湖のほとりの村とおいしいアンティグア。 – San Marcos & San Pedro at Atitlan / Antigua, Guatemala
アティトラン湖の周囲にはいくつかの先住民族の村が点在している。友人に勧めてもらっていたサン・マルコス・ラ・ラグーナにボートで向かう。
パナハッチェルのボート乗り場から、Santa Cruz、Jaibalito、Tsununaと村に立ち寄りながら、進む。乗客はほとんど地元の人々で、新聞を読んでいたり、隣の人に話しかけたり、寝ていたり、さまざまである。
アティトラン湖は、サン・ペドロ火山、トリマン火山、アティトラン火山に囲まれていて、山々に建物が点在しているのが見える。湖面はおだやかで、太陽の光を受けている。ゆったりと木のボートに乗って釣りをしている人々がいる。
およそ50分ほどしてサン・マルコスに到着する。
桟橋にいた12歳だというレオナルドくんは、毎日、1日1ケツァルを親からもらい、仕事をしているのだという。1ケツァルは少ないとつぶやいた。レオナルドという名前はブラジルのサッカー選手にもいるんだと、嬉しそうに言い、ぼくも友だちとサッカーをするんだよと言った。靴には穴があいている。
サン・マルコスは、舗装道が他の村と通じておらず、木々に囲まれた静かな村だ。マヤヨガやマッサージ、伝統医療のコースなどが受けられるスピリチュアルスポットになっているようで、穏やかで身体に良い空気が流れている。サン・マルコス教会には風船に手作りの角帽がつけられたものが吊り下げられおり、また白い幕には角帽をつけた男女がしつらわれている。教会には、鳩がパタパタと飛び、男女二人がぽつりと座って祈りを捧げている。
近頃、火山の地殻変動の影響で湖面があがり、ほとりにあった、湖の見えるレストランが閉店したという。見ると、湖に、かつての家の土台が沈んでいるのが見える。
湖の見える場所で食事をするために、比較的大きな村であるサン・ペドロ・ラ・ラグーナまで再びボートに乗る。直行のボートであったようでおよそ10分で到着する。
桟橋を降り立ったすぐのところにあるNick’s Placeの湖に面したテラスで、Tzutujilという、そこで話されている先住民の言葉の名前がついたモーニングセットを注文する。目玉焼きにトマトソース、フリホーレスにベーコン、パパイヤと西瓜にパンがついた朝ご飯である。店内からWhite Christmasが聞こえてくる。
そこには、グアテマラ・シティから新婚旅行で来ているという男女と、おそらく女性の子どもだと思われる女の子が食事をしていて、話しかけられる。グアテマラ人にとって、この辺りは新婚旅行先として人気があるらしい。
急な坂をあがり、野菜や果物が売られている市場と街の中心である教会を眺めてから、パナハッチェルへ戻ることにする。
サン・ペドロからパナハッチェルまでちょうど湖を突っ切るように進むが、どうにも船が揺れておっかない。地元の男の子たちもがはがはと笑いながら、携帯で写真を撮り合っている。揺れることおよそ40分、パナハッチェルまで戻ってくる。
街中で、Fundacion Familia Maya Maya Familiesと書かれた場所があり、民族衣装を着た女性や子どもたちが行列を成していた。聞くと、外国団体がマヤ民族のためにクリスマス企画として食事と飲み物を提供するらしい。
今日はこのままパナハッチェルからアンティグアに向かいたい。アンティグアまでの直行バスはないのでチマルテナンゴで乗り換える必要があるが、どうにもタイムスケジュールが不明だったチマルテナンゴ行き最終バスを、運よくつかまえることができた。
チマルテナンゴまでの道はがたがたとしていて、身体は座席のうえでぴょんぴょんと跳ねる。街中でよく広告を見かけるCrushという炭酸オレンジジュースとClub Extra Pozueloというビスケットを食べながら、アティトラン湖がどんどんと離れていくのを眺める。
この辺りはPepsi社が強いらしく、バス停や店先にはペプシの広告が塗られていることが多い。
豚を運ぶ車がいて、木材を運ぶ少年がいる。土砂崩れの跡が生々しく残っているところもある。大きな道のわきのあちらこちらで女性たちが、その先の崖に向かって織物をしていて、ところどころでクリスマスに向けてトナカイの置物が売られている。
2時間半ほどで車も人も溢れるチマルテナンゴに到着し、アンティグア行きのバスに乗り換える。バスの車内には、人が溢れ、バスから若干はみ出している。クリスマス音楽が次々と流れている。50分ほどしてアンティグアに到着する。
宿をとってから、夕食に出かける。道先にあった旅行会社の男性に教えてもらった、La Cancheというレストランに行くことにする。「入ってすぐは食料品店だけど、その奥にレストランがあるから、がんばって見つけてね。きっと気に入るはず」と聞いた通り、そのレストランは外からみたら、レストランだとは気づかない場所にあった。
Cancheというのは「ブロンズ」という意味で、オーナーのおばあちゃんは既に80歳であり、その髪の色を表してレストランの名前にしているという。すでにレストランを始めて60年。隣に座った男性は通い続けて25年になるという。
トマトや香辛料で鶏肉や野菜を煮込んだペピアンをオーダーする。アボガドにチーズ、パンとチョコラテがついてくる。このCancheおばあちゃんのペピアンは、さまざまな香辛料がからみあい、辛さと甘みが絶妙であった。Galloビールとともに、味わっていただく。隣の男性にアボガドに塩をふると美味しいと教わり、そのまま倣う。
アンティグアのおいしい初日。
2011/12/20 23:33 | カテゴリー:Guatemala