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チリの南へ、アルゼンチンを通って行く。 – Osorno to the border with Argentina, Chile

朝に目を覚ますと、膝の上に今度はぽんと朝食が置かれていた。クラッカー、溶けたチョコクッキー、それにネスカフェのインスタントコーヒーの粉に砂糖が配られる。添乗員のお兄さんは、既にてきぱきと働いている。しばらくして運ばれたお湯にコーヒーを混ぜ、朝食の包みに入っていたクラッカーをひたしながら、食べる。

外はようやく明るくなり始め、霧がかかっている。サンティアゴで30度近くあった気温も、既にバスの表示には外気11度と記されている。

今回の最終的な目的地である南部パタゴニアまでは、プエルト・モンまで行かずとも、もっと近いOsornoで乗り換えれば良いと添乗員の男性が笑顔で教えてくれたので、Osornoという街でバスを降りることにする。

やや冷んやりとしたターミナルでは、コーヒーやミロ、紅茶の入ったカップを高くまで積み重ねてお腹に抱え、お湯のタンクとともに売り歩く男性たちがいる。

ここから南のパタゴニアへバスで行こうとすると、いずれにしても一度アルゼンチンに入ることになる。チリの南部はフィヨルドが続き、なかなか厳しい道のりなのだ。そこで、Osornoからバスの出ているアルゼンチンのサン・カルロス・デ・バリローチェまでのチケットを購入する。

おじさんから買ったミルク入りミロが、湯気をたてながら身体を温めてくれる。Tas Choapa社のバスはやはりほぼ定刻の10時15分ほどに出発をする。

こちらのバスの添乗員おじさんもまた気さくな男性だった。しばらく走ると、オートミールに林檎の粒の入ったクッキーにインスタントコーヒーがセットに包まれたものが配られる。そして、乗客一人一人にお湯を配っていく。アルゼンチン入国に必要な書類もまた各自に渡される。

屋根が三角にとんがり、茶や水色、黄緑色や桃色に塗られた木造の家が立ち並んでいる。しばらくすると、川を渡り、立ちこめる雲の下で木々の生える大地が広がっていく。

牧場で牛や羊がのんびりとしている。色のはげた木の家や教会が、のどかにぽつりぽつりと点在している。右手遠くのほうには先が尖り、雪をのせたオソルノ山が見える。辺りには、とうもろこしや苺、林檎、そしてクランベリーやブラックベリー、ラズベリーなどが植わっている。

やがて左手にプイェウエ湖が見えてくる。明るく青い空に白い月がうっすらと浮かんでいる。

12時前には、木で作られた大きな小屋のようなイミグレーション・オフィスに到着した。チリに入国した際の書類を出して手続きを終えてこちらがお礼を言うと、「ありがとう」と礼を返されるほかは、何の問題もない。