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巨大なクレイジーわくわく洞窟エンターテイメント会場 – Trinidad, Cuba

トリニダーバスターミナルにわずか定刻10分程度遅れで7時前に到着したViazulバスには客引きさんが集まっていた。そこから知り合い間をバトンタッチのように行われたスムーズな客引き連携のおかげで、JulioとNeryさんのカサ・パルティクラルにたどり着き、部屋をとる。

早速、ハムにバターにキューバ蜂蜜にパン、パパイヤにパイナップル、かすかな炭酸の入ったオレンジジュースとコーヒーを出してくれ「自分の家のように過ごしなさい」と言ってくれる。外には馬が走るパカパカという音が聞こえてくる。

トリニダーはすっかりと観光客が増え、レストランや宿泊先を探していないか常に声がかかる。

わたしたちは昼過ぎに家の向かいにある屋台で塩味とマスタードのきいたハムをはさんだパンをかじりながら革命博物館へと向かい、その前に座っていたおじいちゃんからバナナを買う。いくらか尋ねると「いくらでもいいよ」と笑った。

博物館にはモンカダ兵営襲撃の写真や、カストロがメキシコでゲバラと合流後にキューバ上陸をしたヨット「グランマ号」の写真、FEU(the University Student Federation)の設立経緯、ゲバラやカミーロの写真に加え、カストロの言葉があちらこちらに書かれている。

キューバが撃ち落とした米軍航空機の残骸も置かれており、また前政権である親米バティスタ政権の掃討作戦で命を落としたカストロ率いる革命軍の写真もあるといった具合で、現政権への支持を集める内容になっており、地元の小学生たちも見学に来ていた。

博物館のお姉さんは茶目っ気たっぷりで、博物館前のマヨール広場では小学生がバトンをもちながら鼓笛隊の練習をしている。街では客引きさんもあちらこちらにいて、メキシコ産コカコーラも国産コーラも置いてある。

宿に帰り、近くのホテルでコックとして働いているというJulioとNeryさんが作ってくれた夕食をBucaneroビールとともにいただく。

ポターへ・デ・フリホーレスという豆や肉のスープにロブスター、キャベツにトマトとご飯、パン、そしてオレンジとグアバがついている。キッチンから良い香りがしてくる。JulioさんとNeryさんのお友だちもそのうちに集まってきた。

トリニダーには洞窟が数多くあり、洞窟を利用したディスコさえある。その名はDisco Ayala。23時過ぎに家を出て、ひっそりとしたトリニダーの街を歩く。

時折爆音ダンスミュージックが漏れ出ている場所があるが、街全体はとても静かで、歩いている人もまばらだ。分かりづらい道を人に尋ねながら、薄暗い舗装されていない小道を上がりきったところにそのディスコはある。

入口の赤い眼鏡をかけたおじさんから3CUCでチケットを買い、洞窟を下っていく。その洞窟は何やらとても大きな洞窟のようで、奥深い暗闇に空き缶やら煙草のパッケージやらが無造作に投げ捨てられていたりする。

ディスコの中は地元の人も混じって腰をふりふり盛り上がっていた。モヒートを飲む。ミュージックビデオが流され、キューバ音楽だけでなく、欧米のダンスミュージックも会場を沸かす。

DJブースもあり、洞窟の音響によってディスコは大きな活気に包まれる。炎を使ったり、女性をテーブルに乗せて口でそれを持ち上げたり、ガラスを食べたりといったパフォーマンスも間にはさまれる。

ここは、人間が作り出した、巨大なクレイジーわくわくエンターテイメント会場なのである。

1時半ごろ店を出ると辺りは虫の声が響いており、頭上にはたくさんの星が輝いていた。石畳の暗がりの道を戻ると、馬が道端で主に洗われている。

そしてひっそりとした住宅街の中で爆音ダンスミュージックを流す1CUCクラブが、地元の人々により熱気にあふれていた。
若者が数人、モヒートを飲みながら、道を歩いていく。