Top > ブログ

大通りの向こうが、遠い。 – Buenos Aires, Argentina

無事にアルゼンチンへの入国スタンプも押され、乗船場まで向かっていると、雷がぴかりと空に線を描き、そのうちに大雨が降りはじめた。

船内のカフェバーの女性も仕事をしている。20時45分の出発を席に座って待つ。ウルグアイの土産物などを手にした乗客たちでにぎやかな船が出発をしたのは、結局21時半を回ったころだった。

ブエノス・アイレスに向かう間に降っていた大雨も、到着するころには止んだ。港の向こうにあるCASINOの文字が赤や緑に点滅し、時計は23時を指している。

ターミナルが面している大通りは既に静まり返り、車はほとんど通っておらず、タクシーはさらにまれにしか通らない。

船を降りた乗客で、タクシーを待つ長蛇の列ができた。バスの乗り場は、大通りを渡った向かい側にある。そこで焚火をして暖をとる男性たちがいる。通りの向かいは薄暗く、雰囲気は殺伐としている。

それでもタクシーを待っていればそのまま朝を迎えそうだったので、向かい側にバスが停まったときに急ぎ足で走って寄っていき、行き先を伝える。

無事に乗ることができた。運転手の男性は今日は17時から24時までの担当で、交代勤務制だという。近くて遠かった大通りの向こう側で、男性は日々働いている。