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インカ帝国の首都、クスコ歩き。 – Cuzco, Peru

ペルーの農業物産フェアがサン・フランシスコ広場で開かれていた。キヌアという、アンデス地方原産の穀物を温かく甘いドリンクにして、シナモンをふったものを買って飲む。ティティカカ湖周辺でとれたコーヒーも横に置かれており、少しいただくことにする。

そこから朝食を食べに中央市場へと向かう。サンタ・クララ教会とサン・ペドロ教会の間に位置する市場には、100%ジューススタンドも豚の頭もあれば、パンもチーズも野菜も果物も漢方ドリンクスタンドも土産物屋もある。

数ある食堂の中で、客が2列になって朝から山盛りのライスに目玉焼きやフライドポテトに肉をのせてがつがつと食べている食堂を選び、席につく。

そして、Salchipapasをオーダーする。炒めたソーセージとフライドポテトに、ケチャップとマスタード、そしてマヨネーズをぐるぐるとかけたジャンクフードの王道である。

市場の外で、このあたりでよく売られている平たなパンを買い、それをかじりながら、メルセー教会やカテドラルを訪ねるものの、教会が開いている時間は限られており、開いている時間に再度行くことにして、散歩をしながら昼食をとりにいく。

急な坂をあがりながら、Quintas Eulaliaというレストランに向かう。ここは、1941年創業の老舗レストランで、 外から見るとレストランだと分からないが、中に入ると地元の人たちが食事をしている。

ペルーでもよく食べられているモルモットのフライをいただくことにして、クイ・チャクタードを注文をする。昼夜の気温差の激しいクスコの昼はぽかぽかと暖かい。クスコに大きな工場を持つクスケーニャビールを合わせてオーダーすることにする。

今回のモルモットは、前回と違って頭がついている。モルモットの優しい顔が凶暴な顔へと変わり、尖った歯がむき出しになり、細いひげはそのままに頬につき、小さな耳が二つついている。フライをされたモルモットの身体にわずかに毛が残っている。皮はやはりもっちりとしていて、肉は柔らかく、あばら骨は細く、小さな内臓は固い。

そんなモルモットのフライが、さほど辛くない唐辛子にひき肉やグリーンピース、人参を詰めたロコト・レジェーノやじゃがいもと共に、皿にのっている。

食後は近くの売店でナッツのついたチョコバニラアイス、Dolcettoを買ってほおばりながら、さらに坂や階段をあがったところにあるサン・クリストバル教会へと向かう。

クスコでは、民族衣装を着た女性や子どもが観光客用アルパカやリャマを抱えて日本語で「シャシン、トッテ」と声をかけてくることが多々ある。仕事である。

ここにもそんな人たちがいた。11歳の男の子が「アミーゴ(友だち)」と繰り返しながら、リャマの頭をくるくるとなで、写真を撮らないか、という。月曜日から金曜日までは学校に行き、土曜日はこうして働いているのだという。

サン・クリストバル教会のある丘の上からは、連なる丘に囲まれた茶色の屋根と白い壁のクスコの町を見渡すことができる。アルマス広場はすぐ眼の前にある。

サン・ブラス教会もまた閉まっていたので、また明日訪ねることにして、アトゥンルミヨク通り沿いの「12角の石」やその近くの「14角の石」を見に行くことにする。インカの礎石の中では、こうした角の多い石もまたぴったりと隙間なく隣の石と接している。

明日のプーノまでのバスチケットを購入しに、バスターミナルへと1時間ほど歩く。無事にチケットを買い求め、タクシーで町の中心へと戻るころには各教会が扉を開ける時間になっていた。

メルセー教会、サン・フランシスコ教会、サン・ペドロ教会、訪ねる全ての教会で結婚式が行われていた。誰もが入れる教会で、それでもまとまりのある式が進行していき、式が終わると、車体に花をつけた車が迎えにくる。

明日の食事を市場で買うついでにチョクロ・コン・ケソという、茹でたチョクロ(とうもろこし)にチーズの塊をつけたものを買い求め、つまみながら、サント・ドミンゴ教会に向かう。

ここでも結婚式が行われていた。列席者は、時に両手をかざし、時に祈りをささげ、時に周りの人たちと握手をしあって祝福する。小さな子どもは教会の椅子の下のスペースで自由にぐるぐると遊んでいる。

新郎新婦は、神父の前に揃って着席をしている。そして、時にろうそくを手にし、時に列席者の前でマイクを片手に挨拶をし、スピーチの最後にふふふと笑ってみせた。

米粒がピンクのリボンのかかった袋に入れられて渡され、ライスシャワーとなる。作り物の馬を先頭にのせて馬車風にみたてたものに新郎新婦が乗り、駆け抜けていく。

再び街を歩く。古い神学校兼修道院を改装したモナステリオ・デル・クスコも、17世紀の建物を改装したノボテルホテルも、歴史ある建物をうまく活用したモダンなつくりになっていて、良い。

夕食は宿の近くまで戻り、レストランEl Mordisc’oに入る。牛肉にパスタの入ったスープ、牛肉の煮込みにフライドポテト、目玉焼きにライス、そしてデザートには紫とうもろこしのMazamorraで、ドリンクはチチャ・モラダにする。

はく息が白い。コカ茶で身体を温めようにも、夜はやはり芯から冷え込む。アルマス広場では今日も若者たちがフォルクローレの踊りの練習をしている。そして道端では絵を描く人がいて、人々が集まっている。