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Cancheおばあちゃんの、優しい手。- Antigua, Guatemala

アンティグアにはスペイン語学校がたくさんあって、他の町よりも治安が良いと一般的には言われている。歴史地区が世界遺産に指定されていて、政府、市、観光局も治安改善に力を入れているのである。あちらこちらで警察官が銃をもって立っていたりする。

そして、おしゃれなカフェが多い。

こうして、わたしたちはアンティグアの老舗カフェであるドーニャ・ルイサで、たっぷりとチーズがのせられたじゃがいもとかりっと焼かれたベーコンとトーストをグアテマラコーヒーといただきながら、ゆっくりと時間を過ごす。

中庭がオープンカフェになっており、入口の掲示板にはスペイン語レッスンについてや旅情報などが掲載されている。途中、カリフォルニア在住のメキシコ人だという男性に日本語で話しかけられる。

このカフェは、香ばしいかおりのするパン屋とケーキ屋も併設しており、バナナのパウンドケーキを買う。

外に出ると、すっかり日が暮れていて、Las posadas de mi barrioと題された、クリスマス前9日間に行われる行事が中央公園で行われていた。宿を探すマリアとヨセフ像を乗せた神輿を子どもたちが担ぎ、ろうそくのともった灯りを手に行進していく。家を一軒一軒回るのだという。子どもたちはマラカスをならしたり、亀の甲羅でできた打楽器をたたきながら、進んでいく。

公園中央の噴水にもサンタの格好をした人々が、写真撮影に応じている。

時計台をくぐってから、メルセー教会に向かう。そこでも灯りをもつ人々が列を成し、クリスマス用の装いをしている人々がいる。教会の中ではライブが行われ、ジングルベルなどを演奏している。いよいよクリスマスが近づいていることを感じるのである。

今日も夕ご飯をLa Cancheでいただくことにする。今日も昨日と同じ3人が店にいる。店にはメニューはなく、その日にある料理から選ぶ。今日はひき肉と野菜の煮込み料理があるということで、それをお願いする。昨日と同じようにアボガドに塩をかけ、チーズとパンといただく。

昨日会ったフランス人カップルも昨日と同じく入店してくる。

Cancheおばあちゃんが、途中フルーツポンチを食べますか、とグラスに入れて差し出してくれた。それは甘い甘いフルーツポンチだった。

店内ではクリスマスの飾りつけが行われていた。街中かクリスマスに向けて大忙しなのである。

店を出ようとすると、おばあちゃんは、ずんずんとレストランの前にある食料品店のほうへと歩いて行き、お菓子だといって、ホワイトチョコとお菓子を二つ袋に入れて、手渡してくれた。

最後に握手を求められ、昨日同様、握手をする。ずうっとキッチンに立っている女性の手とは思えない、すべすべとした、柔らかくて、小さくて、優しい手だった。

一期一会

今自分が属している集団の居心地が悪いとき、
自分には別の場所があると考えて、
今の自分の周囲の人達をないがしろにしてしまうことが、たまにある。

最初、あまり良い印象ではない人でも、話していると、
とても良い人であることが、たまに、ある。

最初居心地が悪い場所でも、受け入れてみると、
良い場所であるということが分かる時がある。

旅をしていると、どうしても、たくさんの人に会ってすぐに、
お別れをしなければならない。

もし今、自分の周囲にいる人が、あまり気の合わない人でも、
それがいい出会いになると、僕は思う。