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エチオピアのコーヒーセレモニーについて。

エチオピアを旅していると、ふつうのレストランにもコーヒーセレモニーの一式が備えられていたり、古びたレストランの片隅にエスプレッソマシーンが置かれていたりするのを見かけることになる。

店はお香の煙が充満し、床には青草が敷かれている。

最初にパンやポップコーンなどが提供される。それをほおばりながら、コーヒーが淹れられるのを待つ。ふつう女性がコーヒーを淹れるらしい。

エチオピアのコーヒーセレモニーでは3杯まで飲むのが基本の流れ。1回目のアボールは濃くて一番美味しい、2杯目はトナ、3杯目はバラカといって、薄いコーヒーになるという。

これが生活の中に密着している。

アディスアベバ大学で教えている先生も、朝と夜にコーヒーセレモニーをしているといった。お子さんが独立し、奥さんと二人、1時間ほどかけて話をしながらコーヒーを飲む。セレモニーのホストは1か月500ブルで雇っているお手伝いさんが務めるという。

バスで出会った男性三人も、コーヒーセレモニーは欠かせないという。

いちおう3杯飲むのが基本なんだけど、おしゃべりに夢中になると、何杯目だかわからなくなって、4杯も5杯も淹れちゃうことがあるんだと三人で笑う。

3杯が多いと感じれば1杯になることもあれば、2杯になることもある。

コーヒーセレモニーには、大麦などを煎ったコロやポップコーン、インジェラやパンなどの食べものが必須なのだそう。そして地ビールであるタラを飲むこともあるのだという。地ビールは、イスラム教徒は飲まないがキリスト教徒は飲む、とエチオピアの人は言う。食べものなしにコーヒーはない、と言った。

友だちを家に招くときも「食事に来ないか」ではなく「コーヒーを飲みに来ないか」と言うのだというから、なかなか粋なものである。