、市場で昨日と同じ女性からパンを買い、そのほかにチーズとハムを買い足して、オリャンタイタンボ行き電車に乗り込む。列車ではインカ・コーラに豆のスナックが配られる。

外はすでに暗闇で、途中からぱらぱらと雨が降り始める。がたりごとりと大きな揺れをみせながら、列車は1時間半ほどでオリャンタイタンボの駅へと到着する。はく息が白い。

数いるクスコ行きバスの客引きの内、小学生ほどの男の子に連れられて、バスへと乗り込む。バスの中では少年が歌い、チップを乗客に求める。

2時間ほどバスは走り、ひんやりとしているクスコに到着する。雨は降り続け、地面を濡らしている。心なしか空気が薄い。

あたたかなコカ茶を飲んで、休むことにする。