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赤瓦と白壁と温泉 – Osaka / Kurayoshi / Misasa, Tottori











朝、大阪の難波にバスは到着した。乗り継ぎバス乗り場の場所を道行く人に尋ねてみたら、思っていた方角と違ったもので、バタバタと走ることになる。

発車ぎりぎりで間に合い、島根の倉吉行きバスに乗り込む。

倉吉の白壁土蔵群は、江戸、明治期に建てられた建物が多く、重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている。











糖度が高いと聞いて、鳥取名物の梨、早優利をほおばり、梨のアイスクリームを食べる。

そこから、赤瓦の建物、桑田醤油醸造場、元帥酒造本店、明治40年創業の銭湯をぐるりぐるりと回る。











途中、はこた人形の店舗に立ち寄る。江戸時代から伝わるはこた人形は、子どもの無病息災を願い、お守りがわりに子ども達に張り子人形を持たせていたのだそう。子どもたちは、この人形を「はーこさん」と呼んで親しんだという。

備後屋六代目の三好明師匠が今入院をしているという。跡継ぎがなく、市が公募をしたという女性がもう一人と二人で作っている。

かつて六代目が一人で細々と作っていたころは、その店舗でしか売っていなかったというが、今は倉吉にも置いてあるところがあるという。人形をつくるときに使っていたという古びた大福帳も壁にかけてある。

一人、持って帰らせてもらうことにした。

















土産物屋になっているところもあれば、工房になっているところもある。そしてその合間に、かつては栄えていたのであろう店がそのまま放置されているところも少なくない。

多くの店が閉まる17時を過ぎれば、ほとんど人気がなくなった。
ところどころの家の前で、お盆だからだろう、火を灯しているところがある。











街の真ん中には、町家に沿って、玉川が流れている。そこで、おじいさんが餌を投げていた。すれ違いざまに軽く挨拶をすると、ここには時折かるがもや白鳥がいるのだと言った。歴史の話もしてくれていたのだろうが、訛もあるのか、およそ聞き取ることができなかった。でも、笑顔で、話し続けてくれる。

バスに乗って、今日の宿のある三朝温泉に向かう。

旧ストリップ小屋の芝居小屋ニューラッキーからは、女性でも見れるダンスショーという荒れた音声の録音がひたすらにリピートされている。

夜は、三朝温泉開湯850年夏まつりの花火があるというので、恋谷橋まで行き、5分ほどの花火を見る。すぐ目の前の川のほとりから打ち上げられる花火は思いのほか大きくて、迫力がある。終われば、浴衣と下駄を履いた観客から拍手がおこった。

夕食は、限られた店から、きらくという店を選ぶ。外食できる店が限られているからか、大変に繁盛をしている。お通しはいぎす、それから境港でとれた白いかのゲソ天、じねんじょ、さつまいものつるやこしょう、生姜などの山菜の炊き合わせ、鳥のからあげタルタルソース添えや寿司ロールといったものを選ぶ。

今回の宿は、薬師堂の前に約300年前から創業する天然湧出温泉の宿、中屋。

ここの温泉は、850年の歴史をもっている、世界屈指のラジウム温泉。ラドンを多く含んでいるというので、その湯気をいっぱい吸い込み、身体に取り入れる。抗酸化機能がアップするという。

湯は透明だが、もったりとしている。

芝居小屋ニューラッキー:
http://misasanoyoru.weebly.com