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島の人々

朝ごはんも焼き魚の他に、
昨日の刺身に島とうがらしと醤油で漬けたものが差し出される。
ごはんと良く合う。

釣り人は朝も早い。

宿を出ると、昨日港に迎えに来てくれた、寡黙だった男性が、子どもと遊んでいた。
優しい笑顔があった。
その男性は、鈴豊のお客さんで、
忙しいこの時期に、アルバイトとして
宿で働いているのだという。

宿の家族も、スタッフさんもみな楽しそうにしている。
女将さんも東京本土からお嫁さんに来たというが、
ずいぶんとなじんでいる。

宿からほど近い泊浦に出向く。
澄んだ海のほとりで、
かもめが死んだ魚をつついていく。

新島行きの船に乗るため、港に向かう。
20分ほどで到着するので、小さな船だ。

島からどんどんと離れていく船の甲板で、
島との別れを名残惜しんでいると、
鈴豊のお客さんがこちらを見つけて、
手をあげてジャンプをしてくれるのが見える。

みながここに通い詰める理由が、ある。

あっという間に新島に到着するも、
宿も予約をしていないわたしたちは、
島の中心に行くと思われるバスに飛び乗り、
乗客がどっと降りたところで、
とりあえず降りてみる。

そこから数軒の宿を訪問し、空いていた民宿沖さんに部屋をとる。
満室の宿も少なくなかったが、
なぜか島の道にはほとんど人気はなく、
しん、としている。

スーパーマルマンもまた弁当は売り切れていたので、
再びコロッケを買い求め、それからパックされた柏餅を買う。

この島には、イタリアのリパリ島とここでしか産出されない
コーガ石という石がある。

大きなその石が彫刻されて、島のあちらこちらにたたずんでいる。

宿から借りた自転車で坂をよいこらよいこらと上がり、
石山展望台に向かう。

コーガ石の採掘場もあり、転がっている石を拾うと、
これが軽くて、さくさくとしている。

広がる海の中で、式根島に向かう船が
右から左へと進んでいく。

この島にも、
湯の浜露天温泉という温泉がある。

だれしもが自由に入れるというので、
ビールをもった人やら子どもたちも
はしゃいでいる。

そのうちに、
海には、夕日が沈んでいく。
ギターを片手に夕日に向かって歌う人がいる。
釣りを続ける人がいる。

寿司を食べようと、
おすすめの寿司屋を探していたら、
訪ねた店の女性が、
健寿司という寿司屋を勧めてくれて、
そして、突然に、オレンジとりんごを手に持たせてくれた。
驚くわたしたちに、いただきものだからと言って、
店の奥へ引っ込んだ。

江戸前寿司を出す健寿司さんを訪ねる。
看板は、ない。
入口から中をのぞくと、寿司屋のようなので、
中に入ってみる。

ここも常連さんばかりの店だった。
看板を出さない理由を尋ねると、
面倒だから、と言った。

店を閉めると、板前さんは、常連さんと飲みに行った。