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あぶない、のバス – Cartagena, Colombia

今朝もオールブランとミルクをテラスで食べて出かける。

元サンフランシスコ修道院で現在はRafael Nunez大学となっている敷地を訪ね、その後近くのTercera Orden教会に入る。青く塗られた壁、金色の模様の真ん中にイエス・キリストがはりつけになっている。

地元の人々が祈りを捧げているものの、オープンに開け放たれた教会がいくつも町に存在していたメキシコなどとは違って、カルタヘナ旧市街の歴史ある教会の多くが、観光客に向けたオーディオツアーなどを設けていて一般にオープンになっていない。

今日はすっかりと暑い。

コロンビアではジューススタンドが路上に数多く並んでいる。

時計台近くに、レモネードを透明のケースにたっぷりと入れて売っているおじちゃんがいる。スタンド下には果物が山積みになっていて、レモネードのケースには大きな氷の塊が浮かんでいる。おじちゃんは銀の柄杓でそれをガラリとかき混ぜ、コップいっぱいにレモネードを入れて無表情にこちらに差し出す。

そばではパタコンというバナナフライをつぶしたスナックのスタンドに列ができている。この店は新聞にも載ったようで、その切り抜きが壁にかけられている。バナナを切って一度揚げてから、木の板でそれをつぶし、赤いソースにくぐらせて再度揚げる。

塩味のつよいチーズの塊を付け合わせる。
バナナ揚げの作業をおばちゃんが淡々と続け、それを列に並ぶ人々がじっと見つめ、スタンドで立ち食いをする人々が眺める。さっくりと揚げられた味の薄いパタコンに、塩味のチーズが効いてくる。

カルタヘナにはカリブ海に面して大型ホテルの並ぶ半島部、ボカグランデがあり、その先端にはヒルトンがある。Parque de La Marinaから出ているバスに乗って、ヒルトンに向かうことにする。

裕福なコロンビア人や海外チャーター船顧客などのカルタヘナ宿泊先となっているボカグランデには、バーガーキングもマクドナルドも、CROCSもロクシタンもカルバン・クラインも、ある。でも、その前にはジューススタンドも、コーヒースタンドもあって地元の人たちがのんびりとしている。

少し手前のHOTEL CARIBEでバスを降りてヒルトンまで歩いていくと、ところどころでマンション、要らないですか?と声をかけられる。

軽装で歩いていて、マンションをぱっと買える人もいるのだろうかと思っていたら、どうやら100,000ペソほどで1日貸しもしているらしい。

白い無機質な建物に大きく青字でHiltonと書かれたそのホテルの外観はまるで病院のようだが、中に入ると冷房が効いていてビジネスセンターもある。ここにもコロンビア国旗のほかにカルタヘナの旗が掲げられている。

ホテル近くのカリブ海は茶色く濁っているが、太陽の日差しできらきらとしている。小さく黒い鳥がとまり、カップルが泳ぎ、地元の子どもたちはきゃっきゃと海に走っていき、時折ジェットスキーが勢いよく進んでいく。

海に面したレストラン、Brisas del Caribeに入り、昨晩NH Galeriaで勧めてもらったMote de Quesoというスープと、ココナッツライス、パタコンをオーダーする。Mote de Quesoにはチーズをちぎったもの、じゃがいもやタマネギが入れられ、ココナッツライスにはしっかりとココナッツの風味が香る。

バスで再びParque de La Marinaに戻る。運転手も途中スタンドでフルーツジュースを買ってそれを片手に運転する。なにしろ昼のカルタヘナは暑いのだ。

わたしたちもボリバール広場近くのLoncheriaボリバールに立ち寄り、トゲバンレイシとビワのフルーツジュースを飲む。氷とかき混ぜられたクリーミーなフルーツジュースは、身体をうまく冷やしてくれる。

次の目的地であるメデジンへの夜行バスまでにまだ時間があるので、サン・フェリペ城を見に行く。Getsemaniにある宿からラグーンにかかる橋を渡って、向かう。ラグーンの先にはクレーンがいくつも見え、工事中の建物がある。

城は、標高40mの丘に建てられた城塞で、1536年から20年近くかけられてつくられた。強固な造りで知られており、トンネル状の通路は長く、迷路のように複雑に組まれている。途中に真っ暗になり前が見えない箇所もある。

城の上からはカルタヘナを一望することができ、左手にボカグランデ、中央に旧市街、その向こうにカリブ海が見える。後方には、Popa修道院が150mの丘の上にちょこりと佇んでいる。

真っ赤な夕陽が、大きくはためくコロンビア国旗を照らし、かすかな余韻だけを残してカリブ海に沈んでいく。徐々に暗くなる町にぽつりぽつりと灯りがついていく。

カルタヘナの旧市街からメデジンまでのバスターミナルまでは、遠い。この時間にバスに乗るのはスリもたくさんいて危ないからタクシーで行ったほうが良い、交通渋滞がひどいから時には2時間ほどかかる、タクシーで行かないと間に合わない、という人もいれば、危ないなんてとんでもないという風に笑う人も、朝にはある渋滞も夕方にはもうない、という人もいる。

バスターミナルへ向かうバス停でタクシーに乗ろうか思いあぐねていると、コロンビアで英語を教えているという米国人女性二人とカルタヘナ出身コロンビア人男性が、危なくもないし、1時間くらいでバスターミナルに到着するというので、教えてもらったバスに乗り込み、向かう。

バスチケットの予約を頼んだ宿の女性には危ないからタクシーで行きなさいと言われ、身構えて乗ったバスでは、早々に席を譲られ、わたしたちの大きな荷物の移動に乗客が手を貸してくれる。チケット販売の男性も乗客に心を配り、席が空けば立っている乗客に手招きをして、座らせる。

すいすいとバスは進んだものの、40分ほどたったところで、別のバスに乗り換えなさいと言われ、指示に従う。

結局1時間ほどで無事にバスターミナルへ到着した。

各バス会社のカウンターが並ぶバスターミナルには、レストランもいくつかある。その中で、La Gran Paradaというレストランを選び、ハンバーガーとフライドポテトをオーダーする。

定刻9時半、バス乗車位置へと向かう。ちょうど同時刻にメデジンに向かうbrasilia社のバスが横並びに停車している。人々は列に並び、ゆるやかなボディチェックを受ける。

カルタヘナからメデジンまでのバスは極寒だという事前情報に基づき、長袖の上着に毛布を抱えて乗車する。確かに冷房が効きすぎるくらいに効いている。

定刻を20分ほど過ぎたころ、バスはゆっくりと発車する。隣に座ったカルタヘナで店を経営しているという女性は、発車時に目の前で十字をきって、眠りにつく。