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グレード5のラフティング – Jinja, Uganda

かつてアフリカを旅した友だちに、ジンジャのラフティングの激しさについてと、そこになにやら激うまのイタリアンがあるということは前から聞いていた。

今日は、ラフティングを楽しみに行く。Nile River Explorers社の提供する「グレード5ラフティング」という冠のついたラフティング。

朝食にはオムレツをチャパティに巻いたロレックス、すいか、大きなパイナップル、こちらによくある小ぶりで皮の薄いバナナが、プラスチック容器に入れられて配られる。

トラックの荷台に乗り込み、それらをかじりながら、ホワイトナイルの源流へと進む。いずれナイル川となる川だ。

茶色い煉瓦造りに藁ぶき屋根やトタン屋根といった家々の前を通る、舗装されていない道をトラックは走っていく。

その茶色い風景の中に、時折airtelと書かれて赤く塗られた家や、MTN Authorised Dealerと書かれた黄色い家が見える。もうおおよその人々が持つ携帯電話の会社たちだ。

40分ほど走ったところで、ラフティングの出発地点に到着する。同乗者5人、ヘルメットをかぶり、ライフジャケットを背負い、パドルの方法や転覆の練習、付き添いのレスキューカヤックのつかまり方を練習した後、こぎ出す。

大きなとかげが川岸に佇み、鷲が木の上にとまっている。辺りにはとうもろこし畑が広がり、ボートの上には、鳥の声がする。古びたボートに乗って、少年二人が波を逆流していく。

いくつか激しくなるところをさわぎながら越えて、流れがゆるやかになるとほっと一息、時折川に入って泳ぎ、時折同乗者たちと話をしながら、進む。

ラフティングを引率してくれたのはジンバブエの男性だった。今までアフリカ各国でラフティングやカヤックのガイドをしてきたという。国をまたいで生きていけば、一国の政治に左右されないから良い。世界中にガイドの友だちがいる。みなつながってるから、そうやって仕事も得られるんだ。ネパールにだって知り合いのガイドがいるんだよ、と言った。

ボートに乗ったスタッフが大きなパイナップルをざくりと切り分け、ビスケットとともに手渡される。

最後のイタンダ・フォールズでは、例にならって転覆した。目の前が真っ白になる。身体が浮かんだら、また大波がやってくる。それぞれごぼごぼとやっている間に、ガイドの男性は、みなが無事でいるかを確認する。

こうして、4時間のラフティングが終わる。船着き場には、バナナやバイク、それに男性たちをのせた、使い古された水色の木製のボートが乗りつける。男性たちはさとうきびをかじり、洋服を頭にすぽっとかけておどけて見せる。

ラフティングを終えて、豆、じゃがいも、いんげん、パスタに肉、パンにサラダ、トマトにペーストを盛っていただく。それに冷えたNile Specialビールが出される。
アルコールがすこし、きつい。

一息ついたところで、再びNile River Explorers社のトラックの荷台に乗り、今日の宿へと向かう。辺りの家には水道も電気もなく、人々は外に出てのんびりとし、子どもたちははしゃぎまわり、わたしたちのトラックを見ると、走ってきて手をふる。

水くみ場には黄色いタンクをもった大人や子どもが集まり、水を汲んでいく。そして、そのタンクを頭の上にのせてゆっくりと歩いていく。

そんな風景に突然ダムが現れたら、ジンジャの町へと入っていく。かつてブジャガリ滝という滝があったところが、今は新しくできたダムによって湖になってしまった、そのほとりにある宿へと走る。

宿の近くには、今でもひょろりと高い木の横に「ブジャガリ滝へようこそ」と書かれたブランコが設けられ、地元の男性が一人、二人とこいでいく。かつて、ここから滝が見えたという。今は、もうその風景は水の中に沈み、湖が広がっている。

こうしてできた大量の電力はケニアに輸出もしているという。地元の人たちは、この風景の移り変わるさまを、仕方のないことと諦めた人も多いと聞く。

日も沈み、湖は徐々に暗くなっていく。宿の周りでは、人々が水くみ場に集まり、女性が風呂敷を広げて野菜を売り、子どもはタイヤを回して遊び、Nile River Explorers社の支援で建設された孤児のためのプレスクールの看板がたてられている。

夕食は、宿のレストランで、激うまと聞いていた牛肉のラザニアを注文する。きゅうりやトマトサラダが添えられている。Nile Specialビールをごくごくといただく。

あわせて激うまと聞いていたカルボナーラは、注文する人が減って昨年メニューから取り下げたのだという。しっかりとした味の美味しいイタリアンだ。それがここでは珍しく、そしてとても貴重だ。

宿のゲートの中と外では、別の世界が広がっている。鳥や得体の知れぬ動物たちの声が辺りに響いていた。