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年越しの日 – Palawan / Cebu, Philippines











プエルト・プリンセサからセブへと戻るフライトを昼の12時半にとっていたので、静かな朝に海辺を歩き、バンに乗り込み、プエルト・プリンセサへと向かう。ジプニーと違って、バンはすいすいと進む。

前の方の席では、白人の中年を越えた男性が、若いフィリピン女性に
花びらを差し出している。











1時間半ほどで、プエルト・プリンセサに到着して、バスターミナルのすぐそばにある、
掘っ建て小屋に、明るい女性たちが働く屋外食堂で、朝ごはんをいただくことにする。

ライスに、チキンとポークの煮込み。こんなカジュアルな食事が、良い味をみせてくる。
ささっといただいた後にトライシクルに乗り込み、空港へと向かう。











空港の待合室に座り、かりかりブレッドパンをほおばり、日本から持ってきた「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を捲る。

空から見る、緑広がるセブの島、それをとりまく真っ青な海が広がってきたら、もう着陸。

フィリピンに来て数日目、ようやくセブの街へと繰り出すことになる。

ホワイトタクシーの乗り場には長蛇の列ができている。

泊まろうと向かった宿は、空港からタクシーで40分ほど。

空港もリゾートホテルもあるマクタン島から橋を渡り、セブ・シティの中心地へと入っていく。











宿の近くには、Jollibeeというフィリピン人が大好きなファストフード店がある。セブにはマクドナルドもあるけれど、地元の人たちは誇らしげに「Jollibeeのほうが美味しい!」と言う。

スタンダードなハンバーガーにチーズをはさんだものと、フライドポテト、それにSarsiコーラをオーダーする。ハンバーガーもポテトもひんやりとしていて、ハンバーガーはぺちゃんこで、ポテトもしんなり、Sarsiコーラも薬の味、でも、レジには長い列で、客たちも楽しげで、悪くない。











今日は、2013年の最後の日なものだから、フィリピン最古の教会の一つという、サント・ニーニョ教会に向かう。昨年の大地震で一部崩壊しているが、多くの人々が集まっていて、神父が人々に水をかけている。数字の書かれたキャンドルホルダーに多くの赤い蝋燭がたてられ、人々が祈りを捧げている。教会内には、キリスト教の伝道師が上陸したときの様子なども描かれている。

マゼランが太平洋横断中にフィリピンに上陸し、造ったという十字架が納められているマゼラン・クロスを眺め、セブ・シティの繁華街であるオスメニャ通りとコロン通りの交差点へと歩く。

多くの屋台も出ていて、カラフルなフルーツが売られている。道端で玩具を売っているおじさんもいて、なにやらドンチャン騒ぎである。ただ、食堂のあちらこちらが大晦日の営業時間短縮で閉まり始めていることに気づき、セント・ニーニョのずらりと並ぶデパートに入り、食堂を探すも、やはり閉まっている。

年越しヌードルを食べたい一心で、ジプニーをつかまえ、セブ・シティのもう一つの中心地、フエンテ・オスメニャに向かう。開いている食堂を探していると、The Villa Pilipino Restaurantに、煌々と灯りがついていることが分かり、そそくさと入店する。

望み通りに、中華風焼きそばのパンシット・カントン、それに、中国から伝わったという、とろみのある汁にひたった煮込み麺、ロミをオーダーする。シンプルな味で、優しい味がするのを、ロイヤルのオレンジソーダとマンゴージュースとともにいただく。

夜の9時から、さきほどのサント・ニーニョ教会で深夜のミサがあるというので、レストランでゆっくりとするのもそこそこに、再びジプニーに乗って、教会に戻る。教会の外にも蝋燭がたてられ、既にミサが始まっていた。

舞台上では、神父がマイクを手に説教をしながら、時折、どっと人々を笑わせる。そのうちに、まるで一人カラオケのように爆音量での、独唱が始まる。みんなの心をすっかりキャッチしているのである。

そのうちに、どこかしらから、きゃしゃな肩を出したワンピース姿の女性が、私たちの前に立つ女性たちに話しかけ、そのジーンズの後ろのポケットに何かを入れた。女性は、とてもしなやかで、その振る舞いも、とてもしおらしい。

ミサが終わり、神父が再び、水をふりまきにまわる。皆は両手を挙げて、受ける。そこで、振り返った女性たちの顔は男性たちの顔だった。

花火があがる。

私たちは、年越しを迎えに、「何かが起きるかも知れない」と聞いたフエンテ・オスメニャにまたジプニーで向かう。フィリピンと日本は時差が1時間なので、まずは、ミニ・ストップで買ったレッド・ホース・ビールで日本の正月を祝う。

あちらこちらで花火や爆竹の音がするものの、フエンテ・オスメニャからは何も見えない。花火の見える場所を探しに、高くそびえる皇冠大酒店を上の方に上がってみる。中にカジノがあるようで、そこに向かう人々が数多くいる。花火があちらこちらであがっているのが見える。

12時が近づいてきたので、フエンテ・オスメニャに戻り、再びミニ・ストップで、今度はマグナム・アーモンド・アイスクリームを購入して、時を待つ。