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イスタンブールのてくてく散歩 – Istanbul, Turkey

空港から宿の辺りには日本語を話せる人が多い。宿でパンをほおばり、紅茶をすする。

トルコのピザ、ピデの有名店Nizam Pide Salonuで、ひき肉とチーズのクイマル・ピデに、羊肉のサイコロステーキののったクシュバシュル・ピデをオーダーする。舟形をした生地は外はかりっと、中はもっちりとしていて、旨みのある肉とチーズがよく合う。

繁華街のイスティクラール通りをガラタ橋のほうへと歩いていく。道なりにトラムが走っていて、時折赤い列車がとことこ走っていく。

パソコンの調子がすぐれないので、イスタンブールのパソコンの神様を探しに電気屋に向かう。デミリョレン・イスティクラールというショッピングセンターの中にSaturnという大型家電量販店がある。ここは日本の大型店にもひけをとらないほどのつくりで、新しいビルに最新電気機器がずらりと並ぶ。そこにパソコンの神様を発見した。

イスタンブールは海に囲まれているということもあり魚市場がある。魚が店頭に並べられた市場のそばに、魚を出す洒落たレストラン街、チチェッキ・パサジュもある。オープンテラスの席で客は外でEfesビールのジョッキをあけている。

石畳の道を歩き、灯台や監視塔、牢獄、天文台などとして使われていたといわれるガラタ塔を眺めながら坂を下っていく。古本屋やジューススタンド、老舗のトルコ風呂などもあり、アウトドアスポーツ店にはずらりと銃が並んでいる。

古本屋の店主は寡黙に佇み、アウトドアスポーツ店の店員は明るく銃購入の手続きについて説明をする。店先で人々はバックギャモンにいそしんでいる。

ガラタ橋からほど近い場所に、パイのハチミツ漬けバクラワの有名店、ギュッリュオウルがある。店内はスイーツを楽しむ客でいっぱいだ。シンプルなバクラワをオーダーすると、おまけにどうぞとチョコレートのものものせてもらう。パイ生地にはちみつが浸みこみ、さくっとしたパイの食感がしっとりとして美味しい。

金角湾に出ると、アジアとヨーロッパがぶつかるところといわれるイスタンブールらしい、開放的で明るい青の波間に大型船が何隻も通り過ぎるのがふいに目に入る。向こう岸には白やクリーム色の建物が立ち並び、その間にジャーミィーのミナレットがしゅっとたっている。とにもかくにも大きくて気持ちの良い空間だ。

ガラタ橋には釣竿をひょいと垂らす人たちで溢れている。実際に人々はたくさんの魚を釣り上げ、わきに置かれた小さな桶は魚で満たされている。

橋を渡りきったところに、サバサンドを売る屋形船がある。サバを焼いたのをエキメッキと言われるバケットにはさんだものだ。揺れに揺れる屋形船に男性数名が乗り込み、鉄板の上にサバをぎっしりと並べて、そばにあるレタスや生たまねぎをぽいとはさんで、陸にいるスタッフに渡す。こぼしたものがあれば、ささっと海に捨てて行く。

レモン汁と塩が添えられ、好みでふりかけ大口開けてばくりとほおばる。シンプルなサバの味がなんとも懐かしい。このサバサンド、地元の人にも人気のようで家族連れで両手に抱えて買っていく人たちがいる。そこに子どもたちがお手拭きなどを売り歩き、客を冷やかしていく。

そばには、1598年に建造が始められたというイェニ・ジャーミィがある。モスクは丈の短いパンツではいる女性もいるほど、開放的だ。

旧市街のほうへと入っていく。カフェやレストランの前で人々が陽気に食事をしている。フライパンにたっぷりと盛ったピラフを食べる男性たち、スタンドでとうもろこしや栗を焼いて売る人たち。20時半になろうとしているのに、日が長くてまだ外が明るい。

20時半ころに日が沈み、ようやく街は暗くなり始める。それでも人は街を歩き、モスクにも落ち着いたイルミネーションが、サバサンド屋形船にもきらんきらんの派手なイルミネーションが、灯される。

橋を渡り、新市街へと戻る。メイン通りから一本小道に入ると、人気もなくひっそりとしていてごみが静かに散らかっている。それもメイン通りのイスティクラール通りに戻れば、途端に活気を取り戻す。びよりと伸びるアイスクリームや栗、朝からの売れ残りのリングパン、スィミットを売る人々、音楽を奏でる若者、白化粧を施しぴたりと動かない大道芸人、腕を組み歩くカップルたちで昼間と変わらぬ人通りだ。

ビスケットを商店で買い求め、宿に戻る。テレビではEURO2012スペイン対ポルトガル戦が盛り上がっていた。