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イミグレーション窓口の男性と食事をして、送ってもらう。 – Border with Uzbekistan / Osh, Kyrgyzstan

キルギスのイミグレーションはやや薄暗く、列に並ぶ人もわずかしかいない。窓口の男性にパスポートを渡し、名前を読みあげられれば、ビザもないまま入国完了となる。

すっかりと日が落ちて外は暗い中、オシュまでの交通手段をどうしようかと考えていると、先ほどの入国管理の窓口に座っていた男性、ドスムラさんが、もう仕事が終わるからオシュの街まで送っていきますよと先ほどの業務時には見られなかったにこやかな笑顔で言う。

イミグレーションのお手洗いは、裏の建物奥深くにあって、ただ穴が開いただけのところだ。犬がわんわんと吠えさかりびくびくするが、誰の目にも届いていないような場所だ。

仕事を終えたドスムラさんは、僕の車はマツダ車なんです、と言って、日本人であるわたしたちを温かく歓迎した。ビートルズのLet it beに、トランクに積んだ子猫のにゃーにゃーが音頭をとりながら、風に吹かれて車は進む。

たった10分ほど走ったところで、ドスムラさんは車をきゅきゅっと停車して、ご飯でもどうですか、と言う。

ドスムラさんはイミグレーションで働き出して既に8年。きれいな奥さんとの間に娘さんが2人いる。携帯電話におさめられた写真を見せてもらう。ラマダン中も断食はしていないと言った。炭火で焼かれたジューシーなシャシリクに玉ねぎのスライス、それにパンとチャイをいただく。

多くのウズベキスタン人がキルギスへやってきて、多くのキルギス人が国境を越えてウズベキスタンへと向かう。ドスムラさんは、ウズベキスタンは悪い共和国で、ウズベキスタンの人たちは良くないと顔をしかめた。そして、カザフスタンは良いけれど、と付け加える。

しまいには、ごちそうをしてくれた。お腹もようやく良くなり、食べることのできた久しぶりの肉はやはり美味しい。

再びオシュの街に向けて車を走らせ、マナスの騎馬像では車を停めて写真を撮ってくると良いと言う。

こうして23時になるころにオシュの街へと到着した。今夜はこのままキルギスの首都、ビシュケクまで行ってしまいたい。オシュからビシュケクまではバスが通っていないので、タクシーで向かうことになる。ドスムラさんは、ビシュケクまで行ける車を探し、交渉まで付き合ってくれた。

すっかりとお世話になって、タクシーを見つけて乗り込み、ビシュケクへの夜を明かす移動を始める。運転手と助手席に座る友だちらしい二人が、交代で運転にあたる。

途中で車を停めると、一人がたたたと駆け足で商店に行き、炭酸水を買ってきてどうぞとわたしたちに差し出した。数回の検問を越えて、車は夜中のキルギスを風をきって北へと進んでいく。