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クスコからプーノへの道。 – Cuzco / Puno, Peru

朝早く、犬が町のあちらこちらにいる。サンタ・テレサ教会から鐘ががらんごろんと大きな音で鳴り響く。道を歩く人は少ないものの、カテドラルの前だけは多くの人が出入りをし、幾人かの物乞いの人々が入り口付近に座り、幾人かの人々がお金を渡していく。

そのカテドラルではミサが行われていた。ポトシの銀300トンを使ったという銀の祭壇に向かって祈りをささげる人もいれば、地震の神として崇拝されている褐色のキリスト像に祈りをささげる人もいれば、告解室を待つ人もいる。煙のたつ缶をふりながら、神父が祭壇へと入っていく。

祭壇の裏に掛けられた、メスティソの画家マルコス・サパタの描く「最後の晩餐」の宗教画のテーブルには、クスコ名物のクイ(モルモット)が置かれている。

カテドラルを出て、人のまだ少ない12角の石のあるアトゥンルミヨク通りやクエスタ・サン・ブラス通りの坂道をあがり、サン・ブラス教会へと向かう。精緻な細工の施された金の祭壇や、一本の木をくり抜いて造られたという木彫りの説教壇に囲まれて、ここでもミサが行われていた。

そこからアルマス広場を通り、宿へと戻る途中、サンタ・テレサ教会もまた扉が開いていたので、入ってみることにする。カテドラルやサン・ブラス教会と比べてこじんまりとして、訪ねる人も少ないものの、ここでもまたミサが行われている。

宿から荷物をとり、タクシーに乗ってバスターミナルへと向かう。10分ほどでターミナルへ着き、Nuevo Continente社でのカウンターで手続きを済ませ、ターミナル使用料を支払って、バスへと乗り込む。

市場で買っておいた大きなパンをよいしょと取り出す。直径50cmほどもあるパンはずっしりと重く、表面にはあひるが描かれている。あひるの目にはレーズンが使われた、ほんのりと甘いそのパンを少しずつほおばり、合わせてペルー産だという林檎をかじる。

長いこと町が続いていき、その後ようやく緑の畑の向こうに山がみえるといった景色に変わっていく。牛がのんびりとして、とうもろこし畑が広がっている。湿地帯では山々が水に映ってみえる。時にクスコ、プーノ間を結ぶ豪華鉄道の線路に沿って進む。

ところどころの家に、ペルーの第91代大統領アルベルト・フジモリの長女で、2011年ぺルー大統領選挙に出馬をした藤森 恵子さんをうたう、「PRESIDENTE Keiko」の文字が描かれている。対して、現大統領のOllanta Humala氏の「Ollanta 2011」の文字も描かれている家がある。

やがて、ゆるやかな山の向こうに、雪をかぶった険しい岩山が迫ってくる。時計の高度は4000mを越え、徐々に頭が重くなり、息がやや苦しくなってくる。

11時50分ほど、クスコからプーノへ向かう道の最高地点である標高4335mのラ・ラヤ峠の看板が見えてくる。雪山がそびるものの、辺りには水たまりもあり、滝も流れ、さほど寒くはない。いくつかの露店も広げられている。

石垣だけを残した土台が草むらの上に点在している。両わきを緑の山々、その向こうに雪山が連なりながら、バスはそれでもほとんど平らな道を静かに進んでいく。川沿いに民族衣装を着た女性も歩いている。線路を横断し、バスは走り続ける。

12時10分ころには家々の立ち並ぶ村、サンタ・ロサを通過する。アルパカや馬や羊が歩き、それを追う人々がいる。

黄色い花が辺りに咲き始め、川に向かって十字架がたてられたお墓があちらこちらに見られる。川にかけられた線路には、人々が座り、のんびりとしている。

そのうちに徐々に町らしくなり、バスは Juliacaに到着する。トヨタや三菱自動車、ボルボやヒュンダイ、コカコーラ社の店もある街を通り過ぎ、やがて大きなティティカカ湖が見えてくる。

湖に沿うように家々が立ち並んでいるのを眺めながら、バスは徐々に町へと入っていき、15時過ぎにはプーノのターミナルへと到着する。

そこからトゥクトゥクに乗って、ロス・インカス通りの宿、Embajadorに部屋をとる。近くでは日用雑貨を売る日曜市が開かれている一方、巨大スーパーPlaza Veaも営業をしている。

ピノ広場にあるサン・ファン・バティスタ教会を眺めながら、プーノのメイン通りであるリマ通りを通り、カテドラルのあるアルマス広場へと抜ける。カテドラル前には多くの人が座っているものの、教会の中はほとんど人がいない。片隅で歌の練習をしているグループがいる。

明日からティティカカ湖を回るために、数軒の旅行会社を回る。湖に浮かぶウロス島という島に宿泊し、その後にタキーレ島に行こうとするとパブリックのボートはなかなかにスケジュールが合わなかったため、旅行会社の手配するボートに便乗することにする。

カテドラルから湖の桟橋まで、ティティカカ通りを歩いていく。

道の途中にある大きなスポーツセンターの建物の中で、空手の試合が行われていた。若い男性たちが手にグローブをはめて、空手衣を着て、試合に臨む。それを心配そうに親が眺めている。中にはみつあみをして山高帽を被った人や民族衣装を着た人もいる。

ティティカカ湖には舟もあひるのボートも浮かんでいて、冷たい風の吹く中ダンスを踊る人々もいる。

桟橋近くの、ウロス島出身の一家が切り盛りするUros Travel社に手配をお願いすることにし、再びトゥクトゥクに乗って、町の中心まで夕食をとりにいくことにする。

昼は暖かったものの、夜になると途端に冷え込む。 レストラン、Los Urosに入り、パスタの入ったスープ、ティティカカ湖で捕れたマスのフライ、ライスにフライドポテト、トマトのスライス、そしてカモミールティーのセットをオーダーする。マスは身がしっかりとしていて、魚そのものの味が旨い。温かなカモミールティーのカップを手で包んで暖をとる。

夜にはいよいよ雷がなり、冷たい雨が降り始めた。