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ケニアからエチオピアに行くときのビザの問題。 – Nairobi, Kenya

アフリカに入るとビザというのは時に大きな問題となる。しかも常に状況は変化している上、担当者によって状況が違うこともある、というのだから、悩ましい。

国境でビザがとれるなら良いものの、事前に取得しておきなさい、となると、なかなかに手間がかかる。

エチオピアが、ケニアから陸路で入国する者に基本的にビザを発行していないというので、はたと困ることになった。ウガンダ首都のカンパラにあるエチオピア大使館に電話をしてみると、「ビザは空港でなら取得できます。または、本国の大使館にて取得することも可能です。」

そんなわけで、エチオピアへどうやって北上するかを考えていた。

朝食は、苺ジャムとバターを塗ったパンやマンゴーをほおばり、紅茶をすする。外はまだ曇り空。

ナイロビでも宿の周りはのんびりとした雰囲気だ。

議事堂にほど近いエチオピア大使館まで歩いて念のため確認をしてみることにする。大きな道路沿いには車が渋滞し、草むらで倒れている男性もいるが、行き交う人々は気にとめない。

荷物検査のみならず、入口で鞄を置いていく必要がある。なにやら重々しい。

中のソファにはずらりと列ができている。端に腰かけて、順番を待つ。ふいに、植物について勉強をしにケニアに留学しに来ているという中国人の男性に話しかけられた。「僕は学生なので、Kenya Re-entry Passのスタンプがあるのですが、もしないようなら、ビザはもらえませんよ。」と言う。

閉館の12時をやや過ぎて、いよいよ順番が回ってきた。わたしたちが今日の受付の最後らしい。中には二人の女性が担当をしている。

「Kenya Re-entry Passを持っていないとビザは発行できません。Kenya Re-entry Passは、ケニア在住で仕事をしていたり、学生であったりしない限り、発行はされません。1、2年前からルールが変わったんです。理由などは、上が決めていることなので、分かりません。

飛行機でエチオピアに入れば、空港でビザを発行しています。」

既に担当二人の女性は、帰宅をしたいかのように席をたち、荷造りをしながら、そう言う。やはり、ケニアからエチオピアに入るのには、飛行機で飛ぶしかないのだ。

道ばたで話しかけられたスーツを着た男性に、ふいにHeal the NationというドキュメンタリーのDVDを手渡される。

「2008年1月の出来事に対する改革への必要性をケニア国民がきちんと認識して取り組まなければ、2012年のクリスマス・パーティのように見えてしまうかもしれない。」とパッケージに書かれている。

2007年から2008年に起きたケニア危機に関するDVDである。

昼はオムレツをはさんだサンドイッチをほおばる。

16時まで開いているというスーダン大使館にも向かう。道を聞く人、みな、親切に道を指し示してくれる。しかも、その情報は、たいてい正しい。

宿から歩いて50分ほど、大使館があった。閉館まぎわの15時50分にたどり着く。門番の男性にビザについて聞きたいと言うと、今日はもう業務を終了したんです、雨が降ったので。明日また出直してきてください、と言った。

こうして、スーダンビザは、アディス・アベバで取得することにする。

道にはずいぶんと長い車の列ができている。

夜はTuskerビールを飲み、チャパティをかじる。にっこりマークの象が描かれたこのビール、くせがなくて飲みやすい。

23時半にはタクシーに乗って空港へと向かう。宿に来たタクシーは、真新しいトヨタのカローラ車だった。中のモニターには日本語が表記されている。カローラ車は、やわらかな座席を乗客に提供し、スムーズかつ静かな走行をみせる。

ナイロビ出身だというタクシー運転手は、この車をナイロビで購入したという。タクシー運転手になって8年、ナイロビがとても好きなんです、と言う。

この8年で食事や交通機関は良くなったものの、政治は悪くなっている、と言った。

ナイロビは、確かに大都会だ。この時間でもところどころ灯りのついた店がある。

朝や16時のラッシュ時には4時間かかることもあるという町から空港までの道はがらがらで、20分ほどで到着した。

朝3時25分のフライト、24時間オープンの空港というから、さぞきらびやかなのだろうと想像していたら、ナイロビの空港ターミナル2はやや薄暗かった。夜中の便も、エチオピアやトルコ、エジプト行きなどの数便くらいしかない。荷物をX線に通して空港に入る。

チェックインカウンターで手続きを済ませる。
ターミナルの規模もさほど大きくなく、ゲートをくぐればすぐに出国のイミグレーションカウンターが2台並んでいる。記入した出国カードを差し出す。目的地を聞かれるだけで、あとはエスカレーターを上がり、搭乗口で待つだけだ。

かばん屋や酒屋、本屋、煙草屋といった免税店が並んだ通路がある。店によっては、中で店員が布団をひいてくるまり眠っている。

壁には、「ケニアは薬物の売買地点にはなりません。」と、刑務所に入った男性の絵が描かれた警察署のポスターが貼られている。10年の懲役刑が科せられます。10年は長いですよ、それと夢とを天秤にかけてください。

乗る直前に手荷物の荷物検査があり、それが終われば搭乗だ。横にはルワンダ・エア、ケニア・エアウェイズ機が並んでいる。