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ぐるぐるの許可書取得への道 – Cebu / Palawan, Philippines

椅子の突起に身体を痛めながらも十分な眠りにつき、起きてみたら、カフェも開いていて、人の出入りも増えていた。

昨日買い求めたチケットを手に、チェックインを行う。
持っているすべての荷物をX線にかける。

無事にチェックインも終えたので、空港に並ぶレストランの一つに入る。
ぜひ現地の食べ物をいただきたいものだと思い、現地の人々で賑わうZubu Lechonというお店に入り、Lechon with riceをオーダーする。
空港レストランらしく、そのレチョンは冷えていたものの、他の外国製レストランよりも地元の人たちに人気で、ほぼ満席だ。
朝からなかなかにオイリーなものだが、
地元の人達はなんてことないようである。

レチョン・ライスにミネラルウォーター。
レチョンには、醤油とビネガー、それにチリソースがついていて、
それに浸しながら、ほおばる。

真っ青な空の下、再びCEBU PACIFIC AIRの飛行機に乗り込む。
二つの席を並べただけのシンプルな造りをした飛行機で、
離陸も軽々しいものだった。
ドリンクなどのサービスもないが、
美人CAが途中でゲームを開いた。

1時間ほどで、パラワン島の州都、プエルト・プリンセサに到着をする。
ここからすぐに世界遺産の地下河川のあるサバンという村へ移動したい。

空港の観光案内所にサバンへの行き方を尋ねてみると、「地下河川に行くなら、その入場許可書をプエルト・プリンセサで取っていかなければ入れませんよ」

どうやら地下河川に行くには、許可書が必要で、それはサバンでは取れないらしい。
ここで尋ねて良かった。

言われるままに、その許可書を発行してくれるという州政府庁舎へ向かうことにする。空港を出ると、トライシクルの客引きが大勢近づいてきて、あれやこれやと声をかけてくる。

韓国人か、中国人か?
日本人だと答えると意外な顔をされる。

その中の一人が、まともな値段を提示してきたので、それに乗り込む。

州庁舎に連れて行ってもらい、許可書を得たら、そのままサバンへのバスターミナルへ連れて行ってもらおう。

15分ほどトライシクルが走ったところで、12時前に地下河川予約所に到着をすると、「今日は休みだ、明日来なさい」と言う。いや、日曜日の今日だって、8時-12時、13時-16時で開いているって書いているじゃないかと粘る。セブまでの帰りのチケットだってもう取ってしまったのだから、明日地下河川に行けなければ困るのだ。

しばらくわんやわんやとやっていると、「今スタッフはお昼ご飯に行っているから1時に戻ってくると良い」と言い出す。

なんだそうか。

気の抜けた私たちは、トライシクル運転手のところに戻り、あと1時間待たなければならなくなったと伝えると、その運転手は、それでは1時間待ちますよと笑顔で言う。ありがたいことである。

お礼に、近所の店で買ったややぬるいコーラを渡して、商店に行き、
私たちは、少し離れた商店まで歩き、やや溶けてべっとりとしたCornettoのアイスクリームをほおばる。そこにはwifiがとんでいるらしい。

1時になり、勇み足で事務局に乗り込み、地下河川の許可書が欲しい、と言うと、
「明日の分はもう売れ切れています。明日、また来てください」と言う。

「明日はもう来られないんです。帰りのフライトも決まっています」
「でももう売れ切れています。」

「じゃあ、サバン村では取れないのですか。」
ダメモトで、尋ねてみる。

「サバン村ではとれるかもしれません」
「サバン村ではとれるかもしれませんって、
サバンで許可書を発行するところがあるってことですか。」
「ゲストハウスなどで手伝ってくれるところもあります」

やれやれ。

それでは、とにもかくにもサバン村に言ってみようということで、
トライシクルの運転手お兄さんにお願いをして、サバン村までのバスターミナルへと向かう。

バスターミナルには、既に車内のぎゅうぎゅうになったジプニーが停まっていて、
車体の上には、タイヤやらカバンやらダンボールやら水のボトルやらタライやらが積まれていて、私たちもバックパックを載せる。

13時半には出発するという言葉には偽りなかったようで、少し待てばそのうちにジプニーが動き出した。ただでさえ、ぎゅうぎゅう詰めの車内で、背中に出っ張った鉄柱があたって、なんとも座り心地が芳しくない。

子どもたちもぎゅうぎゅうとしていて、若い母親たちとともに、私たちのほうを見て、にっこりとする。

ジプニーに、竹やなにやら色々なものが積み込まれたかと思えば、うとうととしかけて起きてみると、たいていジプニーは停まっていて、動いていない。運転手や客が買い出しをしたり、竹の積み下ろしをしていたりして、時間が流れていく。

ようやくサバンに着いた頃には、17時を過ぎていた。普通に走れば1時間のところを、3時間半、故障することもなく、みなでサバン村まで揺られてきたのである。

到着する頃には、雨が降り出していて、
許可書をもらえるはずの観光所も既に営業を終了している時間だった。

どこに泊まろうかとうろうろとしていると、男性から声をかけられて、
ついていくことにする。

いくつか紹介された中で、タロー・ビスタ・ロッジ・アンド・レストランを選び、荷物を置く。
許可書の話をすると、「明日、朝、案内所に行けば良いと思う。帰りのフライトチケットを持って行って、あと、私の名前を提示してみなさい。7時に開くから、一緒に行きましょう。6時半に迎えに来ます」と言った。

もはや何を信用してよいものか分からなかったが、
ここで急いでも何か事態が変わりそうもない。

信じることにしよう。

サバンという村は、海岸に沿って、コテージなどの並ぶのどかな田舎町であるものの、外国人向けの観光に頼っているからか、フィリピン料理を食べられるレストランは、Heramis Lechon位だ。

シニガン・バンガスという白身魚のスープとバーベキュー・リエンポ、それにライスにサンミゲル・ライトをオーダーする。

ミルク・フィッシュともいわれるというバンガスは、地元の水を使ったスープに入れられ、どことなく危険な香りもするものの、ここは気にせず、口に入れてみる。

隣に座った、スイスから来たというむっくりとした初老の男性に話しかけられる。
このサバンという村が気に入って、毎年のように妻と来るのだと言って、
隣の若いフィリピン女性がにこりとする。
足元には野良犬があちらこちらと歩き、それを気に留める者はいない。

宿の灯りは夜の6時から23時までしか点灯しないということだから、
遅くならないうちに宿へ戻り、眠る支度を整えることにする。
星が瞬いていた。