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コスタリカの大みそか - Tamarindo / Liberia / San Jose, Costa Rica

朝は宿の近くでスイス人が経営しているというホテルに併設されているSarita’s Bakeryで、蜂蜜と麦のパンを買い、それを宿に持ち帰る。

その上にピーナツバターをぬり、温かいミルクコーヒーとともに食べる。

今日は、大みそかだ。

日本との時差が15時間なので、こちらの朝9時に、日本は先に年を越す。
ネットで紅白歌合戦の様子や除夜の鐘の映像などをみながら、朝の9時を迎える。

日本の一人一人が、昨年の年越しとは全く違う年越しを迎えている。
わたしたちも、そうだ。
日本のみなの顔を思い浮かべる。

今日は、そんなふうに、気持ちがずっと日本にある一日だった。

タマリンドの宿は今夜はどこもいっぱいで、やはり1月の3日か4日まではいっぱいのままだという。そしてサン・ホセまでの直行バスも3日まで満席だと分かったので、まずはリベリアに戻ってそのままサン・ホセに向かうことにする。

リベリアに戻る前に、ビーチに腰かけて、Super2001で買ったピルセン・ビールの缶をあける。
甘みと苦みが強いビールだ。
家族連れやカップルが強い日差しの中、砂浜のうえで身体を晒している。

3時過ぎに来たリベリア行きのバスに乗り込む。バスは、それから2時間ほど、タマリンドの辺りをくるくると同じ道を回り、一向にリベリアの方向に進む気配がみえなかった。

ようやくリベリアの方向へ向かう頃には、店先のペプシの看板の蛍光灯がつき、しばらくしたら夕焼けが見えてきた。

とっぷりと日が暮れた空港のわきを通り、リベリアに到着したのは18時半になっていた。辺りにはマクドナルドやサブウェイ、Papa Jone’sやバーガーキングにガソリンスタンドなどがあるが、年越しをするために、首都のサン・ホセに向かいたい。

サン・ホセ行きの最終バスは20時発。
「サン・ホセまでは4時間から4時間半かかります。」
窓口の女性は淡々と答える。

どうやら年越しはバスの中になりそうだ。

それでもバスは定刻にきちんと発車し、きちんとサン・ホセの方向へと向かってくれている。

青と赤色の光をチカチカと放つ車が数台と警察が列を成している。バスがそれを横目に見ながら、進む。先頭にいたのは、車にひかれたのであろう、倒れて血が地面にまで広がっている、大きな茶色の牛であった。目が見開かれている。

バスは暗い道を進み、空には星が輝いている。

3時間ほどすると、丘にちらばる灯りが見えてくる。
それが、サン・ホセだった。
こうして予定時刻よりも早い23時半、サン・ホセに到着した。

どうやら年越しをバスで過ごさずにすみそうだ。

降り立つと、そこは途端にひやりとしていた。サン・ホセは標高1150メートルの高原都市なのだ。年越しまであと30分弱。まずは街の中心に行こう。

タクシーに乗り込み、街の中心である文化広場に向かってもらう。中心でなら、人々が集まっているかもしれない。

年越しまであと7分。白く輝く国立劇場と、それに隣接する文化広場に到着する。

そこは確かに街の中心ではあったが、予想に反して人はおらず、がらりんとしていた。

コスタリカでは、お正月はみな家で過ごすのであった。

とにもかくにも、12時を迎えるために、どこかレストランにでも入りたい。
通常であれば24時間営業である国立劇場隣のカフェテリア1930に入るも、今日は休みだと言われる。

年越しまであと3分。カフェに入れないのであれば、なにかドリンクだけでも買いたいと、大きな鞄をしょいながら、少し彷徨うも、店はどこも閉まっている。

12時。

カランコロンカランコロンという鐘の音が鳴り、それに呼応するかのように辺りの丘一帯あちらこちらに花火や爆竹がうちあがり、音が共鳴し合う。

大きな鞄をしょいながら、こうして新年を迎えた。