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珊瑚と魚とサウジアラビアと、やっぱりコシャリ。 – Dahab, Egypt

乾いた砂漠にごつごつとした山のなかで幾度かの検問を受け、そのたびにうっすらと目を開けながらダハブのターミナルに着くころには10時半を過ぎていた。

バスターミナルから、ISUZUのピックアップトラックの荷台に乗って風を受けながら、宿のあるアカバ湾に面した通りへと向かう。宿ではマンゴーとオレンジのミックスジュースがウェルカムドリンクとして差し出される。さすがのリゾート地である。

シュノーケリングの道具を手に、宿からほど近いスポット、ライトハウスに向かう。海沿いには、海に向かって洒落たレストランが並んでいる。キャンディーカラーのクッションを並べ、洋風とベドウィンふうをミックスさせている。

透明な海は海底までクリアで、深い青から明るい青までグラデーションをみせている。日焼けした地元の子どもたちが海遊びにいそしんでいる。ふと陸がわに目をやれば、そこはやはり乾いた茶色い岩山が広がっている。

フィンとマスクをつけて浜から潜ると、黄色に青や黒といったカラフルな色の魚がすいすいと泳いでいるのが見える。

海に魚はたくさんいるのに、街の中心から離れると途端に人はぐっと減る。ひっそりとした土産物店の並ぶ通りを歩く。

コシャリをここに来ても食べたくなり、コシャリハウスという名の店に入る。マカロニとパスタにレンズ豆とひよこ豆、焦げた風味のある大ぶりのたまねぎ、それにシナモンがかけられている。この店はご飯は入れないらしい。

そこからさらに静かでただひたすらに太陽の照りつける道を歩くこと、3、40分。いくつかのパラソルが広げられた、珊瑚の広がる水中庭園として知られるアイランドにたどり着く。

薄い水色から濃い青色までグラデーションをみせる海の対岸には、茶けた岩山が連なるサウジアラビアが見えている。浜辺には木のボートが打ち上げられ、布を頭からかぶった女性が子どもを海に入れている。遠くの沖にはダイビング用の舟が浮かんでいる。

それだけだ。

決められた場所からエントリーする。それ以外の場所から入ると、珊瑚を傷つけたり、ウニがどっさりと沈んでいたりするのである。

浅瀬を進むと、急に深くなる箇所がある。珊瑚礁が眼下に広がり、海底のほうまで続いていく。そこに魚がゆうゆうと泳いでいる。光が差し込み、時折ぐっと水温の下がる箇所をぬけながら、泳いでいく。

レッドシーバナーフィッシュ、ゴールデンバタフライフィッシュ、エクスクイジットバタフライフィッシュ、ブルーセイルフィンタング、クルンジンガーズラス、タテジマキンチャクダイ、ニシキヤッコ。

照りつける太陽に暑さを感じても、海から出てくれば肌寒く感じるほどだ。

アイランドから町の中心にある宿まで、てくてくと歩いて戻る。人通りがなく、海沿いのレストランのあちらこちらから客引きの声がかかる。

中心にたどり着けば、やや活気が出てくる。レストランは、イルミネーションを灯し、キャンドルをつけ、海に沿って並び、たいていピザやパスタといった西洋料理を提供している。洒落ている。

ここでは、エジプト料理を見つけるほうが、難しい。

夕食は、Green Valleyというレストランで、魚や野菜のグリルに、サラダやパン、ライス、それにチョコレートケーキと紅茶のセットをオーダーする。久しぶりにビールを飲みたくなったので、合わせてStellaビールを注文する。久しぶりのお酒は、ぐっとくる。

レストランの雰囲気もよくて混雑してもおかしくないはずだが、私たちの他は、頭からすっぽりと黒い布アバヤをかぶり目だけを出した女性と、白いムスリム帽をかぶった男性の一家族だけだ。

海面は岸に並ぶレストランの灯りを映し、海中には魚がひらひらと泳いでいる。