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漆と食と。 – Kanazawa, Japan











朝は宝仙閣のグループ宿、渡月庵の湯に浴衣姿で浸かりにいく。
チェックアウト後、ほど近い能登食祭市場へと出向く。ここには、七尾湾に水揚げされたばかりの魚介や能登土産が並んでいる。
えびやら蟹やらのどぐろやらカキやらが売られていて、客で賑わっている。











そこからほど近いところに、「語り部処」のある昔ながらの商店街、一本杉通り商店街があるので、ぶらり散歩をする。ちょうど、「花嫁のれん展」が開催されていて、嫁入りの日に花嫁がのれんを持参して、嫁ぎ先の仏間に飾るという「花嫁のれん」があちらこちらの家々に飾られていた。

商店街には、古くからある蝋燭店や醤油店や海産物屋、それに地元の電気屋や制服店などが並んでいる。蝋燭店でも醤油店でも、女将さんが語り部となって、花嫁のれんの話や地域活性化を目的としたティファニー財団賞の伝統文化大賞の話をしてくれる。












お茶の北島屋でかしわ餅を買い求めて、それをほおばりながら、商店街を歩く。

町では、1年に1度の青柏祭が行われていた。千年以上の歴史があるといい、「でか山」と呼ばれる、北前船を模した曳山が町内を巡っている。

そこから輪島市に向かい、朝市を眺めながら、楽しみにしていた能登丼を食べに、漁師の店こだわりに向かう。列ができていたものの、さほど並ばずに、入店する。漁師一家が切り盛りしているといい、漁師の海鮮丼をオーダーする。すずきやめばる、かわはぎの肝和え、えびやたこにぶりなどが分厚く切られ、こんもりとのせられている。














お腹いっぱいにいただいた後、市内の輪島塗の作業場や店舗を覗いていく。その中で、気に入った吉田漆器工房の拭き漆の平皿をいただくことにする。「パン皿にいかがですか」と書かれていて、日々の食事の風景を変えるようで、わくわくする。











それから、また車に乗って、白米の千枚田に向かう。海に向かって、棚田が広がる景色は圧巻だ。田んぼのふちをのんびりと歩く。












そうこうしているうちに、金沢でレンタカーを返却する時間を考えると、なかなか急がなければならないと、いつもの流れになって、でも、能登半島の最先端の丘にある禄剛崎灯台には行こうと車を飛ばす。イギリス人設計者によって明治時代に建てられたという白い灯台が、丘の上に立っている。目の前には、日本海が広がっている。

辺りには色とりどりの花が咲き乱れ、こいのぼりが泳いでいる。

こうして、再び車に乗り込み、暮れゆく空を眺めながら、金沢へと一直線。途中渋滞に巻き込まれながら、2時間半かけて、能登半島を下っていく。












金沢では、お世話になったhotel pacificにお邪魔をすることにする。到着したのは、既に22時頃になっていたものの、あたたかく迎えてもらい、能登のお料理をいただけるというお店、くすの樹をおすすめしていただき、訪ねてみる。

上品なテーブルセッティングで、わさびの新芽、せんなの吟醸和え、合鴨治部煮、底引きしたげんげの唐揚げやさんかく、あわふ、金時草ふ、ごまふの田楽、そして最後に竹の子ご飯。カジキのヅケたっぷり山葵とともに、おすすめをいただいた、池月 みなもにうかぶ月あらばしりを頂戴する。