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いつもの、いつもと違う下田 – Shimoda, Shizuoka

毎年、一度は訪れている下田。だいたい訪ねるのは、この3連休です。

海の日あたりはいつもとても暑いので、すぐにアイスクリームを食べたくなるのだけれど、今年はひんやりとしている。過ごしやすいけれど、海に入っても冷たいんじゃないかと少し心配。

今回とれた宿からほど近い多々戸浜に着き、ファンキーな売店で売られていたバドワイザーのビールとティファナ&LAのホットドッグを買い求めて、そそくさと浜辺にシートを敷いて、もぐもぐとし始めると、向こうの方から雷雲が近づいてきているのが見える。

サーファーさんも、海から出てきて、引き上げるうちに、本格的な雨がやってきた。大和館に一度身を寄せた後、今日は海を諦めて、下田駅のまわりの街を歩いてみることにする。

大雨の中、バスで駅に向かおうと思っていたら、宿のおじいさんが、車を出してくれた。ベンツ。

かつて建設業に従事をしていたが、そのやり方を続けていたら、人としておかしくなってしまう、と会社を閉めて、当初自身の手で建てた保養所を改造して、民宿を始めたのだという。

下田には幾度も来ているけれど、地図を片手に、はじめて宝福殿や吉田松陰拘禁の跡などをみてまわる。

そして、たるやのまちコンシェルジュに出会う。
お吉の話にまつわる寺同士に今も残る距離から話ははじまった。

下田の街をなんとかしようと沖縄から移り住んできたものの、地元の方々は、なかなか保守的なのだという。

聞いた話によると、バブルの頃は、セリのように宿泊客を選び、余った宿泊客は、廊下に寝かせていたのだそう。

お店をたたむ人も少なくない。

町おこしの一環として、しゃれたデザインの下田30カラーズプロジェクトというプロジェクトを立ち上げているものの、その動きと、リアルな動きをまだつなげられていないのだといった。

夜は、いつもの美松寿司。国際カジキ釣り大会の常連さんで賑わっていたものの、尻高、とこぶしに始まり、金目鯛、やりいか、むつ、しめさば、ひらめ、それにわさびの茎、あじにあわびに尾長鯛とおいしくいただく。

その後も、いつもの、太鼓判のいかのごろ煮。

でも、今年は、ここのオーナーさんの様子が違った。昨年来たときも、ひっそりとした雰囲気を感じたけれど、まだオーナーさんは元気だった。

今年は、私たち以外に客はなく、ひっそりとしているうえ、オーナーさんは、私たちが投げかける質問にぽつりと返すのみで、あとは、テレビを見続けた。

いかのごろ煮のおいしさは、変わらない。
でも、きっと、なにかがあったのだろう。

下田も少しずつ、変わっていっている。