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パナマ入国にひっかかる。 – Paso Canoas / David, Panama

コスタリカの出国スタンプを押してもらったパスポートを手に、5分程歩いたところにあるパナマ側のイミグレーションへと向かう。

「パナマへようこそ」
赤い花のマークと共に、建物にそう書いてある。

黄色い肌の透けるブラウスを着た女性がやって来て、わたしたちのパスポートに1ドルのTAXだと言って、シールを貼る。1ドルを女性にお支払いする。
少しの列に並び、入国手続きの順番が来る。

イミグレーションの男性は「パナマから次の国へのチケットは。」とわたしたちに尋ねる。持っていません、と答えると、それではパナマへは入国できない、とその男性は言った。

そして、窓口に貼られている紙を指さす。

ユア・アテンション・プリーズ。
パナマ政府は「パナマからコスタリカまたはパナマから他国、コロンビアへの『出国チケット』」の提示を義務づけます。

窓口の男性は「決まりだから」と繰り返し、そのうちにあくびをして、冷房の温度を調整しに席を立つ。

しばらく途方にくれていると、その男性が、事務所に入りなさい、と言う。
言われるがままに事務所に入ると、男性の上司にあたる女性が、パスポートのコピーを要求して、1枚の書類に何やら書き始めた。

しばらくすると、事務所の他の男性が、わたしたちのパスポートを預かったまま、バンに乗りなさい、と指図する。「コスタリカのイミグレーションに行きます。」

また言われるがままにバンに乗り、男性の運転で、コスタリカのイミグレーションへと戻る。コスタリカのイミグレーションは、パナマのそれよりも事務所が整然として、冷房が効いている。

奥から出てきた女性が、パスポートを片手に、何やら書類を書いている。
返却されたパスポートには、先程押してもらった緑色のコスタリカ出国スタンプの上に、黒く大きな「無効」の印が押されていた。
コスタリカ出国が取り消されてしまったのだった。

こうして、わたしたちは再びコスタリカ出国の手続きから始めなければならなくなった。列は先程よりもずいぶんと長く伸び、一向に進む気配がない。

待っている間に、パナマ側から要求されている「パナマ出国チケット」である国際バスチケットを買うことにした。両国イミグレーションの間には、バスチケットの販売ブースがある。そして、パナマ入国のためだけに購入するべく最もお手頃な「ダビ(パナマ)-サン・ホセ(コスタリカ)」のチケットが、大きくはっきりと書かれて売られている。

使われることのないダビ―サン・ホセのバスチケットがここではよく売れるのだ。

こうして、無事にパナマ政府要求の「パナマ出国チケット」を手にしたわたしたちは、1時間程待ったうえで、再度コスタリカ出国を果たし、パナマ入国の際にも先程の窓口担当者が何事もなかったかのように、入国スタンプを押すのである。

余ったコスタリカの通貨でコーラの瓶をぐびぐびと飲み干し、パナマのダビへと向かう。昼過ぎにダビに到着できるかと思っていたら、既に国境からのバスが出発したのが17時半である。

キンキンに冷やされたバスがサーカス場を横目に、高速道路を突っ走る。
ダビへ着いたのは、すっかり日が暮れた19時前だった。
パナマ・シティまで今日の夜に到着できると思っていたが、この分だと夜行バスに乗ることになりそうだ。

長い列を再び待って辿り着いたパナマ・シティ行きバスチケット売り場では「一般バスのチケットは今日はもう無いので、特急バスの売り場へ行ってください」と淡々と言われる。

今日は、よく列に並ぶ日である。

無事に手にした特急バスのチケットは、夜中の24時のチケットであった。
ターミナルから歩いて直進したダビの町の中心に、灯りがついていたファーストフード店、PIO PIOがあった。

24時間オープンのその店で、チーズをはさんだクリスピーバーガーにポテトと炭酸オレンジジュースのセットをオーダーして、24時を待つことにする。
店内には拳銃をもった男性が、警備をしている。

夜中。ターミナルに待っていたのは、大きな2階だてのバスだった。