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火山に囲まれた街 – Antigua, Guatemala

朝は宿のテラスで、昨日買っておいたバナナパウンドケーキと苺ヨーグルトを食べる。テラスからは、アグア、アカテナンゴ、フエゴ山をのぞむことができる。

その内に、フエゴ火山のてっぺんから、薄くグレーがかった煙があがっているのが見えた。辺りに人が住んでいないというフエゴ山が、噴火しているのだ。

朝食をとってから、3つの火山に囲まれたアンティグアの街を一望できるという十字架の丘に向かう。大きな十字架が街を見下ろすようにたっており、煉瓦の屋根と白や黄色、ピンクや青色の壁が街中に広がっている。ブーゲンビリアの明るいピンクやのオレンジ色の花々や木々が街に彩りを添えている。

この街は、植民地政府の3番目の首都として1543年に創設されたが、1773年の地震によって、首都がグアテマラ・シティに移された。街のあちらこちらに、その地震で崩壊した教会が建物の廃墟が残っており、丘の上からもその様子をうかがい知ることができる。

丘から降りて、廃墟があるというカプチナス修道院、現在も機能しているサン・フランシスコ教会、17世紀に入植したスペイン人の住居、カサ・ポペノエなどを回る。

教会施設の廃墟となっているサンタ・クララ修道院の前には公共洗濯場があって、噴水の前に洗濯をするための窪みがずらりと並んでいる。民族衣装を着た家族も洗濯をしに来ている。

赤ん坊をその窪みにすぽりとはめて、その間に隣の窪みで洗濯をする。そばで子どもたちはジュースを飲んだり、お菓子を食べたりしている。

そこからしばらく歩くと、エルマーノ・ペドロ教会という、病院が併設されている施設にたどり着く。カナダからグアテマラに移住してきたという女性が、親のいない女性にケーキをもってきたのだと言う。頭には赤いトナカイのかぶりものをつけ、手には白とピンク色の大きなショートケーキを抱えている。この病院には、身体障害者や、身寄りのない人などが住んでいるのだという。

中庭にはクリスマス用の飾りつけが施されている。車いすに乗った幾人かの男性が中庭でゆっくりと時間を過ごしている。

その内の一人の男性が、車いすの車輪を押して室内にいるこちらに近づき、淡い色のマシュマルのようなものを手渡そうとしてくれるが、間の植物が遮って、それもかなわなかった。代わりに、歩くことのできる男性が植物の間をぬって、こちらに来て、話をする。

コロニアル美術館、カテドラルの廃墟、中央公園を通り、市場の中にある食堂でPollo doradoを食べる。鶏肉のフライにトマトソースをかけたものに、フライドポテトとライスとトルティーヤ、野菜スープのついたセットだ。

食堂は看板からテーブルクロスまでペプシの広告で溢れている。メニューの中に「炭酸飲料」とあるのはペプシのことだという。わたしたちは、炭酸と同義のペプシを注文する。瓶に入ったストローは、飲んでいるうちに、中に入ってしまう。

市場を回り、スーパーマーケットDespensa Familiarで買い出しをした後、夜はグアテマラ料理である骨のついた七面鳥の肉を野菜と煮込んだカキックを食べに、有名店だというラ・フォンダ・デ・ラ・カジェ・レアルに向かう。

大きなざらりとした質感の器によそわれたカキックと、小皿に入れられたスパイス、かわいらしい丸い器に入れられたライスと、そこに添えられた上品なタマレ。

有名人も訪れるというだけあって、味が洗練されていて、おいしい。
それでも、今日はCancheおばあちゃんは何を作っているのかな、とふと、想った。