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ピラミッドとスフィンクスのまわりのエジプト – Cairo, Egypt

今朝は、店先で回転する鳥肉を削いで人参やトマト、ピーマンと合わせたものをアエーシにはさんだシュワルマをほおばった後、ピラミッドとスフィンクスを見るためにギザに向かう。

路上で売られる新聞のトップには、デモの写真がでかでかと載せられている。
それでも、ここカイロは、エチオピアなどに比べると物乞いの数はぐっと少ない。

最寄りのNasser駅から地下鉄に乗り、Sadat駅で乗り換え、Giza駅まで約20分ほど。そこからバスに揺られること約20分、手前に大きなピラミッドがどんと見えてくる。

壁にはでかでかとWELCOME TO EGYPTとスプレーで落書きがされている。
そして、大統領選挙のポスターがあちらこちらに貼られている。

てくてくと歩いていくと、クフ王のピラミッドの後ろにカフラー王のピラミッドが徐々に見えてくる。

1869年創業で第4次中東戦争の停戦が合意された舞台ともなったホテル、メナ・ハウス・オベロイに立ち寄りながら、入口へと進む。

入口に入ると、クフ王のピラミッドがそびえ立っている。一つの石が自分の背丈ほどあるものだから、ぐっと顔を上に向けて全体を眺める。

ピラミッド周辺にいるラクダ引きは「極悪」だと有名だ。しつこく声をかけてきて、だますことも多々あるという。昨日も、宿に宿泊していた男の子がラクダ引きに財布からお金を盗られたと言った。

やはり、あちらこちらからラクダ引きが声をかけてきた。

彼らは一様にエジプトの混乱で観光客が激減していることで打撃を受けていた。

ある男性は言った。
観光客が減っている。それで、家族を養うために、2頭のらくだのうちの1頭を手放したくらいだよ。ラクダを飼うのにもお金がかかるからね。エジプトが安全だということをお友だちに伝えてほしいんだ。それでまた観光客が増えてくれるとうれしいよ。

ラクダ業を営む人もそれぞれさまざまな事情を抱えている。

クフ王のピラミッドは、本来高さが146mあったというが、今は頂上の部分がなくなり、137m。てっぺんには、その部分に、鉄の棒がにょきりと空を向いている。平均2.5トンの石を約230万個積み上げて造られたというから、迫力がある。

カフラー王のピラミッドには表面を覆っていた化粧岩が今も残っている。その後ろにメンカウラー王のピラミッドを見る。これらは、紀元前の2550年ころに造られている。

クフ王のわきにある女王のピラミッドのうち、メリテレスのピラミッドに入ってみることにする。小さな入口から、後ろ向きに階段を下っていく。しばらく下ると、そこにぽかりとあいた玄室にたどり着く。中はほんの少し涼しくて、湿気がある。

最後に、人面獣身のスフィンクスを眺める。鼻はアラブ人の侵入後に削られ、髭はイギリス人に取られたというそのスフィンクスも、手を前に突き出し、しっぽをくるりと巻いている。

スフィンクスの前にあるKFCの2階と3階にあるピザ・ハット店で、3つのピラミッドにスフィンクスを眺めながら、セブンアップをごくりと飲み干す。太陽が窓からさんさんと店内を照りつけている。

バスと地下鉄を乗り継ぎ、Attaba駅からイスラーム地区へと向かう。夜遅くまでクラクションが鳴り響き、店は開いている。

人々や車の活気であふれる中、コシャリ屋に入って、コシャリを食べる。ぽつりぽつりと客が来れば店のおじさんが対応するといった具合で、外の喧騒におかまいなく、店内はひっそりとしている。

帰り道、Attaba駅に向かう際に道を聞いた男性は、地下鉄の駅までわたしたちを送ってくれ、切符を買って手渡してくれた。

6月16日、17日に大統領の決選投票が行われる。7000年の歴史で初めての民主主義が始まってるんです、と彼は言った。

スーダンに入ってお酒が売られていない状況になってから、ビールを飲みたいという気分になぜかならない。欲しているのは、いつもジューススタンドだ。今夜はメロンミルク。まるでキャンディーカラーのお菓子のような甘さだ。