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いるかとよたりよたり。 - Sailing to Colombia, Panama

夜中の2時から6時はわたしたちのシフトである。ふらふらと操縦席につき、4時間。

大きな波とともに、ボートは上へ下へとゆらりゆらりと進んでいく。帆がぎしぎしと音を立て、波はガタンゴトンと船底にあたりつづける。

眠気とたたかいながら、他の船が視界にないか確認をしながら、風の向きをみて、時折舵の向きを変える。

朝の6時にシフトを終えるころ、前方の東の空がほんのりと明るくなっていった。
同時に暗い海の色にもほんの少し明るい青色がさしこんでくる。

そして、あちらこちらに、いるかがぴょんぴょんと飛び出した。
多くのいるかがあちらこちらで頭を出し、円を描いて海面にまた潜る。2頭、3頭が横並びに泳いでいるものもいれば、縦に並んで次々と頭を出すものもいる。

そして、それでも、また眠りにつく、しかない。

16時過ぎによたりよたりとデッキに出る。風が強く、常時5ノット以上出ている。
用意されていたシーチキンとコーンをパンに乗せて口に入れる。

「あと10時間くらいでカルタヘナに着きます。」

18時ころ再びシフトにつくものの、30分ほど経ったころに船長が言う。
「ここからは運転が難しいから、わたしが代わります。もっと運転したいですか?大丈夫ですか?」

わたしたちがシフトで回している間は足を投げ出してそれを見ている船長も、一番大変なときに操縦をするのだ。

酔い止め薬を飲まなければ酔ってしまうこともあるという、がはがは笑う、大きなお腹の船長。

こうしてまた船長が操縦席につく。
デッキには操縦席の船長と、煙草をくゆらせているクラウディアとわたしたちしかいない。
暗い海をざぶりざぶりとボートは大きな曲線を描きながら、前へ前へと進んでいく。