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巨大岩とカラフルな町 – Piedra de Penol / Guatape / Medellin, Colombia

メデジンに行ったら、「岩はどこだ」と周りの人に聞いて、そこに行ったほうが良い –
カルタヘナで出会ったアメリカ人女性に、そう言われていた。

その「岩」とは、高さ220mの一枚岩、Piedra de Penolのことである。

今日もココナッツの入ったグラノーラとコーヒーをいただいてから、出かけることにする。Piedra de Penol経由Guatape行きのバスが北バスターミナルから出るので、メトロに乗って最寄りのCaribe駅へ行く。

駅近くには、現在のメトロの路線と並行して、かつて使われていたのだろう線路が雑草に覆われ、駅舎が黒く放置されている。

バスカウンターがずらりと並ぶ中から、Guatape行きのバスを出しているSotrasanvicente & Guatape La Piedra社を探し、チケットを購入する。

定刻9時半を5分ほど過ぎて、バスは出発する。途中、豚の積まれたトラックと走りながら、山道を進むこと2時間ほど、湖の向こうに突如、GIと大きく白字で書かれた巨大な黒い岩が現れる。

黒く見える岩も近寄ってみてみると、岩肌に、白い線がうっすらと入ったり、草花や苔が生えていたりする。

岩は花崗岩、石英、長石などで構成されていて、火山噴火によってできたという説もあるという。それを今から25年ほど前に造られた湖が囲んでいる。岩には、じぐざぐにこしらえられた659段の石の階段が設置されている。

半分ほど登ったところに、マリア像と、サンタ・ベルナルディタ像が向かい合わせに置かれている。階段から針金がぴょこりと飛び出していたり、今日も岩に金属を埋めて工事をしている男性がいるなど、おっかないのも30分ほど、岩の上にたどり着く。

岩の上には思いがけずレストランや土産物屋があり、音楽まで流れている。さらに上に設けられた展望台を上がると、360度、はるかかなたまで辺りを見渡すことができる。オレンジ色の蝶々が舞い、鳥は下を飛んでいく。

木々があふれる緑の土地に湖が入り込み、島々が浮かんでいる。それを橋がつないでいく。時折通る船が湖に曲線を描き、町に影をおとす雲が動いていく。

岩の上ではボゴタで司祭をしているという男性と女性二人に一緒に写真を撮りたいと話しかけられ、また階段途中でも同じように話しかけられる。こちらが日本人だと分かると、絶賛の嵐である。マンゴーまでごちそうになり、岩から降りる。

岩から歩いて1時間ほどいったところにあるGuatapeという町へ、ヒッチハイクをして行く。Guatape在住の男性が、かつてのトヨタのクラウン車でわたしたちを運んでくれた。

Guatapeに着いてまもなく、ホテルEl CastilloのレストランでBandeja Paisaをオーダーする。困ったら、セットのBandeja。目玉焼き、フリホーレスにライス、フライドポテト、薄切りバナナ揚げにサラダのセット、そして今回はお勧めされた豚肉グリルにする。

町の中心の教会とそれに面した公園を眺めながら、食事をいただいていると、食べ終わるころに雨がぱらりぱらりと降ってきた。どうやらここ最近は、午後に雨が降る。

そのうちにざあざあと本降りになる。

Guatapeの町の家々は、ピンク、茶色、水色、オレンジに黄色と色があふれている。市の建物でも、ピンクや黄色、青色や緑なのだ。家々にはそれぞれ羊や楽器、インディアンや鳩、キリンやパン屋、教会や花や壺、車などが描かれている。ダムを描いて水の流れを書いた家もある。

それぞれ好きな柄を壁に描くのだという。ある家庭にとっては、それが名前からのモチーフであり、ある人にとっては職業からのモチーフ、ある家庭にとっては、好みによるモチーフである。Zocaloと呼ばれるそのモチーフは、粗雑に書かれたものもあれば、繊細に描かれたものもあって、とてもかわいらしいのだ。

すっかり雨も止んだ。

17時半に再びバスに乗り込んで、メデジンに向かう。2時間ほどで、広く橙色の灯りが散らばるメデジンの夜景に戻ってくる。

宿の近くの9時半まで開いているスーパー、exitoをすっかり気に入り、ソーセージやきゅうり、トマトとチーズ、ナッツとパンを買う。飲み物は、メデジンのラム、Ron Medellin Anejo3年もののボトルとコーラを買って、ラムコークを作ることにする。

Poblado駅から丘に向かっては、高層ビルがいくつもそびえている。そこから放たれる光は、橙色ではなく、白いのだった。