ハラペーニョと不思議な肉 – Mexico City, Mexico
宿から、書籍や海賊版DVDなどがずらりと売られているBalderas通りを歩き、小型バスであるペセロに乗ってチャペルテペック公園に向かう。
ペセロの乗り場らしきところで待っていたおばちゃんもチャペルテペック公園行きに乗ると言う。「バスが来るのが遅い遅い」と待ちながら、乗車すればまたすぐに降りてしまったことからも分かるように、このペセロは市民の足となっているのだろう。
公園の前では小鳥を使って勝手に占いを始めるおじちゃんがいたりする。
そして言う。「はい、10ペソ。」
すっかりお腹がぺこぺこになっていたので、公園近くの屋台で
美味しそうなトルティージャ・グランデをオーダーする。
肝のような肉のかたまりにライス、トマトやオニオンなどをのせた
ボリューム満点のトルティージャで、
その上、屋台に並べられたワカモレなどのトッピングは自由にどうぞ、と言う。
作り手は、人の良さそうなお兄さん。
ワカモレ。大好き。
お兄さん、ありがとう。
大口を開けてぱくりと食べる。
すると、そこにはハラペーニョ(青唐辛子)がたっぷりと入っていた。
とたんに舌はじんじんとし、頭がくらくらして、
意識が遠くなる気さえする。
隣の屋台にその文字が見えた「チョコレートミルク」をすかさず注文し、
大きすぎる容器に入れられたそれを一気に飲む。
変わったチョコレートの味がするが、気にしている余裕は、ない。
肝のような肉のかたまりも
どうもおかしな味がしていることが分かってきたときは、
身体の中ですでに不思議な動きが起こっていた。
あの小鳥は、数分後のこの状態を予測できていたのだろうか。
チャペルテペック公園のリスはひとなつこく、かわいらしい。
けれど動き回るリスを前に
こちらはすっかりぐったりとなってしまった。
それでもメキシコ革命勃発期に国を独裁したディアス大統領夫妻の公邸として知られる
チェペルテペック城までゆっくりと散歩をする。
メキシコ・シティは標高2240mにあり、
盆地で空気も悪く疲れやすいのだと聞いていた。
だから、ゆっくりと。
城からはメキシコ・シティを見渡すことができる。
教会も高層ビルも共存している。
ハラペーニョのご機嫌を伺いながら、メトロに乗って
スカロ広場近くのメキシコ独立の舞台となった国立宮殿を見に行く。
ここもアステカ時代のモクテスマ2世が居城としていたところを
アステカの征服者コルテスが破壊して、
植民地の本拠として宮殿を建てたものだ。
この宮殿には、フリーダ・カーロの夫でもあり、壁画家でもある
ディエゴ・リベラの最大の壁画「メキシコの歴史」があり、
アステカ時代から現代メキシコまでが描かれている。
食物を作り、布を染め、穏やかに暮らしていた人々が
銃や剣をもった人々に脅かされ、縛られ、
奴隷として過酷な労働を強いられる。
毎年9月15日の独立記念日の夜にはこの宮殿のバルコニーから
大統領が独立万歳、とソカロに集まった市民に向かって叫ぶのだ。
体調が徐々に戻ってきたので、
火災で一時休業していて数日前に再オープンしたという
ウォルマートに必要な品々を買いに行く。
中南米の蚊には中南米の薬で対策を、ということで
店員の方が一番効くと言った
Bye Bye Mosquitosという分かり易い名の薬を買う。
そして優しいヨーグルト飲料を袋に入れて
11時半の予定時刻通り、オアハカ行きの夜行バスは出発した。
2011/11/08 23:18 | カテゴリー:Mexico