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国境からレオンという町へ。 – Guasaule / Chinandega / Leon, Nicaragua

白いTシャツにジーパン、白いキャップをかぶり、鬚と爪を伸ばした自転車タクシーのお兄さんは、手慣れたふうに、橋の向こうにあるニカラグアの国境へと、わたしたちを運ぶ。

橋のこちら側には「Feliz Viaje(良い旅行を)グアサウレ橋」と看板が書かれ、左にホンジュラスの国旗、右に日本の国旗が大きく描かれている。そして、その先には「ニカラグアへようこそ」とその国旗と日本の国旗がまた描かれている。

自転車をこぎながら、お兄さんは日本だ、日本と看板を見て言う。ホンジュラスと日本は経済支援の面でもつながりが深いのである。

ニカラグアでの入国はより一層簡単なもので、わたしたち二人の内一人が二人分のパスポートを提示すればそれでよし、なのである。後は一人12ドルを支払えば、入国完了である。一人はそのまま自転車タクシーで待機していて良いのだ。

再び自転車タクシーに乗り、先のゲートに進む。ホンジュラス人である自転車お兄さんも、わたしたちとともにここでパスポートを提示する。彼は通行料として1日10ドルを支払っているらしい。ゲートを抜けて、よいしょよいしょとゆるやかな坂をあがったところにバンが止まっている場所がある。

このバンは、レオンに行くための乗り換え場所ともなるチナンデガまで発車するところだった。空いていた席に座らせてもらい、すぐに出発となる。後方には真っ赤な夕陽が沈んでいく。

出発して間もなく、バンは警察に止められて、全員が一度下車し、その内の荷物をたくさん抱えた女性が、警察に連れて行かれてしまった。女性一人を欠いたバンは再び出発し、時折馬と併走しながら、更にスピードを出して進んでいく。月は薄く、下の部分だけが白く光っている。

ただ行き交う車の光と、道沿いにぽつりぽつりとある商店についた橙色の灯り以外はなく、星がよく見える。バンの中でしゃべる者もおらず、ただ黙っていると、窓の外の木々のはるか向こうで、それでも大変な広範囲にわたり、真っ赤な火が昇り立ち、煙がもくもくとあがっているのが見える。

焼き畑農業であるのか、山火事なのか、チナンデガまでの1時間少しの道のりの間にそういったところが3か所もあった。バンの運転手は速度をまるで弱めることなく、乗客も気にかける様子がなく、ただ前を向いて黙って座っている。

こうしてチナンデガに到着し、ガソリンスタンド脇の道に止まっている乗合バンでレオンに向かうことにする。乗客が集まるまでまだ時間がかかりそうだったので、ガソリンスタンドの奥にあるOn the Runというコンビニエンスストアに入ると、そこは冷房ががんがんと効いていて、コカコーラもファンタの大きなペットボトルもずらりと並んだ明るいコンビニであった。

乗客を獲得した乗合バンは、1時間程の道のりをレオンへと向かう。バスターミナルから、町の中心までは1.5km程あるが、治安も良いので、歩いていくことにする。

子どもたちはGigantonaという大きな女性の人形の横で、太鼓をならしている。子どもたちが寄ってきたり、道を聞けば若い人たちがよってたかって指し示してくれる。

こうして人々の生活が道を歩いているだけで感じ取れる町、レオンにたどり着いた。