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ニカラグアからコスタリカへ - Granada / Rivas / Penas Blancas, Nicaragua

宿で今日もガジョ・ピントをいただいてから、コスタリカに向けて出発することにする。昨日の夜はすりすりとその身体を寄せて、ぐっすりと膝のうえで眠っていた猫も、既に起きている。そして、また膝のうえに軽やかに乗る。

果物や野菜、タイヤや金属品などを売っている市場は、朝早くから人々が働いている。

白い鶏と茶色の鶏、それぞれの色に分けられて二つの籠にぎゅうぎゅうと詰め込まれて売られている。

国境行きバスの出るリバスまで、定刻の8時にほぼ満席のバスが出発する。隣に座っていた女性は出発の際に顔の前で小さく十字をきる。

昨日、イスラエル出身のLironくんが言っていた「国境などなくなって、一つの世界にそれぞれ違うカラーの地域ができれば良い」という言葉を反芻する。イスラエルでは、常に次にいつ戦争が起こるのか、という会話が出てきたりするのだという。

そんなイスラエルからLironくんは離れることを決めた。家族は大切だけれど、ぼくは自由なんだ。そしてぼくは地球人だ、と長い睫毛の目を見開いたまま、言った。

バスが到着したリバスにもまたにぎやかな市場がある。

そこから国境のペニャス・ブランカスまでのバスは、より一層混雑をしていて空席はなく、立つ。道路わきには爆竹を売る店舗が並び、その横にネクタイをした人形が置かれていたりする。

茶色の馬が棺をひき、その後に大勢の人が列を成して追っていくのが見える。軍事施設のわきを通り、ずらりと並ぶ風車を眺め、牧場が続いた後、チョコレート色の大きなニカラグア湖が再びその姿をのぞかせる。

1時間ほどで国境に到着し、細いゲートに並んで1ドルのチケットを購入する。
そのゲートをくぐると、明るい音楽が流れる、なにやら公園のような場所があり、そこが入出国管理事務局なのである。

無料であるはずの出国用用紙の束を片手に、それを1枚1ドルで売ろうとする人々がいる。
簡単な用紙に必要事項を記入すれば、ニカラグア出国である。