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モノを選べるばしょ – Cancun, Mexico

宿でいつもの通りに、トーストにマーガリンと苺ジャムをつけて、オレンジジュースとともに朝食をいただいていると、隣に座ったメキシコ・シティ在住の男性から声をかけられた。

昨夜、メキシコ南部を震源地とする大きな地震が起きたが、彼の家族や友だちはみな無事だったという。わたしたちはカンクンで地震に気がつかなかった。

メキシコシティでは彼はフリーでプロデューサーをしており、傍らで車の修理販売も行っているという。フリーであるから、仕事を見つけるのが大変だと言った。以前はカナダで仕事をしていたそうで、その頃と比べて今は休みも少なく、給料も少ないといい、カナダを懐かしんでいた。お金を稼ぎたい、稼がなければ、何にもない。メキシコでは一日平均5ペソしか稼げない。リーマン・ショックでの落ち込みから少しずつ回復しているが、まだまだだ。日本人はよく働くから好きだ、と頭を縦にふりながら、言った。

お昼は再びパラパス公園に行き、Quesadillas de las palapas D’LuisでPicadilloとChicharron PrensadoのQuesaillasをとるが、夜と比べて人は少ない。その後、削ったチーズとnutellaというチョコレートペーストをぱりっと焼いた皮で包んだMarquesitasをつまみながら歩く。

今晩のバスでメキシコを離れ、ベリーズに向かうので、買い出しに行く。Chedrauiという2階まである巨大スーパーで歯ブラシやリンス、ライターといった小物を買い、プルーンヨーグルトやクッキーも買う。キューバであれほど幾度も欲された石鹸が、ここでは棚一列にずらりと並び、選び放題なのである。

そして、Plaza Las Americasという、これもまた巨大ショッピングモールでサンダルを買う。靴屋も何店舗もあり、靴は店の中いっぱいにディスプレイされている。モールにはZARAもアエロメヒコ航空も入っていてSearsやLiverpoolもあり、おしゃれにディスプレイされている。

キューバではラテンアメリカ国際フェスティバルが行われて巷の話題となっていて、2MNという低価格も手伝いシネマには大行列ができていたが、ここメキシコカンクンでは巨大コンプレックスがあり、映画も選びたい放題である。

メキシコからベリーズに向かうバスが22時発なので、Plaza Las Americasのフードコートで夕食を食べることにする。マクドナルドもバーガーキングもサブウェイも、イタリアンも、中華も、メキシカンも、ある。

わたしたちはその中でLa Mesa Calienteという店で、Pollo Naranja Chipotleという鶏肉の甘辛揚げにご飯やパスタ、バナナフライ、ハッピーターンに味の似たマッシュポテトをつけて盛り合わせてもらう。そこにパンがのっかるセットメニューである。

フライト1時間強の距離しか離れていない国が、これほどまでに、違う。わたしたちは、メキシコにいる間も、キューバの人たちを想った。

そしてMayabバスは定刻22時にクリスマスイルミネーションがきらきらと輝くカンクンを発ち、南へと進んでいく。