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パタゴニア、リオ・ガジェゴス経由ブエノス・アイレス行き - Border with Chile / Rio Gallegos to Buenos Aires, Argentina

チリを出国した後、すぐにアルゼンチンのイミグレーション・オフィスで再度入国審査をするのかと思っているうちに、またうとうとと眠りにつく。

気づけばアルゼンチンのリオ・ガジェゴスに着いたという。チリの出国スタンプが押されてパスポートがバスの添乗員から戻ってきたときには、既にアルゼンチンのスタンプも押されていたのだった。

こうして気がつかないうちにアルゼンチンへの入国も無事に果たし、リオ・ガジェゴスのターミナルで20時発のブエノス・アイレス行きのバスを待つことにする。

テレビからはまたサッカーの「ゴォール」の叫び声が聞こえてくる。WiFiを完備したカフェには幾人もの人々がパソコンを片手にのんびりとしている。

発車時刻の20時になり、バスのほうへと向かう。2階建ての新しいバスだ。ウシュアイアで、ブエノス・アイレスまでバスで行くと人々に言うと、「3日かかる。遠すぎる。飛行機よりもかえって高くつくかもしれない。飛行機で行ったほうが良い。」と口をそろえて言われていた。

それを反映してか、バスは半分の席も埋まっていない。

静かなバスは、ブエノス・アイレスまで36時間ほどの旅に出発する。出発後まもなく夕食が配られる。

鶏肉と野菜、じゃがいものソテーにじゃがいものグラタン、パンとチーズとハムにスティックパン、プリン、飲み物はスプライトが配られる。

プレートにのった食事をテレビから流れる映画とともにいただいていると、ふいにバスの全ての電気とエンジンが消えた。

真っ暗な道で、車内は暗闇、音もなくなった。それでも誰も何も言わずに、しんとしている。1分ほど経過し、電気がぽつぽつと復活し、エンジンもかかった。それでもまた誰も何も言わない。

髪をムースで立て、ぱりっと白いシャツを着こなしているバスの添乗員の男性は、変わらずに黙々と動き回っている。

夜が、更けていく。