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ボンジュールと茨城とpower of god。 – Mwanza / Benako, Tanzania

早朝5時半ムワンザ発、ルワンダとの国境に近いBenako行きバスに乗り込む。ターミナルの前の宿に泊まっていたので、歩いてすぐである。

昨日の悪路で、首が痛い。

車内には、ビニール袋に包まれた鞄が荷物置き場の下に紐でくくりつけられている。

発車後30分ほどしたところで、添乗員がフェリーチケットを売り回る。気づけば、バスは既にフェリーに乗っていた。

ムワンザからBenakoまでは道が一度途切れるため、ケニア、ウガンダ、タンザニアに囲まれた巨大な淡水湖ビクトリア湖をフェリーで渡るのである。

湖には、木のボートを手でこぐ地元の人々もいる。

フェリーに乗った時にはまだ暗闇の中にぽつりぽつりと明かりをつけていた湖も、45分ほどかけて渡り終えるころには、空は明るくなっていた。

今日も悪路が続く。バスはぷぷぷとクラクションをたてる。

くわをもった女性が畑を歩き、家の前では穀物がビニールシートの上に広げられ、市場は人で溢れている。人々は、水の入ったペットボトルやら、バナナのかたまりやらをバケツに入れて頭にのせて持ち運ぶ。誰も、頭の上から落とさないし、首が太いわけでもない。

バスには長い銃を持った男性が乗り込んできたり、手錠をかけた男性が乗り込んできたりする。

バスの外から売られるものはだいたい変わりばえはないものの、地域によってほんの少し特徴が出てくる。オレンジばかりを持ってくる地域もあれば、にんにくばかり、ということもある。

ふんわりとしたパンや、もっちりとして旨いキトゥンボア、ぼんやりとした味のマジヤ、それに段ボールのような湿った味がして食べきれなかったマンダジを、窓の外から買う。売っているのは、たいてい10代か、それより若いと思われる男の子たちだ。

13時には赤茶けた土が広がり、砂埃の舞う、ルワンダとの国境近くの町Benakoに到着する。歩いていると「ボンジュール」と声がかかる。フランス語が公用語のひとつであるルワンダがいよいよ近くなってきているのだった。

そんな小さな町に「茨城」と水色で大きく書かれたトラックが走っていく。その文字の下には「power of god」とうたわれている。

ここから、国境まで、乗り合いタクシーに乗っていくことにする。乗り合いタクシーのトランクには、わたしたちの鞄のほかに、靴をぎっしりと詰め込んだ見事に大きなビニール袋が二袋搭載され、トランクは閉まるはずもなく、ひもでくくりつけて出発となる。

30分ほどタクシーが走れば国境に到着する。タンザニアのイミグレーション・オフィスは、水色に塗られたトタンでできた建物だ。

オフィスの係員から、職業と、どの街から来て、どこに行くのかを尋ねられるので、それにお答えをする。