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出雲大社とコーヒーとお好み焼き – Shimane / Tottori / Osaka

朝は早めに起きて、宿からほど近い、稲佐の浜に立寄る。

ここは今でも旧暦10月10日に、神迎えの行事が行われている。

神在月には全国の神がここに降り立ち、出雲大社に集まってご縁にまつわる会議を行うのだという。

外はしとしとと雨が降っている。
そのせいか、人は、ほとんどいない。











稲佐の浜から車で5分ほどの出雲大社へ向かう。まだ9時頃でも、既に駐車場には多くの車が停まっている。

木製の勢溜の大鳥居をくぐり、祓社にお参りをし、鉄製の鳥居をくぐれば、松の参道が続いている。

参道の中央は、神様が通るので、端を歩く。

手水舎で身を清め、銅鳥居をくぐり、神馬、神牛をなでて、拝殿へ進む。











御本殿へは入れないので、八足門から、中を見る。
巫女さんや神主さんがそれぞれ儀式を行った後、雨の降る中、受け渡された傘を次々とさし、社務所へと入っていった。











御本殿をくるりとまわり、神楽殿の大きなしめ縄を見る。

雨がざあざあと降ったかと思えば、ぱたりと止んだり、そうかと思うとまた降り始めたりした。











勢溜の大鳥居まで帰ってきたら、昭和4年創業という出雲大社御用達の出雲そば処、かねやに向かう。

既に行列ができていた。

割子と呼ばれる丸い容器が3段重ねられた、割子そばをいただく。

基本のネギと海苔、もみじおろしがのっていて、そばつゆを上からかけるのだが、なかなかに辛い。

そばの実を甘皮ごと挽いているといい、コシが強くて、色も濃い。














再び車に乗り込み、宍道湖にかもめの飛ぶのを眺め、大雨の降る松江城と町並みを車の中から眺め、それから、安来のCafe Rossoへと向かう。

ずっと前にBRUTUSに、世界第二位のバリスタがいるカフェが島根県安来市にありました、と載っていたのを覚えていたからだ。

オーダーしたのは、カプチーノとロッソブレンド、そして木イチゴのケーキ。











バリスタの門脇洋之さんが、丁寧に、でも手際よくコーヒーを淹れ、それからパパッとラテアートを施して、愛らしいパンダをつくる。

その様はとても真剣な様子で、話しかけづらいかと思ったものの、恐る恐る覗いていると、「ぜひ、見てください」と小さな声で、おっしゃった。そして、また恐る恐る話しかけてみると、腰の低いこと、甚だしい。

もともとおじいさんの蕎麦屋さんのあった場所に、このカフェをつくったこと、イタリアの国旗の色をイメージしてつくったこと、家族それぞれが、別々のカフェを運営していること、バリスタ選手権のこと、これまでの道のり。

日暮里のイナムラショウゾウにもコーヒーを卸しているのだといって、名刺にそう書いてくれた。

私たちは、その人柄に、すっかりファンになってしまった。
アイスコーヒーのパックをいただいて帰る。

興奮冷めやらぬまま、再び車に乗って、レンタカーを返却し、鳥取駅まで店の人に、送っていただく。バスに乗る前に、カレーを食べたいのだと伝えた。鳥取はカレーの消費量が日本一だとガイドブックには書かれているのだ。

でも、その男性は言った。

今、鳥取は日本全国二位になったんですよ。とはいっても、そんなにカレーを頻繁に食べるというわけでもないんです。共働きが多いから、作り置きができるカレーが食べられているんだとは思うんですが…。

先日松江に仕事で日帰りで行ってきたんですが、あそこは何もないですね。広いだけです。僕は大して興味がないんです。

なかなかのことを悪びた様子もなく、淡々と語る。

駅に到着して、まだ少し時間があったので、1948年創業の老舗喫茶というベニ屋に駆け込み、チキンカツカレーをオーダーする。コクがあって、ぴりりとしている。

あっという間に平らげて、大阪行きのバスに乗り込む。20キロほどの渋滞に巻き込まれ、3時間で着くと思っていた大阪に、5時間弱かけて到着した。

宿に荷物を置いて、それでも、大阪の街へ繰り出して、お好み焼きを食べたい。

宿から歩いて心斎橋まで行けるというので、30分ほどかけて、お好み焼き・鉄板焼、ぼんくら家を見つけて、入店する。芸人さんもよく来店するようで、ユニークなネーミングのついたメニューが並び、大阪らしい。

ぼんくら焼きとネギ焼き、それにビールをオーダーして、店を出る頃には夜中の2時を回っていた。