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おしゃれ植物園のある町 – Medellin / San Peregrino, Colombia

メデジンで宿泊していた宿はCalle 10 Hostelといい、まだできて半年の宿である。コロンビア人と米国人の2人がオーナーだという。まだ人々に知られていないためか、客は少ない。

オーナーはほぼ宿にはおらず、代わりに2人の男性が代わる代わる受付を担当している。そのうちのルイスくんというメデジン出身の男の子は、他に物流企業でアルバイトをし、またフリーランスとしてグラフィック・デザインをしているのだという。

彼が小さかったころと比べ、メデジンは特にこの15年ほど、治安の改善も含めて大きく変化した。建築物にも力をいれている。安全になったことも、新しい建物ができることも良いことでメデジンの人々は満足しているよ、とルイスくんは身体をくねらせながら、言う。

今朝は、木苺のヨーグルトとココナッツのグラノーラ、コーヒーとチョコチップ入りのパンを食べてから、Universidad駅前にある、評判の良いメデジン植物園Joaquin Antonio Uribeに散歩に行く。

この植物園も2007年までメデジン市長を務め大改革を行ったSergio Fajardoの手がかかっている。

14ヘクターの植物園はロゴデザインから洗練されており、入口入ってすぐにはベネズエラの写真家Vasco Szinetarのモノクロ写真が、円形状の壁に展示されている。そして、国際的な賞も受賞している中央のOrquideorama Jose Jeronimo Trianaでは、そのオーガニックなフォームが周りの植物たちを優しく包んでいる。

そして、この植物園は無料で人々に開かれているのである。

カメレオンやリス、カルガモなどが園内にひょっこりと現れる。
池のベンチや芝生のうえではカップルは寄り添いあっている。

In Situという、ラテン語でIn Cityという名の洗練されたレストランもあり、木材をつかった建築は、目をひくのである。

知的好奇心をくすぐる仕掛けがあちらこちらにある。
ここの主な仕掛け人はMUMA、である。

帰り際、園内のCafe del Bosqueで植物を眺めながら、コーヒーをいただく。ここコロンビアではコーヒーをTintoと呼び、町中やスタンドでよく飲まれている。カフェでは2.5オンスのTinticoがあったので、それを注文する。さらりと飲むのに良いサイズなのである。

お昼はPoblado駅近くの屋台ricas calienticasで売られていた、甘いパンのボール、Bunuelosと、じゃがいもと鶏肉をまるめて揚げたPastel de Pollo、チーズを入れて揚げたPalitos de Quesoを買ってコーラとともに食べる。

今日は、Manizalesから10キロほど手前の、コーヒー農園のあるSan Peregrinoまで行くことにする。宿の隣に位置する修道院から出てきた修道女が次々とタクシーに乗っていく。わたしたちも小さくて黄色いKIA車のタクシーをつかまえて、バスの出る南ターミナルへと向かう。

San Peregrino経由Manizales行きのバスを出している会社のうち、Empresa Autolegal S.A.社の14時半発のチケットを買う。バスといっても、Manizalesと行き先が掲げられている小さなバンである。

南ターミナルもまたいくつも食堂のある大きなターミナルであったが、チケット購入からバス乗車まで、どこからともなく現れた男性が、あちらこちらへと案内してくれる。

発車したバスは、大型スーパーマーケット、カリフールの横を通り過ぎ、メデジンの渋滞につまりながら川沿いに行く。

濁った川にはトレーラーがじゃぶじゃぶと入り、砂利をうごかしている。雲間に光が差し、山々には牛や馬がのんびりとしている。道路脇の屋台では真っ赤なコーヒーの実が房になって売られている。

道中、道路が工事中で30分以上バスは停車した。日が沈み、辺りはどんどんと暗くなっていくものの、客は一向に騒ぐ様子もなく、ただじっと座っている。隣に座った若い男性はわたしたちに話かけ、爪のきれいな女性は携帯液晶画面を器用に触れてメールを送っている。

コロンビアのコーヒー農園では滞在可能なところも多く、フィンカと呼ばれる家々があちらこちらに見られる。今回はHacienda Veneciaというコーヒー農園の宿に泊まらせてもらうことにした。

San Peregrinoには19時半ころに到着し、辺りはすっかり暗くなっていた。Las Palmasというレストランに入り、宿に電話をして車で迎えに来てもらうことにする。レストランのおじさんも、どうぞどうぞ席にかけなさいと招き入れてくれる。

ほどなくして迎えの車が来て、10分ほど舗装されていないコーヒー農園の小道を走ると、宿の灯りが見えてくる。

到着するとシャワーを浴びてから食事のほうが良いでしょう、と言って食事のタイミングを合わせて夕食を用意してくれる。宿は温かな匂いで満たされている。こうして、ミートソースにたっぷりとパルメザンチーズをかけて、メデジンから持ってきたラム瓶にさきほどLas Palmasで買ったコーラでラムコークを作って合わせる。

食後には、この地で作られたコーヒー豆を挽いてRancilio製エスプレッソマシーンでコーヒーをいれていただく。

この宿は各部屋に世界のコーヒーの銘柄がつけられている。わたしたちの部屋の名前はエチオピアのSidamoである。

辺りには、虫の声がする。

日本という国

ハンガリー人の男性は、言う。

「友だちで熱狂日本ファンがいるんだよ。僕に日本人の友だちができたなんて言ったら、すごく嫉妬されそうだ。友だちは、日本に行きたくて行きたくて2年必死に働いてお金をためて、いよいよ日本に行こうとしたところ、あの地震がおきて。それで、日本に旅行じゃなくて、ボランティアで行くことにしたんだ。日本は、最高だって言っていたよ。」

日本を回ったことのあるイギリス人男性は、言う。

「日本は島国で、建築も文化も、世界のどこにもない国だと思う。高層ビルに、伝統建築、最新電子機器、寿司に大仏。東京も、京都も、ほんとうに特別な街だよ。」

メデジンで働くボゴタ出身のコロンビア男性は、言う。

「今まで中国やインドに数年住んだことがあるけれど、日本は最後の、最後のとっておきの目的地なんだ。」