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幸せな街 – Granada, Nicaragua

宿をとったAmigosには朝食がついているので、朝は中庭が見えるテーブルで揺り椅子に揺られながら、いただく。運ばれてきた朝食は、ガジョ・ピントと、目玉焼きにトーストとコーヒーであった。

昨日イサベラ・ビュッフェで注文をした豆ご飯、ガジョ・ピントセットが「朝食メニュー」のリストの中に記されていたとおり、どうやらこのガジョ・ピントというのは、定番朝食メニューだったのである。

宿から東の方向にあるニカラグア湖まで歩いていくことにする。

町の中心であるコロン公園に面したカテドラルは、いくつかの部屋に分けられている。正面すぐの部屋は、クリーム色と水色、天井が若草色に彩られ、ある部屋にはキリスト像が十字架にはりつけられ、ある部屋では、ミサが行われており、ある部屋では岩の作りものに像が置かれている。

黄色く彩られた正面の窓の上にはSAN CANUTOと彫られているものの、窓から覗けるその室内は物置部屋と化しており、窓の外を眺めているのは、SAN CANUTOではなく、ニカラグアで尊敬を受けているSor Maria Romeroの絵であった。

カテドラルの横に置かれている大きなクリスマスツリーには、いくつかのプレゼント箱と、携帯電話会社でもあるClaro社の赤いボールが貼り付けられている。

コロン公園からニカラグア湖までのCalle la Calzadaは真っすぐな道のりで、レストランや家々は、紫色や水色、黄色にピンク、オレンジ色に青色とカラフルに塗られている。

道の途中には、Mombachoという葉巻メーカーの店があり、そこでは葉巻を作る工程を見せていた。聞くと、このMombacho社のオーナーは以前グラナダにスペイン語留学をしに来ていたカナダ人が5年半前に開業したメーカーだという。

店舗はいかにも洗練されていて、販売手法も的確だ。店舗には葉巻の種が置かれており、実際に数本そこで栽培ディスプレイが行われている。

ニカラグア産葉巻は、キューバ産のそれと比べて安価で、また最大の葉巻マーケットである米国がキューバ産の葉巻を輸入しないことが有利にはたらいているのだという。

近頃は中国でも販売を開始したらしい。輸送事情の良いコスタリカに一度運び、そこから空輸で8日間で上海に到着するという。

接客をしてくれたSilvioさんは、以前レストランで覚えたという流暢な英語で、葉巻を作る工程を実演スタッフとともに丁寧に語ってくれる。

そこからさらに東へ進みグアダルーペ教会を過ぎ、子どもたちが野球やサッカー、バスケットをしているのを見つつ、更に歩いていくと、やがてニカラグア湖に到着する。

ある少年は、細長い木の棒でアーモンドの木を小突き、アーモンドの実を採っている。
ゴルドバ像はじっと西の方向を向いている。
カップルは湖のほうを向いて、じっと座っている。

ニカラグア湖は中米最大の湖で、海のように大きく、波が押し寄せてくる。波は高く、ざぶりざぶりと柵を越えてくる。うっすらと遠くのほうに向こう岸が見え、右手には島が見える。

ただ、この湖はチョコレート色だ。それでも子どもたちや犬や鳥たちはじゃぶじゃぶと湖に入っていく。子どもたちは鳥に向かって石を投げる。鳥の群れが湖の水面すれすれに小さな点となって光るように連なり、直線を作って左から右へと飛んでいく。

コロン公園へ引き返す頃には、夕暮れが見え始め、グアダルーペ教会では、ミサが行われていた。

道で遊ぶ子どもたちはお菓子などを入れた玉を天井からつるして棒で割るピニャータを手にしている。その赤や黄、緑に白のふさふさとした玉を持ちながら、嬉しそうにわたしたちに近づいてくる。

そして、この街にも、レオンと同じようにGigantonaとel Pepe Cabezon像を被って踊る子どもたちと鼓笛隊が道を練り歩いていた。

最後に、メルセー教会を見に行った18時半、そこで結婚式が始まった。結婚行進曲とともに後方の扉から新婦と父親が入場する。やがて新婦は新郎に引き渡され、更に前方へと進んでいく。

進行に合わせて、参列者も共に十字をきり、神父の言葉を復唱し、アヴェ・マリアなどを歌う。籠をもった男性が参列者を回り、人々はお金をその籠に入れる。

新婦と新郎に大きな真珠の輪がかけられ、参列者は周りの人々と挨拶を交わす。最後には新郎新婦と神父がハグをし、並んで写真撮影も行われる。

約1時間の式が終わると新郎新婦は退場し、既に人々が待っている入口で再度写真撮影をしたら、白馬がひく馬車に乗って、去っていくのである。

参列者のほとんどはカトリック信者として式に参加をしているので、式の進行が、より生活に密着している。そしてこの教会は誰もが入ることのできるオープンな場所であり、式には誰もが参列できるのである。

こうして新郎新婦を見送った後、夕食の買い出しにスーパーマーケットPaliに行く。段ボールにそれぞれ商品が詰められている。今晩は大事をとって、トマトやチーズ、ソーセージやヌードルを買って宿で食べることにする。大事をとるけれど、ドリンクはビクトリア・ビールだ。

同じ宿に泊まっているオランダの女の子二人と、写真家の卵のイスラエルの男の子と話をしながら、のんびり中庭の横で夜ご飯にする。