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最南端の町に向けて、海を渡る。 -Punta Arenas to the border with Argentina, Chile

今日は大陸の中では最南端にある都市プンタ・アレーナスから、フエゴ島にある世界最南端の町、ウシュアイアへ向かうことにする。

ウシュアイア行きのバスは混雑しているから予約をしていないと座席を取るのが難しいと昨晩宿のオーナーにおどされ、朝は8時過ぎに2社あるウシュアイア行きバス会社の一つ、Tecni Austral社のオフィスへ向かう。

街の坂を下がったところにあるマゼラン海峡は朝日に照らされている。ほとんどの店が朝の9時から開くので、まだシャッターを閉じた店舗がひっそりと朝を迎えているばかりだ。

ウシュアイア行きバスは、聞いていたよりもずっとがらんどうだった。ぽつりぽつりと乗客を乗せただけで、出発をする。

朝食として、砂糖の入った甘いコーヒーと、ウエハースが配られる。昨日も通った海沿いの海軍基地を過ぎ、ぐっと東のほうまで走っていく。風車がぐるぐると回っている。

12時前ふいに合図がなり、バスごと大きなフェリーに乗り上げた。30分ほど海に揺られ、フエゴ島へと渡る。フェリーにはバスが2台と乗用車が数台載っており、カウンターや乗客用の座席も完備している。強い風が吹きつける。フェリーは時折がたがたと大きな音を立てて、高い壁の向こうから海の水しぶきをかぶる。

フェリーから降りたバスは、黄色く短い草の生えた大地の広がる、舗装のされていない道をゆらりゆらりと進んでいく。昼食用にソーダ水とハムとチーズをはさんだ食パンが配られる。鞄に入れてきた青リンゴを合わせてかじる。

15時過ぎにはチリ側のイミグレーション・オフィスにたどり着く。風はあるが、日に照らされてさして寒くはない。

チリ入国時の書類を提出して、氏名をつぶやかれると、無事に出国する手続きが終了する。ここにも荷物検査に関するポスター、大統領のポスターなどが貼りだされ、テレビにはサッカーのスペインリーグが映し出されている。

いくらか小銭が余ったので、オフィスのとなりにぽつんと構えられた売店でクッキーやウエハースを買い求める。