Top > ブログ

国境からティカル遺跡までの道。 Border / Puente Ixlu / Tikal, Guatemala

ベリーズ国境の建物を抜けると、歩いてすぐのところにグアテマラの出入国管理局の建物がある。両替屋男性が、こぞって道案内をしてくれる。

今日はグアテマラの国境からティカル遺跡まで行って、キャンプをしたい。国境から直接ティカルまで行けるバスは、ない。だからフローレス行きのバスに乗り、Puente Ixlu (El Cruce)という分岐点で途中下車をして、後は自力で行くしかない。

フローレスへは、国境からほど近いMelchor de Mencosの市場から出るバスが多いものの、ちょうど国境からフローレス行きのバスが出るということで、それに乗せてもらうことにする。

国境近くに並ぶ商店で買ったジャムパンを食べながら、バスが走ること1時間半、Puente Ixluに到着する。グアテマラは近頃危ないと、いろいろな具体的被害状況とともに聞いていたものの、雨の降るその場所はいたってのどかで、今晩のキャンプのための食材を買いに売店に入る。

赤過ぎるほどに赤いパンがあったり、黄色と赤色のはではでしい線のひかれたパンがあって、その色が何かを尋ねると、店のおばちゃんも分からないようで、照れたように肩をすくめて、ふふふと笑った。店の前にはおばちゃんの他に子どももお兄さんお姉さんもいて、雑談をしている。わたしたちが店を出るとき、大きく手を振り続けていた。

わたしたちはヒッチハイクをする。最初に乗せてくれた男性がペテン・イツァ湖のほとりのEl Remoteまで行くというので連れて行ってくれた。そこからまたヒッチハイクを試みて、今度はティカル遺跡に一泊するというグアテマラ、ウエウエテナンゴ出身の家族の車をつかまえることができたのだった。

家族がティカルで一泊するだけの食材がたっぷりと積まれた荷台に乗せてもらって、道をぐんぐんと猛スピードで進んでいき、後方に夕陽を眺めながら、ティカル公園のゲートを越えて、さらに奥へと進んでいく。道には「PRECAUTION ANIMAL CROSSING」の標識がところどころに置かれている。

日がちょうど沈むころ、家族と荷台にわたしたちを乗せたトヨタ車はティカル遺跡の入口へと到着する。

ティカル遺跡のキャンプ場にテントを張り、先ほど商店で買ってきたLA SIRENAというイワシのトマト缶と、Ducalというフリホーレスのペースト、Perryというハム、甘いパンに、ティカルの店に置いてあるGalloビールを合わせて夕食にすることにする。

外は雨が降りしきり、さきほどキャンプ場のおじちゃんがつけてくれた火も消えてしまった。さきほど点々と明かりをつけていた蛍も、どこかに消えてしまった。ただここには、藁ぶきの屋根がついていて、テントが濡れずに済む。

思いのほか、他にキャンプをしている人は5人もいない程度で、外はまっくら、静かなティカル遺跡の夜である。