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トルクメニスタン、指定外の国境で出国 – Konye-Urgench / Dashogus, Turkmenistan

トルクメニスタンの5日間のトランジット・ビザを一日でも延びると、えらいことになるとかならないとか、とにもかくにも5日目の今日、ウズベキスタンへと出国したい。

トルクメニスタンからウズベキスタンへは3か所の入出国ポイントがある。トランジット・ビザには入国するポイントだけではなく、出国ポイントも指定され、記載されている、と知ったのは昨日。指定されていない出国ポイントから出国しても問題がなかったという人、はね返されたと言う人、賄賂を請求されたという人、など、いるらしい。それを知ったのも昨日。

パスポートに貼ってあるビザを見てみると、小さい文字で、地名らしき名前がずらずらと並んでいる項目がある。そこに指定出国ポイント、Farabが記載されていた。

わたしたちはそこからずいぶんと外れてしまっていた。これは運に任せてこのままルートに沿って、Dashogusの国境から出国を試みることにする。今いるクフナ・ウルゲンチから車で15分ほど行ったところにもウズベキスタンへの国境はあるものの、ここは一般的な国境だといわれるDashogusまで大人しく向かってみる。

宿を7時前には出て、すぐ近くの乗り合いタクシー乗り場からDashogusまでほとんどまっすぐな道を1時間半ほど、隣に座った女性がどうぞとパンを差し出してくれたりする。

タクシーから降りると、その女性が、Dasogusの町から国境までのタクシー乗り場まで連れて行ってくれると言う。ずんずんとバザールに入っていき、あちらこちらの人々と握手をして、あるいは頬にキスをしていく。肌の色の濃い人、白い人、金髪の人、黒髪の人、ほりの深い顔立ちの人、浅い顔立ちの人、さまざまだ。頭に毛むくじゃらの帽子をかぶったおじいさんもいる。

道ばたで売られていたバナナをほおばりながらタクシーに乗って15分、大勢の人が門の外で待つトルクメニスタンのイミグレーションに到着する。

どきどきとしながら、でもにこやかに門に立つと、担当男性もにこやかに国籍を確認し、誘導する。建物に入り、まずは荷物検査が行われる。ただ荷物をX線に通すだけでなんということはない。

次は、出国カードの記入。ロシア語だけの出国カードにきょとんとしていると、近くにいた担当員が各項目を早口で翻訳する。基本的な箇所だけを記入して、テーブルに座る3人の男性のもとへ持っていく。

ちらりとカードを眺めて、わたしたちに、車を持っているのか、と聞いてきた。ロシア語なのでなにやら分からないけれど、どうもそう尋ねてきているらしい。でも、聞いている目つきが、こわい。なぜ車を持っているかを尋ねてくるのか分からず、答えに詰まる。他にも何か話しかけてくるが、なにしろ言葉が通じ合わないので、そのうちに担当者が勝手に出国カードに記入してスタンプを押す。そして、イミグレーションに進むよう手で示す。

イミグレーション・オフィスには数人の人々が崩れた列をつくっている。みな我先にと手を差し出し、パスポートを担当者の男性に手渡す。反対側の窓口では、大声で泣き叫ぶ女性の姿がある。

ようやく順番が回ってきた。ここで出国ポイントの違いを指摘されれば、賄賂を要求されるか、指定出国ポイントまで数時間のタクシーをとばさなければいけない。

担当男性がパソコンの画面とパスポートを見比べる時間が、長い時間のように感じる。でも1分ほど経って、ぼん、とスタンプが押される。

わたしたちは安堵した。

イミグレーション・オフィスを出て、ウズベキスタンのイミグレーションまで行くミニバンを待つ。