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世界で最も南にある都市 – Ushuaia, Argentina

朝も変わらずにぽかぽかと暖かい宿で、パンにバターやジャムをぬり、温かいコーヒーミルクと合わせていただく。

宿から外に出てみると冷たい風が吹きつけてくる。昨晩は暗くて見えなかった雪をかぶった山々が、坂の上に見えてくる。

灰色の雲が空を覆っていて、日曜日の今日はほとんどの店が閉まり、街は静かだ。道ばたには、まる焦げに焼かれた車が停まっている。

海軍基地敷地内では元監獄の建物が公開されている。淡いオレンジ色の2階建ての建物には小さな窓が設置されている。その前には海軍病院がある。港には海軍基地があり、アルゼンチンの水色の国旗を掲げた黒い軍船が、軍服を着た男性たちを乗せて、海を走っていく。

港沿いの道、マイプー通りを歩いているうちに、空に徐々に晴れ間が見えてくる。

壁に「ウシュアイアはマルビナス諸島(英名:フォークランド諸島)のキャピタルです」と書かれた前を、タンクトップの男性や半袖の女性がゼッケンをつけて走っていく。そのそばで、ペンギンの着ぐるみをかぶった男性がガイドブックを旅行者に配っている。海には1957年に役目を終えたというセント・クリストファー号がじっと浮かんでいる。

インフォメーション・センターに行き、ブエノス・アイレスまでバスで行く方法を尋ねると、経由地点であるリオ・ガジェゴスまでバスを出している2社のうち1社は今日は休み、もう1社Taqsa社は17時半から20時半まで窓口を開けるという。

ここではレストランも20時から営業を開始するところも少なくない。寒いウシュアイアでも、人々は夜も活発に活動をするのである。

バリローチェにもあったチョコレート店Turistaがこの街でも店を出していて、日曜日というのに営業をしていたので、中に入ってチョコレートをつまんでいくことにする。

ガラスケースから、名物だという枝のチョコレートに、コニャックのチョコレート、それにピンクのチェリーをはさんだホワイトチョコレートもいただいていくことにする。

2492年まで開けないと書かれた真面目なタイムカプセルを通り、海沿いを再び歩いていく。大規模なカジノ店や、鄙びたサーカスのテントもある。

テントのチケット窓口には幾人かがチケットを求めに列をつくっている。開演時間までまだある会場は、誰も人がおらず、ただずらりとプラスチックの椅子が並べられ、ポップコーンの機械だけが明かりをつけてぶんぶんと機械音を発しているだけだ。

そこから日曜日も夜まで開いているというスーパーマーケット、La Anonimaに行って、パンやチーズ、キャラメル味のペーストDulce de lecheやラビオリなど、バスの中などでもつまめるような食材を買っていくことにする。

17時半を過ぎて、バス会社Taqsaのオフィスへ出向き、ブエノス・アイレスまでのチケットを購入する。途中、再度チリに入国し、また出国をして、リオ・ガジェゴスで乗り換えをして、向かっていくことになる。

ゆっくりと日が暮れていき、空の色が変わっていく。

子どもたちは屋内の遊技場で遊びまわり、空には飛行機が飛んでいく。名物のタラバガニ、セントージャを提供する店や焼き肉の店などが営業している。

Fratelloという店に入っているMc Bartoloという名の24時間開いているファーストフード店で、バスの発車時間である朝の5時まで過ごすことにする。

テレビではアルゼンチンサッカーチームのボカ・ジュニアーズとLanusの試合が流れている。店員の男性は、テレビからナレーターの叫び声が聞こえると、キッチンからタタタと走ってきて、テレビにくぎ付けになる。ボカがやられるとしょんぼりとして、てくてくとまたキッチンに戻っていく。

ハンバーガーとフライドポテトをオーダーする。ハンバーガーには牛肉やハム、チーズに卵、それにレタスやトマトがはさまって分厚い。夜の23時ころになっても、若い女性客や中年の男性たちが入ってくる。0時を過ぎれば、さらに店は繁盛をしていく。