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やっとの思いの地下河川。 – Sabang, Philippines











昨日、宿へ連れてきてくれたおじさんと、朝は6時半に待ち合わせをして、
許可書の取得に同行してくれるというので、6時には起床し、準備をし始める。
セブへのフライトチケットも持ったし、身分証明書も一応持った。

6時半。やはり、来ると言っていたおじさんは来なかった。

気を取り直して、7時には開くという案内所に向かい始める。
案内所に近づいていくにつれ、その周りに人だかりができているのが分かる。
大変な混雑ぶりだ。
既に案内所に、待ち合わせをしていたおじさんは到着していた。
待ち合わせをしたことはなかったかのように、大きな笑顔で迎え入れられる。

案内所も大混雑だった。
どうやら、この3日程悪天候で午後の船がキャンセルされたことで、
その間に膨れ上がった旅行客を処理するのに必死なのである。











そんなこともつゆしらず、
いきなりサバンの案内所に朝来て、
その日に河川に行きたいという私たちのことは当然後回しにされるのである。

とにかく午後にまた来たら、どうするかを考えましょう。
あとは天気に祈りましょうよ、と興奮気味に言われるのみである。

3日も待ったという外国人が、もみくちゃになりながら案内所でようやく河川への許可書を得ている様子を見ながら、全てが手動で、手書きの紙にスタンプやらホチキスやらでやりとりしている様子を見ながら、この調子では、午後に来ても、きっともう今日中に乗せてもらうのは難しいだろうと思った。

許可書の申請書だけでも書かせて欲しいといっても、午後にまた来てくださいが決まり言葉のようになった。他の客たちは諦めてどこかへ行ってしまうが、私たちは粘り強く案内所に交渉を願った。

外の天候は雨が降ったり止んだり。
これ以上悪くならないことを祈るばかりである。











こうして1時間ばかり過ぎた頃、案内所の若いスタッフが、これに記入してくださいと、突然に、
許可書の紙を私たちの前に差し出した。

思わずぽかんとしてしまうが、なんとも有難いとそそくさと記入をし、提出をする。
なぜ突然に申請を受けてくれたのかは分からないままだが、
とにもかくにも、これで少し進んだのだ。

お金を支払い、案内所の外に出て、港に向かう。
日本人らしき洒落た初老の男性と、フィリピンの若い女性。
欧米らしきすらりとした中年の男性と、フィリピンの若い女性。
こういう組み合わせは、とても多い。

天候が悪くなって、出航が取りやめにならないことを願いつつ更に待つこと4時間。
順番が回ってきた。
海はなかなかに荒れている中、木のボートに乗り込み、進んでいく。











20分ほど走ったところ、地下河川へのボートへと乗り換えるポイントへと到着する。
大きなとかげがちゃんと出迎えてくれる。
そこは、波の高い海から洞窟のほうへと少し入ったところで、
途端に波もなく、静かな緑色の水面を湛えている。

緑に囲まれたその砂浜で人々は思い思いにボートに乗り込む時間を待つ。
猿がそれを冷やかしに来る。











待つこと約1時間。いよいよボートに乗る順番が回ってきた。
それから地下河川に穏やかに入っていく。洞穴には、きのこやとうもろこし、カテドラル、キリスト像、マリア様、鳥。こうもりがチューチューと高い声をあげている。ガイドさんが英語と現地語を交えながら解説をする。フィリピンの家族も、英語もしっかり理解している様子。

40分ほど経ったところで、前の方に光が見えてきた。
また荒々しい海に揺られて、小さな地下河川への旅は終了する。
日本語が少し話せるガイドさんともお別れ。
マニラから来たというその女性ガイドさんは、
マニラより、ここのほうがずっと良い、いろいろな人とも出会えるし、と言った。

GUSTO GRILL & RESTOというレストランが良いとガイドさんに聞いたので、
そのままレストランに入り、バイキングの昼食。
ナスの煮込みや野菜の炒め物、春巻、春雨にライスなど、
それにピンクのプディングにコーラ。
たらふくフィリピン料理をいただいたあとは、
サバンの村を歩き、日が暮れたら、
TARA RESTO BARでラムコーク。











ちびりとし終えたら、村の商店の奥の方から取り出してもらった
冷えたコカ・コーラとスプライト(店の中の冷蔵庫のドリンクはたいてい冷え切っていない)、
それにバニラクッキーを携え、
Sheridan Beach Resort & Spaのプールの脇でいただく。
小さな村の、ぜいたく時間。

それから、また、私たちは23時に灯りが消えてしまう宿へとそそくさと戻る。