Top > ブログ

極寒ぴかぴか中国製キューババス – Havana, Cuba

緑の木々に赤い土がところどころ見えるキューバに到着する。おだやかな入国管理を抜け、のんびりだと言われるクバーナ航空の荷物受取りを、そのままにのんびりと待つ。

キューバは二重通貨制度を採用していて、CUCとCUP(MN/モネダ・ナショナル)という2種類の通貨があるので、2種類の通貨に換金する。観光客が使う通貨はほとんどCUCだと言われているが、これがなにやら複雑なシステムなのである。

空港から市内までは通常バスがないと言われているが、どうも少し離れたところから地元の人たちが乗るバスがあるらしいという情報だけをもち、空港のカウンターやらそのあたりの人々に尋ねてみる。

結果として、わたしたちは、空港出口のはじから出発している、およそ空港職員用だと思われるESPAC Cubaと書かれた満員シャトルバスに乗り込んだ。いろいろと尋ねながら空港出口近くに立っていたら、職員だと思われるおばちゃんが、任せなさいとわたしたちを誘ってくれたのだった。

ぎゅうぎゅうづめのバスの中で大きな荷物を抱えるわたしたちは、周りの職員さんに多大な協力を得て、15分ほどバスに揺られる。満員シャトルバスの中に流れるノリノリ音楽に合わせて、おばちゃんは鼻歌まじりでわたしたちに降りる場所を指し示してくれた。降ろされたその場所は何もない場所であったが、STGO DE LAS VEGASとEL CACAHUALが先にあることを示す標識が立っている。

わたしたちの目的地であるバスターミナル行きだとおばちゃんが教えてくれた地元バス、P-12かP-16を待つ。しばらくしてMETRO BUSと車体に書かれたP-16というバスが来たので、飛び乗る。

このバスはさきほどのバスとうって変わって、静かなバスであった。若者もおとなしく乗っている。肩を出したおしゃれな女の子たちも友だちと静かな会話を楽しんでいる。

どこを走っているのか見当もつかずに走ること約40分。
暗がりの向こうに忽然と、内務省の壁のゲバラとカミーロの像が浮かび上がってきた。こうして本来行きたかった目的地Viazul社のバスターミナル、ではなく、ASTRO社のターミナルに、とにもかくにも着いたのであった。

ASTROのバスターミナルの中にも、運よくキューバ第二の都市サンティアゴ・デ・クーバ行きの路線を持つViazul社のカウンターがあり、そのうえもうすぐ夜行バスが来るから、席があるかどうかわからないけれど、とりあえず待つようにと言われる。

「宇通客車」と大きく書かれたキレイな中国製のキューバ夜行バスは、わたしたちの二席分だけ空いていた。車内設定温度23度クーラー効きすぎのそのバスは、高らかに笑い続けるおばちゃんたちであふれていた。フロントガラスには、中国のお守りにキューバ、カナダ、コロンビアの国旗がぶらさがり、ニューヨークヤンキーズのバッジがはられている。

こうして、高い笑い声があふれる極寒ぴかぴか中国製バスは、キューバ初日のわたしたちを西から東へ運んでいく。

途中人気のない街をバスが通ったとき、つぶやきグレイグさんが「30年前キューバに行ったとき、実際はそうではないのに、治安が悪いように見えた」と言っていたことを思い出した。