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太平洋側からカリブ海側へ。 - Panama City / Potobelo , Panama

パナマのカリブ海側にある小さな港ポルトベーロから、9日にコロンビアのカルタヘナへのボートが出る。今日は、太平洋側のパナマシティから、そのポルトベーロまでバスで向かうことにする。

太平洋側からカリブ海側へ。
とはいえ二つの町の間は約100km程。2、3時間もあれば着くので、朝はパナマシティの旧市街、カスコ・ビエホをのんびり散歩することにする。

1749年に建てられた後1781年の大火災で損なわれたAntiguo Convento de la Compania de Jesus遺跡や1678年に建てられたAntiguo Convento de Santo Domingo遺跡を通りながら、フランス広場へ向かう。

建物のあちらこちらに、CC3という黒文字に赤い斜線が引かれた旗がかけられている。「NO A LA CINTA COSTERA 3」と書かれ、パナマ市中心部の海岸沿い幹線道路であるシンタ・コステラの延伸計画に異議を申し立てている。

フランス広場は、パナマ湾に突き出していて、前方には新市街の高層ビル群、後方にはパナマ運河の河口にかかるラス・アメリカス橋や南に点在する3つの島を結ぶ防波堤、コースウェイを望む。

パナマ運河を最初に手掛けたフランス人レセップス像の頭上を飛行機が飛んでいく。
海には何隻もの船が浮かんでいる。
新市街は高いビルが立ち並び、 ぐねりと螺旋を描くビルがその姿を見せている。
海は薄い水色と土色が混じり合っている。

1905年から07年に建設された、薄い桃色と黄色の国立劇場、その正面にあるサン・フランシスコ教会の間を通り抜け、人々が外で食事をしているボリーバル広場へと出る。
子どもたちは細い路地で、プラスチックの棒をもちながら、野球をして駆け回っている。

この辺りは観光客も多く、Kyoto Sushi and Martini Barと名付けられたバーや、モヒートも置くVieja Havana、小さくも洗練されたカフェなどが点在している。

Super Gourmetと名付けられたカフェでバルボアビールを飲む。店内は冷房が効いており、Wi-Fiがとんでいる。黒板に書かれたメニューにはスペイン語はなく、英語で表記されている。ビール瓶にそえられて出てきたグラスは、適切に冷やされている。

一度宿に戻り荷物を背負った後、5月5日広場まで歩き、ターミナル行きバスに乗ることにする。広場までのセントラル大通りは相変わらず多くの人で賑わい、鳩は地面に散らばったポテトフライをつついている。鮮やかな衣装を着たクナ族の女性たちは、一般的な洋服を着た男性や子どもたちを連れて歩いている。

パナマシティからポルトベーロまでは途中のサバニータスで乗り換えをして向かう。パナマシティからサバニータスまでは急行バスで約1時間。満席だったので、通路に簡易の椅子を置いてもらって、そこに座る。曲がると、椅子があちらこちらへと傾くも、冷房が備え付けられ、テレビではアクションドラマが流れている。

サバニータスにあるスーパーReyの前に、ポルトベーロ行きのバスがやってくる。地元の人たちで溢れるバスは、他のパナマバスに違わず車体は派手に彩られ、入口も蛍光ピンクのキルティング加工に、白い羽がふわふわとついている。そのファンキーっぷりに反して、運転手はうっすらと髭のはえた、ごついおじさんである。

車内は満席で最初は立っていたものの、人々は子どもを連れた母親や、荷物の多い人に席を譲り合っている。わたしたちも、どうぞ座りなさいと指をさされる。

窓の外には深く生い茂る木々の間に家が点々としている。家々の屋根の上には、まるでお決まりかのようにClaro社の、丸く赤いテレビアンテナがつけられていて、町中に赤い丸を描いている。

こうして約1時間程でポルトベーロに到着し、ボートの手配もお願いしているCaptain Jackの宿へと向かう。オーナーであるキャプテン・ジャックは、ニュージャージーの出身で、以前は化学製品の貿易に携わり、日本の日商岩井などとよく取引をしていたのだという。シンガポール駐在などを経た数年前の定年退職後、ボートを購入して世界を廻り、気に入ったこの地で宿を開くことにしたのだという。

パナマ、コロンビアに宿を持ち、そして今、パナマとコロンビアの国境近くに新たな宿を建設中なのだという。パナマとコロンビアの国境沿いといえば、地元の人でも危険だという地域だが、キャプテン・ジャックは、その地域は今はもう危ない場所ではなく、かえって未開の、野生の動物などがいる素晴らしい場所だと言った。

そして、コロンビアは世界で一番好きな国だと付け加えた。

夜ご飯を食べに、小さなポルトベーロの町を歩く。公園では人々が太鼓をたたきながら、踊り、停車している車のスピーカーからはこちらの身体が痺れるほどの大音量で音楽が流れている。

近くにFonda Idaと、隣にもう1店舗レストランがある。この2店舗が、やる気があるのかないのか、互いのレストランを積極的に紹介し合う。結局Fonda Idaで、牛肉の煮込みと、ライス、サラダにレンズ豆と甘いバナナフライのセットを注文し、バルボアビールと合わせる。

店の外で食べていると、目の前に大きな花火が打ちあがった。