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ちょっと滞在のウルグアイ – Colonia del Sacramento, Uruguay

Duty Freeの店舗も構えた船は、ほぼ満席だ。前方のスクリーンに、ペンギンやアシカなどの映像を流し、海らしさを演出している。

大きな船も停泊している港を横切り、チョコレートクッキーをかじりながら、1時間半ほどで川を渡り終え、コロニア・デル・サクラメントに到着する。

船を降りると、爽やかな風が吹いていて、ターミナルも白く真新しい。ここはアルゼンチンからの観光客も多く、アルゼンチン・ペソがおおよその場所で使えるので、両替も必要ない。

ゲートにはウルグアイの国旗とともに「ようこそ」と書かれている。川に沿って、フロリダ通りを歩く。道の途中にある洗練されたインフォメーション・センターに立ち寄る。

ウルグアイは小国なので、どこの国とも仲良くしないといけないんです、と女性は肩をすくめた。アルゼンチンとブラジルは仲が良くないんです、二つとも大きな国ですから、と続けた。

かつての鉄道の走っていた線路の上には草が生え、古い石造りのCOLONIAと書かれた看板が、プラットフォームの上にたたずんでいる。

木造の橋を渡り、石の城門をくぐる。この街は、かつてポルトガルの貿易港として発展し、その後1777年にスペインの植民地支配におかれた。

石畳の道を歩いていくと、Los Susupiros通りやポルトガル博物館、ナカレリョの家、タイル博物館、地域資料館、サクラメント大聖堂など、主に石を使ったポルトガル様式の建物や道が残されている。

そばには1795年に建設された後スペイン人によって改築された市立博物館がある。1880年に建てられた糊や石鹸などの工場もある。

道ばたには洒落たカフェやレストランも多く、テラスに腰をかけてビールやワインを片手に人々が食事を楽しんでいる。古びた石畳にクラシック・カーがひっそりと停まっている。

かつて軍事演習場として使用されていたMayor広場をさらに先に行くと、サン・フランシスコ修道院跡地に併設された灯台にたどり着く。白くそびえ立つ灯台は1845年から建設が開始された。

狭い緑の階段をてくてくと登りきると、灯台のてっぺんから街や川を眺めることができる。川は茶色く濁り、風に吹かれて波打っている。灯台には1938年当初の灯も残されている。

空は淡く水色に染まり、淡い茶色の川の色と、まっすぐな境界線を描いている。港には、釣りをする人々がいたり、のんびりと座っている人々がいたりする。

やがて空は徐々にピンクに色を変え、、白くて丸い月がぽっかりとまだ明るい空に浮かびはじめる。

夕食をとりに、メイン通りのFlores通りに面したレストラン、MERCOSURに入る。パンに、テンダーロインステーキとレタス、トマトにマヨネーズをはさみ、オリーブをさしたChivito al Panとフライドポテトをオーダーする。それに、ウルグアイのビール、ピルセンの生ジョッキと、レストランの自家製ワインを合わせる。ビールは、かすかに白ワインのようだ。

近くの商店でバニラと苺とチョコレートをはさんだアイスサンドを買って、それをかじりながら、ターミナルへと向かう。既に街は人気が少なく、ぽつりぽつりと灯がともっているばかりだ。

出国の時も、真新しいターミナルでチェックインを済ませ、イミグレーションでウルグアイの出国スタンプを押してもらった後、隣の担当者がアルゼンチンの入国スタンプを押すだけだ。その後に荷物検査を終えると、もう出国だ。

ブエノス・アイレスの対岸に、これほど静かで落ち着いた街があった。