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洗練されたベイルート – Beirut, Lebanon

ヨルダンのアンマンからレバノンのベイルートまではミドル・イースト航空でわずか1時間ばかりだ。茶けた大地を飛び立つとすぐに機内食が出る。チーズに、きゅうり、トマト、オリーブやハムをはさんだサンドイッチ、それにオレンジジュースとクッキーがついている。洋服を着た客室乗務員が手際よく運んでいく。

そのうちに、海沿いに高層ビルの立ち並ぶ街が見えてきた。ベイルートは思っていたよりもずっとビルが多い。

無事に着陸を果たすと、機内で拍手がおこる。

ラフィク・ハリーリ国際空港は明るかった。緊張の、入国審査に入る。

昨日、イスラエルの入国時にパスポートに貼られた荷物検査のシールをはがしておいた。このシールの跡がついているだけでも入国を拒否される場合があるという。シールはがしがうまくいったかが気にかかる。でも、飛行機の上で書いておいた入国カードを差し出すと、何も聞かれずにぱらぱらとパスポートをめくって、ぽんとスタンプを押してくれた。安堵。

荷物をピックアップして、スムーズに空港の外へ出る。税関も職員はおらず素通りだ。

海沿いのベイルートは、湿度が高かった。てくてくとバスターミナルのあると思われる方向へ歩いていると、バンが通りがかり、宿の近くのチャールズ・ヘロウまで行くという。運が良いとばかりにそれに乗り込み、中心地へと向かう。途中、写真撮影を控えるようにというセキュリティ・エリアがあり、それを抜けると、ライトアップされたムハンマド・アミーン・モスクのそばを通り、目的地に到着する。

ここでも道を歩いていると「Welcome to Lebanon」と声がかかる。ヨルダンがレバノンに切り替わったのである。

宿の近くのジェマイゼ通りには洗練されたバーやカフェ、それに家具屋にインテリアショップが立ち並び、若者たちが洒落た音楽の中で食事を楽しんでいる。

そのわきを大勢の警察官が通っていく。洗練された街の中でふいに警察が現れる。17時から夜中の1時まで開いているという商店に入り、almazaビールを購入してぐびぐびする。ぐびぐびする横に、警察官がどどどと入店してきて、甘いものやら飲み物やらを買っていく。

宿のおじさんが言うには、レバノンという国は周辺のイスラム諸国に比べて自由な国らしい。マリファナを吸っていて警察に見つかっても、そっとお金を差し出せば問題ないよ。マリファナの販売は問題だけど、吸うのは大丈夫だよ。ぼくは一度も吸ったことないけどね、と言う。

今夜泊まる宿は、室内はいっぱいだけど、屋上なら空いているよ、ということで、今日は海辺の夜景を眺めながら、屋上にベッドを敷き、眠りにつく。

ヨルダン-レバノン国境情報

飛行機でヨルダンのアンマンから、レバノンのベイルートへ行くルートです。

<ヨルダン側>
1.旧市街から、ムジャンマ・シャマーリーのバスステーションまでタクシー(JOD 2.00)
2.ムジャンマ・シャマーリーから、空港までのバスが1時間に1本、毎正時に出ている。(JOD 3.00)
3.空港は、ターミナル1・2に分かれているので、確認して入る。
4.パスポートを提出して、出国手続。

<レバノン側>
5.機内で配られた入国カードをパスポートと一緒に提出。特に質問は無し。※
6.空港から、直接出るバスはないらしい。
  空港を出てまっすぐ行くと駐車場に出る。右に行くと駐車場の出口があり、
  駐車場出口から道路を左に進むと、大きな道路とぶつかるので、その辺りで
  チャールズ・ヘロウ方面へ行くミニバスに乗れる。
  (LBP 2,000-)

※イスラエルの入国・出国スタンプがパスポートに押されていると、レバノンに入国できないらしいですが、さらにパスポートにイスラエルの入国時に貼られたシールが貼ってあるor貼った跡があると、入国できないそうです。(イスラエル入国時に荷物を預ける際、シールがパスポートに貼られます。パスポートカバーをしているとカバーに貼られるので問題はないようです。)
私たちは、パスポートにシールが貼られていたので、
①シールをはがし、②シールの跡を湿らせたティッシュで拭き、③乾いたティッシュでも拭き、なんとかシールの跡を消しました。

◎両替
 空港に両替所があります。
 JOD 1.00 = LBP 2,000 で両替できます。(ベイルート市内でも同じでした。)

ヨルダンからレバノンへ。 – Amman, Jordan

シリアの人は良い人だ、と何度も聞いてきて、行きたい気持ちはいっぱいだけれど、どうにも最近のようすでは入ることが叶わない。そこで、ここヨルダンのアンマンから、レバノンのベイルート経由でトルコのイスタンブールに飛行機で飛ぶことにする。ちょうどベイルートで一泊できるチケットを見つけたので、レバノンに一晩おじゃますることにする。

フライトは夜の7時なので、朝はのんびりと起きて、今日も宿で紅茶にゆで卵、それにチーズとパンと苺ジャムのセットをいただく。

宿から、ローマ劇場まで歩いていく。色のついた砂を瓶に入れて器用に模様をつける店、カフィーヤや女性の民族衣装、硬貨の骨董品、水たばこなどがぎっしりと並べられて売られている。

大きくも訪ねる人のほとんどないローマ劇場から、191年に建てられたという噴水ニンファエウム、そのそばの食料品市場を抜ける。道沿いに数多くの両替商が並んでいる。メッカの絵を入口に貼る店もある。

宿の近くのもう1軒のイラク料理のレストラン、Al Azaiemに入る。ここはヨルダンに来て10年というイラク人男性が営んでいる。トマトとピーマン、茄子のトマト煮込みと豆の煮込み、それに香ばしいご飯3種類、レモンの添えられたサラダにどっさりと置かれたパン。どうにもトマト煮込みがとても旨みがあるのだ。

支度ができたので、クイーン・アリア国際空港に向かう。タクシーをつかまえて、ムジャンマ・シャマーリー・ターミナルへ、そこからバスに乗り換えて1時間ほどのところに空港はある。

空港にも、すっぽりと身体を布でおおったイスラム教の女性は多い。標識に、カフェや銀行などと並んで、モスクの方向まで矢印で書かれている。

ターミナルに入ると、まずは大きな荷物と手荷物のチェックがある。女性は別通路があり、ひっそりと座る担当女性に軽く身体を触られて確認をする。その後、イミグレーションに進む。名前と行き先を確認されただけで、無事に出国スタンプが押される。

ターミナル自体がそれほど大きな建物ではなく、すいすいと移動すればあっという間にゲートまでたどり着く。ピザ・ハットやKFCもあり、ライトもきちんとついていて明るい感じはするものの、高級ブランドが勢ぞろいというわけではない。

搭乗ゲート前にもう一度手荷物確認のゲートがある。ここでも女性専用通路がある。顔を黒い布で覆っている女性も、ここではそれをそろりとはがし、担当女性に顔を見せてパスポートと照合される。